1.「イエス」と言う理由を示す。
2.「イエス」としか答えられない質問をする
3.質問は「あなた」という言葉から始める
4.どちらを選んでも、答えが「イエス」となる二者択一の質問をする
5.相手が「イエス」と答えると、確信をもって質問し、そのときあなたが「イエス」という返事を確信していることを、相手に知らせる
『チャンスがやってくる15の習慣』(ダイヤモンド社)より一部改訂
チャンスがやってくる15の習慣―Skill With People レス・ギブリン 渋井 真帆 ダイヤモンド社 2007-03-02 by G-Tools |
本書は、非常にやわらかい印象の、言ってみれば「誠実に接していればわかってくれる」といった装いの本なのですが、上記5項目のリストをご覧いただければわかるとおり、実はけっこうしたたかな内容を持っています。
それだけにあまり利己的にこうした手法をふりまわせば、かなりイヤな人間と思われかねませんが、そうならないための心がけについても、述べられています。(かなり薄い本なのですが)。
では、リストの詳細に入ります。
1.「イエス」と言う理由を示す。
もちろん相手にとっての理由であって、自分が相手に「イエス」と言って欲しい理由ではありません。
この点で残念なことに、相手のメリットについて全く眼中にない、という人もいます。たしかに相手のメリットについて話すことは、意図せずして失礼に当たる場合もあるので、慎重に取り扱うべき項目ではあります。しかし少なくとも、頼み事をされているのに、メリットは頼んでいる側ばかりにあるというのでは、心躍る気持ちにはなりません。
2.「イエス」としか答えられない質問をする
ちょっとずるいようですが、とにかく最終的に何かに同意してもらいたいのであれば、途中で拒否されるのは好ましくない、ということです。
3.質問は「あなた」という言葉から始める
1を確実にするために、これが欠かせません。重要なのは相手が自発的にうなずくことであって、自分が相手をうなずかせるわけではない点です。
この項目にあるとおり、質問であれば「あなた」中心になるのが自然ですが、質問は連続的に質問が続く内容の方が、話ははずみそうです。
「あなたの職業は?」
「あなたの住んでいる場所は?」
といったふうに、1番目と2番目の質問に、なんのつながりもないと、「質問攻め」のようになってしまいます。
4.どちらを選んでも、答えが「イエス」となる二者択一の質問をする
これもちょっとずるいようですが、「相手にイエスと言わせるのが目的」という自覚があれば、おかしなテクニックではないでしょう。女性をデートに誘っておきながら、「デートしますか? それともしませんか?」という質問はいかにも変です。(口調によっては脅迫めいています)。
「お茶する? それとも映画見に行く?」でなければならないはずです。
5.相手が「イエス」と答えると、確信をもって質問し、そのときあなたが「イエス」という返事を確信していることを、相手に知らせる
私たちの大半は自信家です。心理学の調査によれば、ドライバーの90%は、自分は平均よりも運転がうまいと確信しているのです。だから交通ルールはなかなか守られないわけですが。
同じように、大半の人が自分は他人よりも寛大だと信じています。つまり、相手が「イエス」と言って欲しいところで、わざわざ「ノー」と言うのは、少なくとも言う側にしてみれば「よほどの時」だということです。
ですから、「イエスといって欲しい」という態度は、相手にわかるように伝えるべきです。そうすれば多くの人は、「ノーを言う十分な理由」がなければ「イエス」と言うでしょう。