決して社交的とは言えない私のような人間にとって、『ひとりで抱え込まない仕事術』(リチャード・アクセルロッド/エミリー・アクセルロッド/ジュリー・ビードン/ロバート・ジェイコブズ著、森口美由紀訳、ダイヤモンド社)のような薄くて親切な本は、重宝します。(それにしても、著者が多いですね)。
この薄い本を、事細かに説明してしまうのはさすがに申し訳ないので、必ずしも「まとめ」ではないけれど、心に留めておきたいと思った箇所(つまり私の傍線部)を、簡単なコメントつきで引用してみます。(一部、本文を変えてあります)。
ちなみに、オビの文句は
またまた仕事を抱え込んで、ああ今夜も眠れない。
人に頼みたいけど、頼めない――そんなアナタの必読書!
です。
それではまず、以下の一文。
・助けてほしい内容や、なぜ協力を求めているかを明確に説明する
いかにも常識的な内容ですが、私自身が頼まれ事をしたときのことを思い出す限りでは、これらが「明確に説明」されるというのは、実に珍しいことです。
最近は年もとってきたし、「仕事」をしていることもあり、「明確に説明される」といううれしい事件も体験しますが、会社にいた頃や学生時代には、上司や先輩からトツジョ呼び出され、長時間待たされ、結局何もしないで終わる、という摩訶不思議な体験すら、それほど珍しくはありませんでした。
「何をするか」がはっきり分かっていればいるほど、動きやすくなるのはたしかです。これは多くの人にとって、そうだと思います。
それから、
・誰に頼むかということと、どうやって頼むかということを、分けて考える
これは、大事なポイントだと思います。このふたつを混ぜると、「誰を…」と考えた時点で、腰が引けてしまうからです。そして、
・人への依頼の仕方はいろいろあります
直接会いに行く、電話する、メールする、手紙を書く、等々オプションは豊富だ、という意味です。これもそのままですが、大事なのは「たくさんある、考え出せば工夫の余地もたくさんある」という意識を持つことでしょう。そうすることで、プレッシャーが弱まります。もちろん、
・厄介なのは、知らない人に電話を掛けなくてはならないときです。考えただけでも憂鬱になりますが、
という指摘もあります。指摘があるということは、一応対策も書いてあるということです。次はその中の一つ。
・あなたが何か頼まれたときのことを思い出してみてください。それらの依頼すべてにイエスと答えたわけではないでしょう。あなたが即、これはやろうと思った依頼はどんなものでしたか。
これを読んで私も、かつて自分が即OKした依頼のことや、ほとんど即お断りした依頼について、思い出すところがあり、なるほどと思いました。状況という点も見逃せませんが(たとえば殺人的に忙しいときなど)、ヒマならなんでも引き受けたかと言われれば、そういうわけでもありません。いずれにせよ、依頼に関することで何か感じたら、意図して覚えておくなり、まめにメモしておくと、後々役に立ちそうです。
他にも色々とご紹介したいところがありますが、とりあえずはこの辺にとどめさせていただきます。
ひとりで抱え込まない仕事術―「お願い上手」の5ステップでラクになる
リチャード・アクセロッド エミリー・アクセルロッド ジュリー・ビードン