「記録」について改めてふり返ってみる



自分が熱意を持って取り組み続けていることについて、改めて時間をとって掘り下げてみると、新しい発見に出会えることが多いです。よりよい取り組み方を見い出すヒントにもなりますし、何よりもますますそれが好きになるでしょう。掘り下げるための6つの質問と合わせてご紹介します。

昨年、期間限定でコーチングを受けていたのですが、その中で「記録」について改めて掘り下げる機会がありました。

僕にとって「記録」は空気のようなものなので、普段はまさに呼吸をするように記録をしており、改めて考えることがありませんでした。

「記録」にまつわる記録

以下は「記録」について言及している記事です。いずれも「日記」についての記事ですが、意味するところは人生の「記録」です。

僕自身、日記は12年ほど続けていますが、30年にはとても敵いません。この本では、30年の重みがずっしりと感じられる内容となっており、著者の日記に対する熱い思いとその効用について懇々と述べられています。

表氏は、初めは京大式カードを使って日記を書いていたそうですが、1992年からはパソコン日記に切り替えられたとか。

実は、僕自身も1994年6月29日を境に、それまで紙ノートに記していた日記をパソコンに移しました(パソコン日記に限れば、表氏と同程度のキャリアということになります。それゆえ、共感できる部分が多かったのかもしれません)。


まだ20代だった会社員時代、残業のない日は皆無であり、帰宅するのは日付が変わってから、という毎日でした。

疲れきってはいたものの、寝る前に必ず以下の2つだけはやるようにしていました。

  • その日の収支を家計簿に入力
  • その日の出来事を日記に入力

いずれも、やらずとも困らないものばかりで(短期的には)、そんなことをする時間があるならさっさと寝て翌日に備えたほうが良かったのですが(短期的には)、何かに取り憑かれたかのように寝る前に必ずこの2つの入力をこなしていました。

短期的な損得にとらわれることなく、長期的な展望をもとに過ごしていた、などと高尚なことを言いたいわけではありません。

ただ、今ふり返ってみると、このような地味な入力作業を続けていたのにはそれなりの理由があったのだと思えます。


数年~数十年前の日記を読み返すことがあります。読み返しているうちに当時の記憶が蘇り、日記の行間、すなわち日記に書かれていないことも思い出され、当時の気持ちもよみがえり、まるで頭の中だけタイムスリップが起こったかのような錯覚に陥ることがあります。

このことは特に「うまくいっていたときの自分」を再現するうえで役に立ちます。


昨日の「のきばトーク08」を聴いていてふと思いました。ある本にいつ出会ったのか、出会った当時の自分はどのような状況下にあったのか、その本から何を学んだのか、その後どうなったのか、といったことは時間がたてばたつほど重要性を増すのではないか、と。


時間の使い方を記録に残すことは、時間を使うことで得られる豊かな気持ちを最大化するうえで欠かせない習慣だと考えています


ミスター・コーチからいただいた6つの質問

ということで、ミスター・コーチからいただいた質問は以下の6つ。


面白いことに、質問さえあれば何を答えたのかをするすると思い出せます。

そして、時間を置いて同じ質問に向き合ったときには、また違った答えが出てくるかもしれません。質問が同じなのに答えが変わるということは、自分が変化しているということですね。

そういう意味で、現時点の(=コーチングを受けた直後の)僕の答えを記録の意味も兼ねて、書いておきます。

1.記録を取り始めたのは、いつからですか?

高校生、その時の気持ちを残しておいてあとからふり返りたかったから。
大学受験終了後に途絶えて、大学1年の冬に再開。その時はあとから役立てたかったから。

2.一番「記録取っておいて良かった、救われた」エピソードは何でしょう?

記録を読み返すことで、その当時の自分の気持ちを「再生(LOAD)」できるというメリットを知ったとき。

» 日記を読み返すと過去の自分と一体化できる。その効用とは?

3.記録が嫌いになったことはありませんか?

15年前のこと、細かく記録をつける行為について、当時の仕事仲間から「非人間的だ」と否定され、悩み、しばらく細かくつけずに過ごしたことがあった。

このことは今でも後悔しているものの、自分にとって記録の重要性を再確認することができた。

4.大橋さんにとって「記録がない生活」はどんなものでしょう?

不安。

5.「記録を取るのが楽しい」のは最初からそうだったんでしょうか?

