すぐに行動を起こせる人になるための6つのポイント

カテゴリー: とらえなおす
By: Stephanie SicoreCC BY 2.0

『千円札は拾うな』より、すぐに行動を起こせる人になるための6つのポイントをご紹介します。

1.せざるを得ない状況に自分を追い込んでいるか?(p.21)


本書の冒頭にはアインシュタインの次の言葉が掲げられています。

常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。

有名な警句なので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

この句で始まる本書は、常識とうまくつき合っていくためのマインドセットをいかに作るか、そのためのヒントを解説しています。

人材コンサルティング会社を経営する著者の実体験に基づいた具体的な方法論やアドバイスが多数紹介されているのですが、参考にすべきはそういった「具」ではなく、そこに至るプロセスにおいて著者が心がけている「道」です。

きちんと言葉で書かれているところもあれば、行間から読み取るしかないものもありますが、いずれにしても「具」は抜け殻であって、本質ではありません。

前置きが長くなりましたが、その本質たる「道」に迫るための7つの問いを引き出してみました。

1つめが、「せざるを得ない状況に自分を追い込む」こと。

残業をやめ、定時で帰宅するというように、頑張ることをやめると、これまでのやり方では同じ成果を上げられなくなる。短くなった就業時間でこれまでと同等の成果を上げるには、慣れ親しんだ仕事のやり方を捨て、全く違うやり方に変えざるを得なくなる。


2.その言葉の定義は現実に即しているか?(p.22)

言葉の力は偉大です。例えば、『成功の掟』という本では、言葉の力をまざまざと見せつけてくれます。

そんな言葉の力ですが、多くの人はあまり高く買っていないようです。これについて、著者は次のようにいいます。

本当のことを言えば、やはり勤勉は美徳だし、結局のところ、努力は報われる。私もそれは十分わかっている。

しかし問題は、何を「勤勉」と言い、どういうことを「努力」と言うのかという「言葉の定義」が昔と今では違っていることに多くの人が気づいていないことだ。

従来の定義でしっくりこなければ、自分の周りの現実に即して、言葉を再定義する必要があるのです。

その例として、著者は「努力」について次のように書いています。

今や、人と同じことを人より長い時間やることを「努力」とは言わない。サボらずに真面目に勤めることが「勤勉」ではないのだ。


3.今までの努力を捨てる勇気はあるか?(p.34)

成長というのは目的地に向かって階段を上っていくようなものだ。だが、その階段は無数にあり、どれが成長へと続く階段なのか上るときにはわからないようになっている。

それゆえに、途中で「間違えた」と気づいたなら、勇気を持って上ってきた階段を下りる勇気が必要になる、というわけです。さもしないと「別の階段」を上れないからです。

ここで、「せっかく上ってきたのだから」という今までの努力にとらわれてしまうと身動きが取れなくなってしまいます。この“呪縛”から逃れる方法については『サンクコスト時間術』という本が参考になります。

4.「予算」を細かく刻みすぎていないか?(p.54)

たとえば、3ヶ月ごとに売り上げ戦略を立てるとしよう。予算も当然、3ヶ月単位で組むことになる。その場合、本来ならば1億円ある営業予算が、2500万円×4に分散されてしまうのである。

1億円を一度に使う戦略と、2500万円ずつ4回に分けて使う戦略。

どちらがより大きな収益を生み出すのか。結果は明白である。

お金を時間に置き換えても同様でしょう。15分ずつ4回に分けて取り組むよりも、1時間集中して取り組んだほうが効率よく仕上げられる仕事もあるはずです。

取りかかりやすくするために大きな仕事を細かく分解するのは常套手段ですが、細かくしすぎて、かえって効率を落としてしまったのでは本末転倒です。

5.「売約済」を理由に諦めていないか?(p.118)

いい男をつかまえようと思うなら、今すでに彼女のいる男の中から探す。これが鉄則である。

しかし、これはなにも略奪しろと言っているわけではない。

いい男を見つけたら、強引に奪うのではなく、「予約」をするのだ。

ホテルに泊まるのに、予約をしない人はいないでしょう。泊まりたいが前もってわかっているのなら、速やかに予約をすることで、部屋を確保することができます。

いつでも泊まれると思っていると、予約のタイミングを逸します。

仕事においても、いつでもできる、そのうちやろう、と思いつつ気がついたら手遅れになっていた、ということは少なくありません。

「今は忙しいから」と思っても、忙しい中にあっても今すぐできることを見つけて取りかかってしまいましょう。忙しいことを理由にホテルの予約を先延ばしにする人がいないのと同じように。

6.ホントのところは「変わりたくない」と思っていないか?(p.33)

そう言う私は、もともととても変化値の低い人間である。18でアメリカに単身留学しているため、若いころから変化に強い人間だったのだろうと思われることが多いのだが、実は逆だ。自分を変えたくないからこそ、環境を変える道を選んだのである。

本書の前半の、かなり早い段階で出てくるくだりですが、僕自身はここが本書の要諦を凝縮して語っている部分だと思っています。

どんなに優れた方法をもってしても、それを実践に移さない限りは効果は永遠に得られません。そうなると、実践に移すべく自分のあり方を変えるか、もしくは、実践の方を自分に近づけるか、いずれかしかないでしょう。

「成功者」に逆境を乗り越えた経験者が多いのは、逆境に身を置かなければ現状維持の慣性にはかなわないからかもしれません。

順境においては、人は努力をしなくなるからです。

まとめ

本書を読んで僕なりに引き出した結論は次の2つです。

今から3年近く前(2006年1月)に刊行された本書ですが、書かれていることは人間の本質に肉迫するものであり、今後も長く読み継がれていく一冊だと感じました。

» 千円札は拾うな。




▼次にすること:

『千円札は拾うな』を読んで、自分が順境に甘んじていないかをチェックする

▼関連:

『千円札は拾うな』 – シゴタノ!ショートレビュー

著者のスタンスは一見すると非常識に思えるが、その非常識こそが常識を打ち破る唯一の方法であることを実感させてくれる一冊。紹介されているさまざまな「非常識」事例にとらわれることなく、著者のスタンスに学びたい。抵抗を感じるとしたら、それはあなたが常識にとらわれている証拠かもしれない。

一つだけいえることは、どんなことにも「ノーリスク」はあり得ない、ということ。何か1つでも人に任せていることがある人は、読んでおいて損はない。

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