「知的生産」に関係する私のノート実際例/ノート術企画 おまけ


この企画ではノートについての考え方を紹介してきました。いろいろなノートの使い方、組み合わせ方が存在しますし、何が適切なのかはその人それぞれで変わってくる部分は多くあるでしょう。その「組み合わせ」を考えるのがノートを使う楽しみの一つという方もおられるかもしれません。

とりあえず、「正解」というものはないという事を踏まえていただいて、今回は私が使っている(使っていた)ノートの実例を紹介してみたいと思います。普段画像が少ない連載ですので、今回はちょっとギャラリー的に楽しんでいただければと思います。


テーマノート

以前のエントリーで『「3ヶ月と3カ年」勉強法』というものを紹介しました。その3ヶ月部分に当たる勉強に使っているノートです。

テーマノート

表紙にはそのテーマ(これはドラッカーについて)と使い始めの日時を書いておきます。ちなみにノートはコクヨのB5キャンパスノート。ページ数は100枚です。

テーマノート中身

一日15分から20分ぐらいあてて、1ページを埋めていきます。三ヶ月(約90日)でノート一冊を使い切るぐらいのペースを想定しています。このノートがある程度充実したら、メルマガ・ブログ・電子書籍などでまとめのアウトプットをする予定になっています。

ブレスト手帳

アイデア出しの際に使うノートです。持ち運ぶのに便利なサイズの手帳を使っています。特に難しい使い方ではないので、実例を見てもらえばだいたいわかると思います。

ブレスト手帳

文章を書き出すのではなく、単語やフレーズを思いつくままに書いていくというやり方です。

読書メモ

良い本からは良い材料・良いインスピレーションがたくさん得られます。やはりそれは書き残しておきたいところです。そのためのノート。

読書メモ

引用部分とそれに関する自分の考えを交互に並べていく読書メモスタイル(ねぎま式)で書いています。引用部分は一目で分かりやすいように吹き出しの形にしてあります。

ちなみに、抜き出すものが多い本については複数のページにわたることがあるので、写真のようにノートページの上部を切り取って「本に関する情報」を何回も書かないで済むようにしてあります。

上部を切り取る

読書履歴

こちらは「読書」の記録を残しておくもの。ほぼ日手帳カズンを使っています。タイトルや著者名などの情報と、その本に対するタスク。あとは本全体の感想を簡単に書きます(簡単に書こうとすると非常に字が汚くなってますね)。

読書履歴

右上の青い逆コの字のマークは「この本に関するタスクが全部終わっていない」の印です。タスクを全部消化したら四角に塗りつぶすことで「済」マークの代わりにします。

材料メモ

短期のアウトプット(ブログ1エントリーのネタなど)向けに、材料集めしたもの。見開きでまとめておくのがポイントです。

材料メモ


発見の手帳

『知的生産の技術』で紹介されている発見の手帳。これは単語やフレーズではなく小さいながらもまとまった文章(豆論文)の形式で書いてあります。

発見の手帳

このあたりは全て「モレスキン」のポケットサイズを使っています。

さいごに

これ以外にもまだノートはあるのですが、「知的生産」とは直接関係ないので割愛しておきます。私は複数のノートをつかいわけるのが好きなのでいろいろなノートを「渡り歩いて」いますが、一冊のノートにまとめるもよし、デジタルを使いこなすもよし、だと思います。

体験したこと、考えたことを頭の中だけに留めておくのではなく、手を動かし・ある種の「形」で残し・それを後で振り返ることで得たものをさらに活用できるようになるのではないかと思います。

▼参考文献:

ドラッカー流の知的生産の方法についてまとめられた一冊。今回すこし触れた「3ヶ月と3カ年」勉強法も紹介されています。

ねぎま式読書術についてはこの一冊。

「知的生産」について考えるならばとりあえず読んでおくべき一冊です。Evernoteの使い方に悩んでいる方も示唆が得られるかもしれません。

▼関連エントリー:

知識労働者のための『ドラッカー流勉強法』 

▼今週の一冊:

GTD本第三弾。非常に力のある一冊です。「とりあえずGTDを始めてみたけれども・・・」という方や「たぶんGTD出来ていると思うけども、物足りない」と感じている方はぜひご一読ください。

今までのGTDのワークフローに関するつっこんだ話や、今まであまり語られてこなかった垂直方向のアプローチについても解説されています。輪郭が曖昧だったGTDの全体像を随分とつかめるようになるのではないかと思います。

GTDというのは何かのツールを使うことではなく、あくまで自分の中に「システマティックな考え方」をインストールすることです。それらはとてもシンプルなものですが、導入は簡単ではありません。でも導入するだけの価値はあると思います。GTDについて興味のある方は『ストレスフリーの整理術』からお読みになられるのがよいでしょう。


▼編集後記:

気がつくとこの連載ももう一年。なかなか早いものです。読んでいただいている方の「なにかしらの」役に立っていればよいのですが・・・。

 
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。

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