iPhoneやiPadをはじめとする便利なツールの登場により、その都度その時点における最適なツールの組み合わせで仕事環境を構築しています。
僕の現在の仕事は、執筆とコンサルティングがメインですが、両者の共通点は、ネタを仕入れて、加工して、アウトプットする、というフローです。仕入れは共通で、加工の段階で量産品(執筆)と特注品(コンサルティング)の2つのラインに分かれ、アウトプットは文章か口頭かというメディアの違いになります。
中でもキモになるのは仕入れと加工。このフェーズを深くかつ効率よく行うことができれば、全体のパフォーマンスはおのずと向上します。
というわけで、最近の仕入れと加工のフェーズを中心に、情報収集(仕入れ)からアウトプットまでのワークフローということで次の3つのステップに分けてまとめてみます。
- 情報収集(仕入れ)
- 加工
- アウトプット
1.情報収集(仕入れ)
“仕入れ先”は主に次の3つです。
- 人
- 書籍
- ウェブ
人からもたらされる情報が最も濃く、次いで書籍、最後にウェブが続きます。濃いか否かは、発信源の近さと信頼性の高さによって決まります。つまり、生情報にどれだけ近いか、ということです。
情報収集のフェーズにおいてツールが活躍するのはやはりウェブでしょう。ということで今回はウェブの情報にフォーカスしてご紹介することにします。人と書籍については改めて。
僕の場合は以下のフローに従って終着点であるEvernoteにたどり着きます。
- RSSリーダー/Twitter
- Instapaper
- Evernote
RSSリーダーは Google Readerを使用しています。以前は、iPhoneやiPadからReeder
理由は、iPhoneやiPadからフィードを読み始めると、いつでもどこでも読めてしまうために、本を読む時間がなくなってしまうからです。単位時間あたりの摂取情報の濃さを追求するなら、可能な限り本を読む時間を増やすしかありません。
そうなると、必然的にフィード(ウェブ)に向かう時間が削られますから、限られた時間で大量に読めるツールが求められます。今のところ、最も効率よく読み下せるツールはPCであるため、上記のような結果になりました。
ちなみにTwitterについても原則としてPC上のHootsuiteからに限定しています。ただし、Mention(言及)のチェック用にiPhoneに同アプリ
RSSリーダーで記事をチェックしつつ、気になった記事は次のいずれかの処理を行います。
- すぐに知らせたい記事 → Twitterに流す
- じっくり読みたい記事 → Instapaperに送る
Twitterに流す場合は、一度その記事を新しいタブに開き、bit.lyのブックマークレットを使ってワンクリックで投稿画面を出し、必要なコメントを付けます。
このとき、引用したい箇所を選択した状態でブックマークレットをクリックすると、その部分が引用された形で投稿画面に差し込まれます。
↓
Instapaperに送る場合は、Google Readerの「Send to」という機能にあらかじめ組み込んでおいたうえで、以下のように呼び出します。
呼び出すと、以下のような編集画面が表示されるので、必要に応じてタイトルを書き換えたり(めったにやりませんがサマリを書き加えたり)したうえで、Addボタンで送り出します。
2.加工
このフェーズの役割はフィルタリングです。Instapaperの中身を吟味し、アウトプットにつなげられそうな情報のみをEvernoteに送ります。
このフェーズは、フィードの読み込みに比べて負荷が軽いのに加え、後述する理由により、iPhoneまたはiPadでスキマ時間に行います。
iPhoneまたはiPadでInstapaperアプリを開き、蓄積されている記事をチェックしていきます。自分が普段から追いかけているテーマだったり、アウトプットにつなげられそう(=ブログのネタになりそう)なテーマであれば、そこでEvernoteに送ります。
送り方は、以下の通り(画面はiPhoneですが、iPadでもほぼ共通です)。
↓右下のボタンをタップ
↓Share…をタップ
↓Email Full Textをタップ
↓宛先にEvernoteの投稿アドレスを指定し、必要に応じて件名と本文を書き換えて、送信
PC版(Web版)のInstapaperはなぜかこのShareの機能がないため、iPhoneまたはiPadを使っているわけです(そのうち実装されるかも知れません)。
3.アウトプット
Instapaperから送られてくる情報は自分なりのフィルタを通過してきた、かなり厳選された情報ですので、すぐにでもアウトプットのネタになるものばかり。
あとは、メディア(ブログかコンサルティングか、あるいは進行中の別の仕事か)に応じて振り分けていきます。
そうしておいて、おもむろに1つあるいは必要なだけネタを選んでブログを書き始めるわけです。
まとめ
今回は書ききれませんでしたが、Google Reader上ではフォルダ分けが、Instapaper上でもフォルダ分けが、そして、Evernote上でもノートブックやタグ付けのルールがそれぞれ決まっています。
ポイントは、とにかく入ってきた情報を自分なりの基準に沿って機械的に淡々と振り分けていくこと。具体的には、進めている仕事や追っているテーマごとに入れ物を用意しておいて、そこに収めていく、ということです。
そうすることで、仕事Aをしようと思ったら、EvernoteのAというタグの中身をチェックすれば、そこに必要な材料が揃っていますから、下ごしらえの済んだ材料を使って手早く料理を作るがごとく、アウトプットを効率よく行うことができます。
さぁ、料理を作るぞ、となってもこうした下ごしらえができていないと、一からいろいろなものを作らなければならなくなって、手間と時間がかかり、やがてイヤになってしまうでしょう。
そうなりたくないからこそ、日々機械的に淡々と上位層(仕入れ)から中間層(加工)、そして下位層(アウトプット)へと、順番に情報をふるいにかけているのです。
合わせて読みたい:
「仕組み」を「テンプレート」に置き換えただけ、と言えなくもないですが、その発想には大いに共感できます。やはり機械的に淡々とできるようにシステムを組み上げていくのがセオリーだと改めて実感させられます。
関連エントリー:
仕事における“椎間板”
考える作業を前に進めるために
朝一番すぐに仕事に取りかかれるようになるための寝る前の儀式
オトバンクの上田渉社長との対談音声がリリースされています。
» 上田渉の革命対談第2回 大橋悦夫×上田渉「シゴタノ革命」
上田さんの近著『勉強革命!』にまつわる企画で、これまでブログでもセミナーでもまったく話したことのなかった、シゴタノ!に至るまでのストーリーをお話させていただいています。上田さんは聞き上手で、とても話しやすかったです。感謝!
ちなみに第1回は中谷彰宏さん、第3回は小飼弾さん、というそうそうたる顔ぶれです(汗)。
当の『勉強革命!』は、上田さんの過去から現在にいたるまでのストーリーを軸に、起業を志している方であれば気になるトピックがちりばめられています。キーワードだけご紹介すると、大学での学び方、業界の常識、仮説と検証、家族からの理解、情熱、トラブル、小さな縁、理念、社会問題、ロマン・ソロバン、すき間時間、インターネット、本、ひとりディベート、水平思考、などなど。
タイトルには勉強とついていますが、勉強本には終わらない起業家としての行動哲学が学べる一冊です。