最初は手探りだった。見本として参考にしたのは長崎快宏さんの記録例(以下の記事参照)。

僕が記録の有用性に気づいたきっかけは大学時代の1995年11月17日に読んだ長崎快宏(ながさき・よしひろ)さんの『プロがそっと教えるやさしい情報整理の技術』という本です。

まず、家を出発した時刻、空港へ着くまでどんな交通機関を利用して料金はいくらか、温度(超小型温度計を常時携帯)はどのくらいで服装はどうだったか、空港へ着いてから出発までなにをしたか、搭乗前に何回トイレに行ったか、空港は旅客で混んでいたか、通関にどのくらい手間がかかったか、税関職員の態度は良かったか悪かったか、サテライトのラウンジで飲んだコーヒーの味から、航空会社スタッフの応対や手際の優劣、機内の温度具合、シートピッチ(座席の間隔)、乗務員の質のチェック、機内食のスケッチ、音楽サービス(選曲のセンスなど)、飛行時間などなど、いやらしいくらいのメモ魔ぶりである。

なぜ、重箱の隅をつつくような取材癖がついたかというと、記憶や印象というものは、必ずしも事実と一致しない場合が多い(ボクの場合は)。つまり、前に来たときはこんなだったという印象も、実際にそこへ行ってみたらそうじゃなかった、という記憶のギャップがたびたび生じる。

例えば、市バス料金や食事代、あるいはいつも泊まる安宿の宿泊費などはけっこうあいまいに記憶しているんですね、ボクの場合は。結局、以前のメモがあると次に来たとき「こんなに物価があがったんだ」ということが数字できちんと分かるわけです。

蓄積したメモのおかげで、めでたく十数冊のガイドブック執筆と相成ったワケです。(p.126)


6.何を振り返るのが楽しいですか?「この検索ワードで振り返るのが楽しい」等ありますか?

形容詞。その時の状態をもっとも的確に形容する言葉を使っておけば、あとから舞い戻ってくることができる。それを見越して、意図的に特定の形容詞を使うようにしている。

例えば、以下のような形容詞。

検索のことを考えて、日記を書くときは「うれしい」を「嬉しい」と漢字で書かないようにしています。一つの感情は一つの言葉を当てるわけです。

最後に

今回ご紹介した質問集の中の「記録」をあなたにとってもっとも「熱い」言葉に置きかえた上で、それぞれの質問に答えてみると、何か見えてくるかも知れません。

例えば、「記録」の代わりに「絵を描く」に置きかえたなら、以下のようになります。


ぜひ、これらの質問を通して掘り下げてみてください。

「記録」関連記事

冒頭に掲げた「記録」関連記事リストの再掲です。

僕自身、日記は12年ほど続けていますが、30年にはとても敵いません。この本では、30年の重みがずっしりと感じられる内容となっており、著者の日記に対する熱い思いとその効用について懇々と述べられています。

表氏は、初めは京大式カードを使って日記を書いていたそうですが、1992年からはパソコン日記に切り替えられたとか。

実は、僕自身も1994年6月29日を境に、それまで紙ノートに記していた日記をパソコンに移しました(パソコン日記に限れば、表氏と同程度のキャリアということになります。それゆえ、共感できる部分が多かったのかもしれません)。


まだ20代だった会社員時代、残業のない日は皆無であり、帰宅するのは日付が変わってから、という毎日でした。

疲れきってはいたものの、寝る前に必ず以下の2つだけはやるようにしていました。

  • その日の収支を家計簿に入力
  • その日の出来事を日記に入力

いずれも、やらずとも困らないものばかりで(短期的には)、そんなことをする時間があるならさっさと寝て翌日に備えたほうが良かったのですが(短期的には)、何かに取り憑かれたかのように寝る前に必ずこの2つの入力をこなしていました。

短期的な損得にとらわれることなく、長期的な展望をもとに過ごしていた、などと高尚なことを言いたいわけではありません。

ただ、今ふり返ってみると、このような地味な入力作業を続けていたのにはそれなりの理由があったのだと思えます。


数年~数十年前の日記を読み返すことがあります。読み返しているうちに当時の記憶が蘇り、日記の行間、すなわち日記に書かれていないことも思い出され、当時の気持ちもよみがえり、まるで頭の中だけタイムスリップが起こったかのような錯覚に陥ることがあります。

このことは特に「うまくいっていたときの自分」を再現するうえで役に立ちます。


昨日の「のきばトーク08」を聴いていてふと思いました。ある本にいつ出会ったのか、出会った当時の自分はどのような状況下にあったのか、その本から何を学んだのか、その後どうなったのか、といったことは時間がたてばたつほど重要性を増すのではないか、と。


時間の使い方を記録に残すことは、時間を使うことで得られる豊かな気持ちを最大化するうえで欠かせない習慣だと考えています


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