結果を出すためのコツを1つだけ挙げろと言われたら

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2009年9月より、週に一度パーソナルトレーナーのもとで筋トレに取り組んでいます。

当初から今に至るまで、特に明確なゴールもなく、とにかく週に一度プロの指導を仰ぐ、ということを続けています。

そんな中で、今年に入ってからにわかに実感し始めたことがあります。

それは、この週一回のトレーニングによって普段の生活に張り合いのようなものがもたらされている、ということです。

数値的な成果の1つとしては、今年に入ってから体重が減り始めていることが挙げられます。



ここで重要なことは「プロのトレーナーの指導を受ける → 体重が減る」という結びつきをいったん忘れることです。

もちろん、トレーナーから食事や運動など、普段の過ごし方についてアドバイスをもらうことはあります。

でも、どんなに的確なアドバイスをもらったとしても、それを日々の生活に組み込み、馴染ませ、定着させないことには成果にはつながりません。

つまり、よく言われることの繰り返しになってしまいますが「プロのトレーナーの指導があっても実践しなければ体重は減らない」ということになります。

言い換えれば、実践を後押ししてくれる「何か」が必要なのです。

今回、その「何か」を毎回のトレーニングのたびに受け取って、持ち帰っていたことに気づきました。

努力したくなる状況に身を置く

現在のトレーナー(2014年4月~)は、トレーニングを始める際にある儀式を毎回必ず行います。

最初のうちは特に気にしていなかったのですが、実はこの儀式が体重を減らすうえで欠かせないものだったのです。

その儀式とは、体重を計ること。

トレーニングを行うジム内に設置されている体重計に乗り、傍らに控えているトレーナーがその値をメモ帳に書き込みます。

メモ帳にはこれまでの値が並んでいるので、簡単に比較ができるようです(メモ帳の内容は見てないので推測です)。

体重計を降りると、

といった言葉が返ってきます。



この儀式は、言ってみれば、一週間の自分の過ごし方を査定される瞬間、といえます。

体重は急激に減らすのは難しいので、一週間かけて少しずつ無理なく減らしていくしかありません。同時に、増えないように食べるものに気を付ける必要もあります。

このようにして努力を続けることで、たとえグラム単位であっても、前週よりも減っていれば一週間の努力が実ったということで、自分でも誇らしく思えるでしょう。

さらに、それを見てトレーナーからコメントがもらえるので、おのずと「良いコメントをもらいたい!」、あるいは「驚かせたい!」という気持ちが生まれます。

実に子どもっぽい発想のように思えますが、大人であっても褒められたらうれしいものですよね。

努力に対して「いいね!」というご褒美をもらいたいわけです。

この効果はジムから日常に帰ってきても持続します。次回も「いいね!」をもらいたいからです。

結果を出すためのコツを1つだけ挙げろと言われたら

この原理は、ダイエット以外の、あらゆることに当てはまります。

以下のような特徴をもつチャレンジに取り組んでいる人には、特にです。

努力を続けても、すぐに結果が出なければやめたくなるでしょう。

でも、目に見える結果が出なくても、目に見えないところで変化は起きているかもしれません。

水やりを途中でやめてしまえば、芽は出ないのです。

芽が出るまで水をやり続けるためにも、水やりを続けている行為に対する「いいね!」が欠かせないわけです。

従って、結果を出すためのコツを1つだけ挙げろと言われたら、

ということになります。

ここで重要なことは、「絶えず観察してくれる」という部分です。四六時中とは言わないまでも、一定の頻度で「晒される」状態が続けば、努力という「か弱い生き物」が生きながらえやすくなるからです。

うっかりサボって「ちょっと停滞し始めましたか」などと言われたときの痛みより、努力を続ける痛みのほうが軽くなれば、当然、努力を続けるほうを選ぶはずです。

6年前に読んだ『なぜ、ノウハウ本を実行できないのか』に、まさにこのことが書かれていました。

「例えば、喫煙が身体に悪いということをまだ知らない喫煙者はどのくらいいるでしょうか?」
「そんな人はいないでしょう」
「それでもあなたの知っている喫煙者たちはやめようとしていない?」
「いえ、やめようとはしています」
「なのに、なぜやめられないのか? 難しいからです。喫煙の習慣が生活に根づいているのです。習慣や行動を変えるには集中して取り組まねばならない。みんな、改めたいという意思をどうフォローアップすれば習慣を打破し、行動を変えられるかがわかっていないのです」

つまりは、フォローアップです。

元の習慣に戻ろうとするところをやさしく押し返す役割、それが「自分に一定の関心を持って絶えず観察してくれる人」ということになるでしょう。

今回、改めて本書を読み返してみて、その時には「わかった!」と思っていたことが、ぜんぜん「できて」いなかったことに気づかされました。

「人材教育では研修よりもその後のフォローアップに10倍の時間をかける必要がある」という一文がありましたが、読書にも同じことが言えますね。一度読んだだけでフォローアップをせずにいたらもったいないな、と痛感しました。

未読の方はもちろん、すでに読んだよ、という方もぜひ(また)読んでみてください。

» なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本


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