朝型生活に切り替えるために27日間やり続けたこと

タスクカフェ

» 画・ふじもなおのアトリエ


2月15日(土)にタスクカフェを開催しました。

タスクカフェとは、タスク管理の習慣化をテーマに掲げるワークショップです。
月に1度、土曜日の午前中に開催しています。

2011年8月以来今回で31回目となります。

当初は「週次レビューの習慣化」がメインテーマでしたが、現在ではタスク管理を駆使して「いつかやりたいことを少しでも前に進める」ことを旗印にしています。

今回のタスクカフェでは以下のようなトピックを扱いました。

この中から「朝型生活に切り替えるために27日間やり続けたこと」について、ご紹介します。

悪循環を特定し、ここから抜け出す

ちょうど昨年の今頃のことですが、5時台に起きて活動を始めるという朝型生活に切り替えました。その後もこの朝型生活は続いていましたが、昨年末にふとしたきっかけから夜更かし生活に戻ってしまい、就寝時刻が夜中の2時、3時、ときには4時になることもありました。

一度は朝型がキープできていたので戻せる自信はありましたが、そういう自信があったことがかえって切り替えのブレーキになっていたのかもしれません。

戻そうと思えばいつでも戻せる。

でも、戻したいのは「今」なのです。そう思っているにもかかわらず、いっこうに夜更かしから抜け出せず、そのぶん朝が遅くなり、結果その日も寝るのが遅くなる。

悪循環です。

そこで、普段から続けている「ふり返り日記」の出番です(この記事の「やり方」参照)。



「ふり返り日記」はすでに習慣として定着していたので、この習慣に「朝型生活に切り替える」という短期集中プロジェクトをあいのりさせる格好です。

『レバレッジ・リーディング』に以下のような一節がありますが、

本を読むときは読むことだけに集中し、それ以外のことをするのは邪道だと思われる方も多いと思いますが、そのように考えるから、読書がおっくうになるのです。わたしは、この「邪道」をどんどん取り入れるのが、重い腰を上げるコツだと思います。

(中略)

一番いいのは、わたしが毎朝決まった時間に風呂に入りながら本を読むように、すでに生活の一部分となっている習慣と、読書を組み合わせてしまうことです。たとえば、会社勤めの人なら、通勤で電車に乗っている時間は読書の時間と決めれば、出勤するたびに確実に本が読めるというわけです。

これが「あいのり」です。

「くだらないと思えるほど小さな一歩」を見つける

では「朝型生活に切り替える」をどのように「あいのり」させていけばいいのか。

そこで参考になるのが『脳が教える! 1つの習慣』です。

まずは、改善したい点や目標のうち、もっとも簡単に効果が出るものは何か考えるところから始めよう。

そして、小さな質問を使って、あなたにもっとも適した最初の一歩を決める。

例えば、一番簡単に成果が出るテーマは健康だとする。そうしたら、パートナーにつぎの質問をお願いしよう。

「もっと健康になるために、あなたにできる小さな一歩はなんですか?」

たいていの人はまず、「体重を落とす」、「もっと運動する」と答えるだろう。すばらしいスタートだが、減量や運動は正確にいうと小さな一歩ではない。

(中略)

そこで「くだらないと思えるほど小さな一歩」を見つけよう。心の中に住む「もっと大胆で大きな行動を、いますぐ、きちんとやれ!」と要求する、批判的な声に応えてはならない。

