改めてこのことに気づかされました。きっかけは『この英語、どう違う?』という本。
↓以下の記事でご紹介した「英語 with Luke」の運営者ルーク・タニクリフさんの著書です。
» ネイティブの視点で英語の感覚を教えてくれるサイト「英語 with Luke」が良い
プロフィールページには以下のように書かれています。
僕はLukeです。イギリス人とアメリカ人のミックスで、東京で英語教師や翻訳者として働いています。日本人の英語を上達させるため、そしてネイティブの英語の感覚を伝えるため、このサイトを始めました。
この「英語 with Luke」を運営しているのは、ルーク・タニクリフさんという外国人で、自ら日本語で書かれているようです。
ルークさんは2008年に来日し、東京大学で翻訳論を学んだのち、2010年に「英語 with Luke」というサイトを開設。またたく間に人気を博し、今や月間150万PVを誇る人気サイトとなっているとか。
この『この英語、どう違う?』の「おわりに」を読んでハッとさせられたのです。
ルークさんは「違い」に注目した
「おわりに」に書かれているところをざっくりまとめると以下の通りです。
- イギリスで生まれ、13歳のときにアメリカに引っ越す
- イギリスとアメリカでは英語にもたくさんの違いがあることに気づく
- 言葉に興味を持つようになる
- 大学時代、ルームメイトが日本人
- 日本語は難しそうだったので英文学とイタリア語を勉強
- 卒業後はワシントンDCで雑誌記者として働く
- 違う国に住む経験を求めて、新潟県の中学校にALT(外国人講師)として赴任
- 「日本語」と「日本人の英語」に興味を持つようになる
- 日本語の勉強のために日本語でオンライン日記を書き始める
- 英語についての自分の考えや日本人の話す英語について書いたところ反応があった
- 英語について日本語で説明するサイト「英語 with Luke」を始める
- 読者に好まれる話題は「よくある間違い」、「混乱しやすい英語」
別の本(『「とりあえず」は英語でなんと言う?』)には以下のような一文もありました。
たとえば学校の友達と挨拶をするとき、アメリカでは“What’s up?”や“Sup?”ですが、イギリスでは“All right, mate.”が一般的です。
そこから言葉に興味を持つようになりました。
ひとたび気になり始めると、放っておけない。そんな「違い」の中に自分がやりたいことのヒントが隠れているものです。
↓このあたりについては以下の記事で「切れ目」というキーワードですでに切り開いた通りです。
» あなたにとって自然に目に入ってくる「切れ目」が未来の突破口になる
目の前にあるもののうちに「切れ目」を見つけ出し、パーツに分解し、そこにひそむパターンを見抜くことで、記憶という入れ物に格納しやすくなります。
特に、パターンを見抜いておくことで、分解したパーツを再び組み立てる時に間違いなく元の形に戻すことができます。ここで言うパターンは、言語学習においては「文法」と呼ばれています。
このことはプログラム言語にもそのまま当てはまります。ある一つの処理は必ずいくつかのパーツから成り、一定のパターンで組み立てられています。これを知ることで、自分の望むとおりの処理を行うプログラムを書くことができるようになります。
耳コピができる人や精緻なスケッチが描ける人というのは、切れ目を見つける能力が高い人、ということになるでしょう。そうして手に入れたパーツを使って元の音や絵を再現するのです。
(中略)
少し飛躍しますが、何かの専門家というのも、普通の人には見えない「切れ目」が見える人、ということになります。
↓このあたりについては以下の記事でも書いたとおりです。
「違い」がわかる人とは、言いかえれば特定の領域を深く深く掘り続けている人です。意図的にそうしている人もあれば、「好きだから」という理由で知らず知らずのうちに深みに飲み込まれている人もいます。
たとえば、僕が今からがんばってイラストを勉強して、やまもとさをんさんのような「自然に見える」ところに到達しようと努力するのは無駄ではないかもしれませんが、限りなく無謀に近い感じがします。
それよりも、自分にとって「自然に目に入ってくる切れ目」というものを見つけることを優先した方が、無駄が少なく、従って有望でしょう。
世の中で活躍している人というのは、少なからずこの「切れ目」を見つけ出した人なのではないか、と思います。そこを起点にその人独自の世界が切り開かれていくからです。
「違い」に敏感になる
がんばって見つけようとしなくても、むしろ向こうから目に飛び込んでくる「違い」。
これをみすみすスルーするのは実にもったいないことです。
「あれ、これは何だろう?」と他でもない自分の注意を引いたのなら、とことん追い求める。その先に求めていたものがあると思うのです。
同時にそれは自分に求められていることでもあったりします。
この「違いをとことん追い求める」という姿勢は『生まれ変わっても、この「仕事」がしたい』という本に書かれている「ありのままの自分」に通じます。
前述したように、私たちにはさまざまな役割があります。そこで、それぞれを自己採点してみましょう。私なら、次のような点数がつきます。
- 働いている自分 …… 70点
- 夫としての自分 …… 50点
- 息子としての自分 …… 40点
- 日本国民としての自分 …… 60点
では、それらの役割の真ん中にある、「ありのままの自分」は何点でしょうか? そう、誰もが皆、ありのままの自分はまちがいなく「100点」なのです。
ここを「60点」「70点」と、100点以下で考えている人は、今すぐ「100点」と思い直しましょう。ありのままの自分が欠けている人なんていないのですから。
「ありのままの自分」は100点、という一文が最高です、もう本当に。
そういう意味では、がんばって「違い」を出そうとするのではなく、そもそも「人と違う自分」を見つけ出せばいい。
それを見つけ出していく終わりのないプロセスを「好きを仕事にする」と呼ぶのだと思います。