つまり、「一年間、毎月一冊電子書籍の新刊を発売した体験をまとめた」電子書籍の新刊を発売しました。
» ゼロから始めるセルパブ戦略: ニッチ・ロングセール・オルタナティブ (セルパブ実用書部会)[Kindle版]
一種の体験記なので、技術的なノウハウの話はありません。企画の考え方といったものも含まれていません。むしろ、マーケティングな視点が多く含まれています。
目次は以下の通り。
概要
第一章 「月くら」計画ビギニング
「月くら」計画の概要をご紹介。
第二章 「月くら」計画から学ぶ9つの教訓
「月くら」計画から得られた教訓を9つにまとめて提示。
第三章 500人の読者理論
セルパブで食べていくにはどのくらいの規模が必要か。
第四章 セルフパブリッシングの未来
黎明期を抜けたセルフパブリッシングはどうなっていくか。
より詳細な目次については、ランディングページをご覧ください。
本書は、基本的には、セルフパブリッシング実践者向けです。「セルフパブリッシングとはなんぞや?」という知識はすでに持っていて、さあ、今からセルフパブリッシングするぞ、という方が指針を得られるような内容となっています。セルフパブリッシングとは何かがわからない方はご注意ください。
ただし、本書は「インターネットで情報を提供する人」にも何かしらのヒントが含まれているでしょう。そうした活動も、広い意味でパブリッシング活動ではありますので。
夢のない話
残念ながら、本書は、「いかにして低労力で高収入を得るか」といった話ではありません。たぶん、それを期待して手に取られると、ひどくガッカリされるでしょう。本書では実際の売上げ実績がいくつか公開されていますが、おおよそ人様に自慢できるものではありません。でもって、それが今のところの「現実」ではあります。
もちろん世の中には、極端に儲かっている人もいるのでしょうが、やはりそれは局所的というか、例外的な存在です。それを一般化して考えると痛い目を見ます。しっかりと「現実」を見据えることが大切です。
しかし、今の「現実」が、未来の「現実」とイコールであるかはわかりません。コツコツ続けるうちに、変化が訪れることもあるでしょう。そして、どうせコツコツ続けるなら、早い方がよいでしょう。先手を打つなら早めに、です。
希望がある話
いしたにまさきさんの『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』では、ブログの継続性(正確には、やめないこと)の重要性が語られています。最近では、バズって急に目立つ人も出ていますが、長い視点で見ると、そういう人って「あれっ、どこいったのかな?」みたいなことがよくあります。何かしらのトレードオフが働いているのでしょう。
本書で語っている力学も、基本的には同じ路線です。
一つひとつとしては小さい話なのですが、長く続けるうちに、それらが少しずつ積み重なっていきます。そして、どこかでそれが相転移します。そこで生まれるものがどのようなものであるのかを、あらかじめ見通すことはできません。だから、私は「成功」を保証できません。でも、そこに相転移が起こることには、強い確信が持てます。
さいごに
「自分で本を作って、自分で売る」
言葉にすれば、シンプルなことです。しかし、ここには何か根源的なものが含まれています。「儲け話」はそれに付随するおまけでしかありません。
ちなみに、内容とは関係ありませんが(いや、実はちょっとあるのですが)、本書はKindle Unlimited(以下アンリミ)に対応していますので、アンリミに登録されている方ならば無料で読めます。
アンリミの無料体験をお試しされた方も多いでしょうから、もしセルフパブリッシングに興味・関心があれば、チラリと覗いてみてくださいませ。
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ようやく、止まっていた「月くら」計画を前に進められました。とはいえ、まだまだ計画は遅れています。とりあえず、あと2冊仕掛かり中の原稿がありますので、それを仕上げたいと思います。8月28日のイベントもよろしくお願いします。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。
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