これを避けるために、パートナーにはあなたの脳が「とても簡単で、毎日かならず実践できる小さな一歩」を生み出すまで、何度も同じ質問を繰り返してもらう。

ここで言う「パートナー」は僕にとっては日々の「ふり返り日記」ということになります。この日記が次々と浴びせてくる質問に答えていくわけです。



特に畳みかけるような以下の4問です。

例えば、以下のような対話を毎日繰り返すことになります。

» Dueを活用して「仕事に取りかからざるを得なくなる仕組み」を作る 

毎日欠かさず「すぐできる対策」を求められるので、仕方なくにせよ、何かをひねり出します。

翌朝になると、この「ふり返り日記」を読み返すという習慣があるために、

「あ、まずはリマインダーをセットすればいいのか」

という小さな一歩が自然と促されることになります。

ここで重要なことは、この小さな一歩を踏み出す時にはたいてい「朝型生活に切り替える」という大きなゴールのことは忘れている、ということです。「朝型生活に切り替えなければならない」という過度なプレッシャーを一時的に無効にしたうえで、このゴールへの一歩を確実に踏み出すことができるわけです。

習慣をゲームとして成立させる

昔から不思議に持っていたことがあります。

ドラクエなどのロールプレイングゲームでは、どうしてラスボスは主人公がレベル1の軟弱なうちにさっさと倒しに来ないのか、ということです。

もちろん、実際にそんなことをされたらゲームとして成立しないわけですが、逆にいえばゲームとして成立しているのは、

といった条件がそろっているからでしょう。ラスボスは自分と対等に渡り合えるレベルに到達するまで、主人公の成長を辛抱強く待ってくれるのです(あるいは別の“仕事”で忙しいということもあるでしょう)。

「朝型生活に切り替える」という大きなゴールも同様です。待たせればいいのです。

そのためにも、まずはかんたんにやっつけられる“スライム”を見つけてはやっつける、という「小さな一歩」を確実に積み上げて行きます。

ゲームであれば一定の経験値を積めばレベルがアップして「成長」を実感できますが、現実には何らかの形で自ら記録に残しておく必要があります。僕の場合は「ふり返り日記」がこれにあたります。

朝型生活に切り替えるために27日間やり続けたこと

1月12日から27日間、「ふり返り日記」の中のこの4つの問いに答え続けました。

最初の問いである「不満に感じていることは何か?」の答えですが、最初のうちは「朝型生活に切り替えられないこと」でしたが、日によっては「寝るのが遅い」だったり「5時台に起きられない」だったりしましたが、とにかく答え続けました。

そして、その原因を分析し、次にすべきことを考え、最初の一歩をひねり出す。

これを27日間続けた結果、2月8日(土)から切り替えることができました。

以下は、日々の睡眠記録です(ねむログによる)。



以下は凡例ですが、緑のラインが目標起床時間(5時)で、青のラインが目標就寝時間(23時)です。



まだラインからはみ出してはいますが、それまでのていたらくと比べたら見違えるありさまなので、まずまず満足しています。

一回だけなら気合いでも早起きすることはできるかもしれませんが、手に入れたいのは継続的かつ自然に早起きできる毎日なので、一見すると面倒に感じられるかも知れませんが、このように時間をかけて少しずつゴールに肉薄していくのが結局は近道なのではないかと考えています。

早起き以外にも、あらゆる習慣にも今回の方法が適用できるはずです。
質問を設定し、日々これに答える。これだけです。

最後に『脳が教える! 1つの習慣』の例をもう1つご紹介しておきます。

机の整理というテーマを考えてみよう。よく耳にするのが、始業して最初の一時間を書類のファイリングやいらなくなった物の片づけに使うという答えだ。

けれども、「どんなに忙しくても、片づけに一時間を充てると約束できますか?」と尋ねると、返ってくる答えはノーだ。結局、一日の終わりに二分だけ、書類のファイリングをする、あるいは書類を一枚だけファイルする、整理が上手な人にヒントを一つ訊く、という結論を出すことになる。


プロジェクトの先送りを防ぐ方法

今回のタスクカフェは、「見通しの立たない仕事を期限通りに間に合わせる方法」がメインテーマでしたが、次回は「プロジェクトの先送りを防ぐ方法」というテーマで、3月15日(土)に開催します。

常に複数のプロジェクトを抱えている方はぜひご参加ください。

» 「いつかやりたいこと」を少しでも前に進めたい人のための「タスクカフェ」@池尻大橋



 

参考文献:


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