行動を律するための3つの準備

カテゴリー: 書評

 1.うっかり忘れを防ぐためのツールを準備する(Do)
 2.どのように行うかを定めたルールを準備する(How)
 3.いつ行うかがわかるスケジュールを準備する(When)

何か大きな目標を達成しようとするとき、一定の枠内で自らの行動を律する、すなわち規律が求められることが少なくありません。規律は一時的なものではなく繰り返し発揮されるべきものですから、習慣化したほうがいいでしょう。とはいえ、新たな習慣を身につけるのは容易ではありません。

既存の習慣が邪魔をするからです。人には、ホメオスタシス(恒常性)という、今の状態を一定に保とうとする性質があり、この“引力”に打ち勝つ必要があります。

1.うっかり忘れを防ぐためのツールを準備する(Do)

例えば、「毎日腹筋をする」と決めたなら、それが確実に行われるように準備をします。具体的には、腹筋をすべき時間になったら、リマインダーメールが届くようにするなど、それをやるべきことを思い出させるツールを使います。

毎晩寝る前に腹筋をする、というのなら紙に「腹筋」と書いてベッドの上に置いておくのでもいいでしょう。その紙をどけなければ寝ることができません。もちろん、単なる紙ですから腹筋をやらずにどけることも可能です。でも、そういう“ズル”をしてまでサボるくらいなら、そもそも腹筋は続かないのだと諦めたほうがいいでしょう。

でもそれでは困ります。そこで、以下のページのようなポジティブな刺激をもらえるサイトを見るという方法はどうでしょう。つまり、続けようとしている習慣を後押しする刺激を与えてくれるものがツールになるわけです。

» 1日6分で”割れた腹筋”を手に入れる腹筋法(動画)


スポーツジムなどに通って、周りにマッチョな人がいる環境に身を置くのが一番いいのかもしれませんが、通うのが億劫という場合は、このような動画を見ることでも同様の効果が得られます。すなわち、

 「自分でもああいう風になりたい!」

という気持ちが盛り上がるのです。

2.どのように行うかを定めたルールを準備する(How)

やる気を盛り上げたら、今度はどのように行うかのルールあるいは手順を決めておくようにします。せっかくやる気になっても、

 「さて、どこからどのように手をつければいいのやら…」

となってしまったのでは、無駄に時間が流れていってしまいます。先にご紹介した動画が秀逸なのは、様々な腹筋の方法が具体的に示されている点です。すべてのパターンをこなすのは難しいかもしれませんが、そのうちいくつかでもやってみよう、という気にさせてくれます。

腹筋以外では、以下のブログが続けるためのルール作りの参考になるでしょう。

» 品川庄司 品川blog: ブログをはじめて。

ブログをはじめて もう一つ言われるようになった言葉。

『いい人なんですね』

嬉しいけど、 くすぐったいです。

だって僕はいい人なんかじゃないからです。

きっと、 僕のブログでいろんな人のことを褒めてるから、『いい人』って思ってくれてるんだと思うけど、それはブログをはじめる時に自分で決めたルール

『誰の悪口もかかない』

『愚痴を書かない』

『楽しかった出来事を 書く』

『人の好きな部分を 書く』

これらにしたがってブログを書いているからです。

ここで掲げられている、次の4箇条がルールです。

 1.『誰の悪口もかかない』
 2.『愚痴を書かない』
 3.『楽しかった出来事を 書く』
 4.『人の好きな部分を 書く』

これを印刷して見えるところに貼っておくとなお良さそうです。あるいは、ブログにテンプレート機能があるなら、そこにこの4箇条を入れておくという方法もあります。

毎回、エントリーを書くときに、テンプレートを適用すれば、このルールが目に入るでしょう。この考え方をさらに発展させたのが以下のエントリー。

» シゴタノ!ところで、すると、考えてみると、ということで。 

このブログでは、

 1.ところで、
 2.すると、
 3.考えてみると、
 4.ということで、

という4つのセクションに分けて書くようにしていました。予め以下のような、セクションタイトルだけが並んだテンプレートを用意しておき、ブログを書くときにこのテンプレートに沿って各セクションを順番に埋めていけば、エントリーが完成するわけです。

