photo credit: ‘smil via photopin cc
» プログラミングの学習を劇的に効率化する「Janki」メソッド
講義ノート売買サイト「Oxbridge Notes」の創設者のJack Kinsella氏は、プログラミングを短期間で学習できるメソッドを編み出しました。
Kinsella氏はこのアプローチを「Jankiメソッド」と呼んでいます。
「Jankiメソッド」はプログラミングの学習法ですが、他にも応用できそうです。
たとえば、発想法ならこうなります。
8つのルール
ツールは、情報カードを使います。あまり大きすぎると扱いづらいので、5×3ぐらいがよいでしょうか。
デジタル派の方はEvernoteで良いでしょう。その場合は、カードをノートに読み替えてください。
メソッドは次のようなルールで構成されます。
- 新しいアイデアを思いついたら、カードにそれを書き入れる(カード化する)。
- 進めているプロジェクトについてアイデア出しを行い、良さそうなものをカード化する。
- プロジェクトが終わったら、そこで生まれたアイデアをカード化する。
- うまくいかなかった要素を見つけたら、どうすればうまくいったかを考えカード化する。
- 他人のアウトプットを見て、そこにあるアイデアを抽出してカード化する。
- カードは定期的に見返し、改良できるものはバージョンアップする。
着想をカード化する
これはお馴染みですね。思いついたアイデアはカードに定着化させ、見返せるようにしておきます。
どこかにメモしたものをカードに転記してもよいですし、メモ代わりにカードを持ち歩いてもよいでしょう。
見返した際、要点が一目で分かるように、アイデアに「見出し」を付けておくとよいかもしれません。
プロジェクトもカード化
現在着手しているプロジェクトについてアイデア出しを行い、良さそうなものをカード化します。
「プロジェクト」というと大げさな響きがありますが、別になんでも構いません。仕事の案件でもよいですし、Blogのリニューアルでも、新しいレシピの開発でも、なんでもござれです。
とりあえずワンテーマについてアイデア出しを行い、その後カードを作成します。
また、プロジェクトが終わったらレビューをしましょう。思いつきでやってみたら案外良かったこと、他の人がやったこと、失敗が成功に化けたこと、いろいろアイデアの素材があるかと思います。それもカード化します。
さらに、明らかに失敗だったものも取り上げてみて、じっくり観察してみましょう。「こうすれば良かったのではないか」という発想に巡り会えるかもしれません。それもカード化です。
他人のアイデアもカード化
本を読んだり記事を読んだりして、「ほ〜、面白いな〜」と感じたら、カードを作りましょう。
どの要素が面白く感じられたのか。そのコンテンツの何が新しいのか。そうしたアイデアのコアを見つめてみます。
たとえば、先日「Evernote Hackathon」というイベントがありました。そのイベントのコンセプトは「異業種格闘技ハッカソン」というものだったそうです
「ITと異業種の化学反応で新サービスを生み出せ」、“異種格闘技ハッカソン”開催
私は、とても面白い試みだと感じました。それに、ネーミングもインパクトがあります。もし、カードを作るとしたら、こんな感じになるでしょう。
カード・レビュー
カード化するのは、見返すためです。デスクの上にカードを保管するBoxを置いておき、定期的に見返してみましょう。
Boxに仕切りを入れるか、複数のBoxを準備して、カードを選り分けてみるのも面白いです。
最初全てのアイデアは「Aゾーン」に入れる。Aゾーンを見返して、面白そうなアイデアは「Bゾーン」へ。Bゾーンも定期的に見返して、さらに面白そうなものは「Cゾーン」へ。まったく、全然役に立ちそうもないものは、ゴミ箱ではなく「Dゾーン」へ。といった使い分けです。
カードを見返す中で、「おっ、そういえば」と追記できるものがあれば追記し、書き直したいものは新規にカード化しましょう。
こうした操作ができる点が、綴じノートとカードの違いです。
さいごに
もちろん、この手法はアイデアを「暗記」するためのものではありません。そんなことしても特に意味はないでしょう。
ただ、発想の基本は連想です。そして、連想は記憶から引っ張り出されてきます。つまり、発想と記憶というのは切っても切れない関係にあるわけです。
カード化し、それを定期的に見返していると、連想で生み出されるものにも変化が出てくるかもしれません。
▼今週の一冊:
シゴタノ!コンビの新刊を拝読させていただきました。スペシャル企画として当ブログで内容紹介も行われているので、これをお読みの方はご存じな一冊でしょう。
あらためて「タスク管理」について考えてみると、複雑な要素はほとんど必要ないことに気がつきます。むしろ、シンプルであればあるほど理想的です。そして、頭の中では「当たり前」に感じられる要点が数多くあります。後は、それを実行するかどうかの違いです。
なぜ、タスク管理をするのか?__そこにタスクがあるからだ。という答えでは効果的なタスク管理は実施できません。最終的な目的は、(当たり前ですが)タスクを実行することです。それに尽きます。
では、どうやったら自分がタスクを実行する気持ちになるのか。それを心理的にフォローし、仕組み作りで支える。それがタスク管理の骨子と言えるでしょう。
その骨子をうまく掴める一冊です。
Follow @rashita2
さて、二月です。一つの原稿が終わりに近づいております。新しい原稿の予定も・・・まあ、いろいろです。しかし、改めて「タスク管理」についてまとめたいなと思う今日この頃でもあります。つまり、やることいっぱい、ということです。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。