その中で、倉下忠憲さんがレビューの定義について以下のようにスパッと一言で述べておられました。
ふり返りを出発点としたシステムの同期作業
「何を同期するのか?」という佐々木正悟さんの問いに対する回答は、
自分がいま置かれている状況とシステムに登録されている情報の同期
でした。
この一連を聴いていて、すぐに思い浮かんだ、あるアニメ作品のワンシーンがあります。
「ぼくらはみんな~生きている~♪」
そのアニメ作品とは「攻殻機動隊」。本作に登場する、人工知能を搭載した戦車「タチコマ」たちがお互いの記憶と経験を同期する作業を「並列化」と呼んでいるのですが、レビューとはまさに「並列化」だなと思ったわけです。
▼タチコマというのはこういうものです(昨年リリースされた、1/8スケールのタチコマ)。
以下、会話デモです。タチコマの声を担当している声優の玉川砂記子さんによる完全録り下ろしとのことで、まったく違和感がありません。aiboもいいですがこのタチコマもいいですね(欲しい!)。
スケジュールを尋ねれば教えてくれるし、一度見せたモノを覚えて、次回以降は同じモノを認識してくれたりもするそうで、さらには物体認識エンジンがクラウド上にあり、他のユーザーのタチコマの学習内容も取り込んでくれるとか。
これぞまさに並列化です。
昨日の自分と今日の自分の「並列化」
タチコマたちは複数の機体間での「並列化」でしたが、人の場合は昨日の自分と今日の自分との間の「並列化」です。
タチコマの記憶や経験は当初は本体の内蔵ストレージ(?)にありましたが、後に人工衛星で一元管理されるようになりました。ローカル・ストレージからクラウド・ストレージに移行したことで、複数の機体間での並列化がしやすくなったのではないかと考えられます。
人の記憶や経験も、人体の内蔵ストレージ(脳の記憶)から外部記憶である紙のノートに移り、今やEvernoteやDropboxなどのクラウド・ストレージに移行しつつあります。
何にしても、昨日の自分が「外部ストレージ」(紙のノートやEvernoteやDropbox)に書き出した内容を今日の自分が読み出す、という“処理”が「並列化」ということになります。
- 昨日の自分 → 外部ストレージ → 今日の自分
並列化によって、昨日の自分と今日の自分の「同期」、すなわち引き継ぎが行われ、スムーズに今日の仕事を始めることができるわけです。
レビューが続かないのはなぜか?
「レビューをやらなきゃ、と思っているものの、忙しさにかまけてサボってしまう」という悩みをよく耳にします。
もしかすると、レビューができていないからこそ忙しいのかもしれません。
昨日の自分から今日の自分への引き継ぎができていないがために、確認モレが生じたり、それによって無駄な動きをしてしまったりと余計な時間を使ってしまうからです。
これを防ぐためには一日の最初はとにかくレビューからスタートするしかありません。
前日のレビューは明るいうちにやるのがおすすめです。レビューの中で得られた「これやってみよう!」をその日のうちに始められるから。夜にレビューすると、やむなく「明日にしよう」となりがちで、一晩寝たらなんかどうでもよくなりやすい…。
— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) 2017年2月17日
それでも続かないとしたら、レビューの手順が確立していないか、何をどこまでやればレビューしたことになるのかが明確になっていない可能性があります。
レビューの手順としては以下の記事で紹介している4つの質問がおすすめです。「一週間のふり返り」だけでなく「昨日のふり返り」でも有効です。
レビューをするためにはその対象となる記録がなければ始まりません。そうなると、やはり最初は記録からスタートすることになります。
このあたりについては、以下の記事でEvernoteのレビュー手順を詳しくご紹介しています。
また、関連する記事は「記録の取り方と活かし方の記事まとめ」のカテゴリーにまとめていますのでこちらもぜひ。