情報を一元化する時に注意する7つのチェック項目

カテゴリー: ビジネス心理書評

1981年(昭和56年)生まれの奥野宣之さんが書いた、『情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」』は面白い本です。マニアックに「100円ノート道」を追求するアイデアや姿勢も面白いのですが、私より八歳年下ながら、私より二十歳くらい年上のような考え方にも、強い興味を抱きました。

著者の奥野さんは、「100円ノート」を使いこなすことに、本心から愛着を感じているのだと思います。ですから、この本さえ読めば、この方法を安心して実行できます。

しかし、今ひとつしっくりいかないようでしたら、自分なりのやり方を模索しましょう。それが見つかったら、本書で指摘されている「100円ノートを使わないことの不都合」を、自分のやり方で解消可能かどうか、チェックするために使いましょう。以下に本書からの「情報一元化のためのチェックリスト」をまとめてみました。

1.いつでもどこでも入出力可能か?
2.見返しやすいか?
3.簡単か?
4.低コストか?
5.スケジュール管理できるか?
6.検索可能か?
7.バックアップはとれるか?

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」
奥野 宣之


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1.いつでもどこでも入出力可能か?

情報管理、メモ術において、これは欠かすことのできない項目です。もちろんどうしても無理な場面というものはあります。しかし、以下のようなツールを使えば、相当無理のある場面でも、メモを取ることができるでしょう。いずれも奥野さんが紹介しているツールです。

fILOFAX ジョッタ
http://www.rakuten.co.jp/winds2007/958757/985784/

耐水・難燃メモ帳CP-136N
http://item.rakuten.co.jp/bousaikan/481028/

なお、たとえば情報管理を「100円ノート」ではなくて、EVERNOTEやGmailでやっていたとしても、ほぼいつでもどこでも入力は可能です。問題は出力ですが、小型のノートPCを使う方には問題ないでしょう。また、スマートフォンでも設定すれば、Gmailの受信は可能です。

2.見返しやすいか?

デジタルで情報管理をする場合、ひとつのネックとなるのがこれです。見返す速度と目や脳に優しいという意味で、デジタルはアナログにはまだかないません。検索するのではなく、一覧でざっと見る時には、アナログの方が容易にできるのはたしかです。

とくにGmailは一気に読み返していくのは難しいと言えます。オンラインなのでどうしても動作に難がありますし、たくさんのファイルを一つ一つ開いていくという使い方は、あまり想定されていないのでしょう。

3.簡単か?

テキストファイルでの情報管理。Gmail。いずれも「簡単」だと思います。もちろんPCの操作への慣れということはありますが、決してそれほど難しいということはないでしょう。これらのツールは、ほぼすべてのノートしたい情報を集中しても、使えなくなるということはなさそうです。

ただたしかに、アナログノートに日付を入れて、ひたすら時系列順に並べていく方が簡単ではあります。もっとも、「100円ノート式」でもPCのテキストファイルは使いますので、その意味で「より簡単」とは言えません。

4.低コストか?

デジタルツールの値段は今や幅広くなりました。PCでも、5万円を切るものから、30万円を超えるものまであります。しかし、情報を一元化できればそれでいいということであれば、そんなに高価なPCは、必要なさそうです。

「100円ノート」はまぎれもなく低コストと考えられます。しかし、著者の奥野さんも、PCとスマートフォンを併用されていますから、「100円ノート式」は、デジタル情報管理に比べて、低コストとは言えなさそうです。

ただしここのところは、値段を比べるだけでなく、入手する労力も一応考えた方が良さそうです。PCがなくなるようなことはないでしょうが、スマートフォン、PDAの類は、名機と思っていても世の中から忽然と姿を消してしまうことがよくあります。

5.スケジュール管理できるか?

この点「100円ノート」でも無理だと私は思っていたのですが、奥野さんは自前の「リフィル」を作成されています。この辺りには本当に「こだわり」が感じられます。

私自身は、予定や約束という情報の一元化は、あきらめています。たとえば情報をGmailに一元化していた頃でも、予定はGoogleカレンダーなどに頼っていました。これはこれで機能します。なぜなら、予定という情報は、脳が完全に別枠で管理するように、意識が働くからです。

ここを補足するなら、予定表は未来記憶(展望記憶)の補助ツールであり、ノートは過去の記憶の補助ツールです。昔のことを思い出そうとする際と、これからやることをイメージしようとする時では、明らかに意識が違っているので、使いたくなるツールも自然、区別できるということです。

6.検索可能か?

「100円ノート式」では、情報検索のための索引作りを提唱しています。この方法は、「100円ノート式」のみならず、ラベリングやタグ付けの方法として、大変参考になりました。

「100円ノート式」の大きな問題はしかし、あえて索引ファイルを作らなければならない点にあると思います。これだけでも面倒ですし、ここまでやっても「全文検索」は望めません。この面倒がなく、さらに全文検索を可能とする点で、デジタルはアナログを大きくリードします。

7.バックアップはとれるか?

奥野さんは著書の中で何度も、「PCからはいつか情報が消える」「HDDはいつか壊れる」と強調されています。肝に銘じておこうと思いました。

それはそれとして、たとえばGmailをThunderbirdなどのメーラーで受け取っておけば、ローカルとサーバーに同じものがコピーされた状態を確保できます。2台以上のPCを使っていれば、おそらく万全です。

まとめ

こうしてみると、現時点では

・アナログの利点は一覧性、参照の容易さにある
・デジタルの利点は検索能力と保存の許容量にある

他の点は、工夫や知識、使うツール次第ということになるでしょう。

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