来年に向けて野心を抱こう

カテゴリー: 書評

By: Rana UsmanCC BY 2.0


最近ご縁をいただいた森川滋之さんという方の本を読んでいる時に目に留まった言葉です。

「1回目、散々な目に遭う。2回目、落としまえをつける。3回目、余裕」(矢沢永吉)

ちなみに、以下の本。

技術評論社
発売日:2008-03-25
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:95971
おすすめ度:
悩んでいるSEに読んでいただきたい最幸の本
SEはもちろん、あらゆる技術者・ビジネスマンに進めたいプロの仕事の設計学です
応援家のITコンサルタントが贈る最短距離の方法
不安になったSEの方にビジョンを与える本です。


誰しも最初は壁に阻まれて、思うに任せないもの。

でも、めげずに攻め続けることで、あるいはやり方を改めることで、いつしか突破口が開くこともあるでしょう。

攻め続けるモチベーションは、最初に遭った「散々な目」から得られます。ひどい目に遭えば遭うほど、闘志が湧いてくるものです(心が折れてしまうこともありますので、ひどさにもほどがありますが…)。

そうして、突き抜けることができたとき、そこには「余裕」という名の次のステージが待ちうけていることでしょう。

志と野心

ところで、そもそも人はなぜ「散々な目」に遭ってまで前に進もうとするのか。

そこには、人それぞれに想いや動機や目的意識があるはずです。それをひとまとめにすると「志」ということになるのでしょうが、最近参加したマスターマインドというセミナーで、「志」という言葉の意味を教えていただき、合点がいきました。

要するに、ゴーイングコンサーンです。

これに対して、一人でやりきろうとするとき、そのエネルギー源は「野心」と呼ばれます。日本人でこの野心を存分に発揮して活躍している人と言えば岡野雅行さんでしょう。

著書『人生は勉強より「世渡り力」だ!』の中で次のように語っています。

「あんたが頑張ってるのは分かってる。だけど、評価はもうちょっと待ってくれ」
と言われたって、俺は納得できない。「評価は後世の史家に委ねる」なんてのは、その場逃れの政治家のセリフなんだ。

墓の前に旨いものを備えられたって、上等の背広を着せかけられたって、死んじまってるんだから、ちっとも嬉しくなんかねぇよ。いくらお金をもらったって、車も買えなきゃ、海外旅行にも行けやしないじゃないか、そうだろ?

皆も、「今の頑張りが、努力が、いつか報われればいい」なんて悠長なこと言ってちゃダメなんだ。頑張ったら、それを評価してもらうために何だってするべきなんだ。俺が口を酸っぱくして世渡り力を鍛えろっていうのは、そのためでもあるんだよ。

もう、野心の塊です。『人生は勉強より「世渡り力」だ!』は、そんな野心を目覚めさせてくれる一冊です。


とはいえ、岡野さん自身も社長ですから、「志」もあるでしょう。でも、最初から「志」だけで回り始めるというのもキレイすぎる感じがします。

誰しも「世のため人のため」という志に行き着く過程には、「経済的苦境を脱したい!」あるいは「モテたい!」といった「いつか」では困る、「今すぐ」な野心が横たわっているはずです。

そうであれば、志よりも野心を抱くことが先でしょう。

「散々な目」に遭っても、次の機会に「落としまえをつける」ことで野心が満たされるという目算があるからこそ乗り越えられるのです。そして、少し先に「余裕」が待っているからこそ、今に必死になれるのです。

「散々な目」を恐れずに、余裕は必ずやってくる

僕自身、独立して以来今年で8年目に入りましたが、その間に「散々な目」と「落としまえ」と「余裕」のスリーステップを何度も経験してきました。

まぁ、岡野さんと比べたらたいした「散々な目」ではありませんが、それでも「来月はどうなるかわからない」という先の見えない不安の中で、野心という「行灯」だけを頼りに前進してきました(今後この行灯がいくつも連なっていくと、いつしか聖火リレーよろしく「志」となるのでしょう)。

あと2週間ほどで今年も終わりますが、今年「散々な目」に遭った人は、来年は「落としまえ」を楽しみに、これから「散々な目」に遭わんとしている方は、その先の「余裕」を楽しみに、行動を起こしていきたいですね。

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▼次にすること:

・野心の定義を確認したうえで、改めて「野心を抱け」を聴いてみる

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