3.いつ行うかがわかるスケジュールを準備する(When)

やる気も盛り上げり、どのように行うかもわかりました。でも、それをいつ行えばいいかがはっきりしていなければ、

 「今は忙しいから、後にしよう」

という先送りの罠に足止めされてしまいかねません。そこで、いつ行うのかをあらかじめ決めておくようにします。腹筋であれば、夜寝る前にするのか、夕方にするのか、決めておくのです。決めるということは、その時間を空けておく、ということです。人との約束と同じように、手帳やスケジュールツールに動かせない予定として「腹筋」と入れるようにするのです。

時間帯が決められない場合は、冒頭でご紹介した「寝る前」のように、何か別の習慣の前後に組み込む形にするのもいいでしょう。これについて書いたのが、以下のエントリー。

» シゴタノ!習慣を身につけるコツ<実践編> 

・・・挙げていくとキリがありませんが、無意識にやっているこれらの行動に、そのシチュエーションで一緒にやってしまえるようなもうワンアクションをアドオンすることで、自然にそれを習慣として組み込むことができるのではないでしょうか。

例えば、時間がなくて本がぜんぜん読めない、という人でもトイレに行く時間はきっとあるはず。そうしたら、読みたい本をトイレに置いておけば、たぶん読めるでしょう。1日2ページ足らずであったとしても、そこから何かしら学べたりインスピレーションが得られればしめたものです。

つまり、「読書」を習慣づけるために、すでに習慣になっている「トイレ」に“あいのり”させてもらうという感じです。ほかにも“あいのり”可能な日課はたくさんありそうです。

ブログなら、以下のエントリーで書いたように曜日ごとにテーマを決めてしまうのも、迷う時間を減らすことができるのでおすすめできます(#現在はこの曜日ごとの縛りがまったくなくなってしまっていますが…)。

» シゴタノ!曜日ごとにテーマを分けてブログを書く 

実際に、曜日ごとに割り当てたテーマに沿って書き始めてみると、以下のような思わぬ発見がありました。

 ・「今日は○○の日だから、○○について意識しよう」というモードになる
 ・「このネタなら来週の火曜日に使える」という確実な“仕込み”ができる

「何でも書ける」という自由さは、裏を返せば「何を書くかを自分の意志だけで決めなければならない」ということでもあります。これは大変なことです。壁のないトイレのようなものです。

決めごとという“枠”があるからこそ、その中でできることに集中できる、集中できるからこそ、結果が出せる、ということはあるでしょう。

先日お会いしたあるクリエイターの方は、1日あたり8エントリーをコンスタントにアップするために、時間帯ごとにテーマを決めているそうです。そして、そのスケジュールに沿って、手帳にテーマごとのネタを書いていくのだとか。例えば、

 「明日の10時のエントリーはテーマが映画なので、この映画を紹介しよう」

と決めれば、その日の10時のところに映画のタイトルを入れるわけです。彼の手帳には、ずっと先の日程まで何時にどんなネタでエントリーを書くのかがびっしりと書き込まれていました。

これは、時間帯ごとにどのようなテーマで書くのかが決まっているからこそ、本を読んだり人から話を聞いた時に、

 「じゃぁ、(そのネタは)あそこにはめ込もう」

という具合に確実に“予約”できます。何も決まっていなければ、

 「いつかブログに書こう」

ということで、そのまま忘れ去られてしまうかもしれません。

インスパイアされた本:


▼関連:
続く習慣を作るための初期設定 
一日の初めにやる気を最大化させるための習慣 
新しい習慣を始める時に欠かせないもの 
他者ルールを自分ルールに書き換える 
「習慣」について、漠然と考えていること 

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