「われわれは、どのように時間を過ごしたかを、記憶に頼って知ることはできない」 (ドラッカー)
溜まっている「イヤイヤタスク」を何とかやっつけたいと思って、ふと『プロフェッショナルの条件』をひもといてみました。
継続して時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。 最低でも年2回ほど、3,4週間記録をとるべきである。
記録を見て、日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない。
半年も経てば、仕事に流されて、いかに些事に時間を浪費させられていたかを知る。
個人的には、自作のタスク管理ツール(そのうち公開できれば、と思っているのですが…)でプロジェクト別タスク別に使った時間を記録していて、そのデータをAccessで吸い上げてプロジェクト別の投入時間と売上との相関から見積もりの妥当性をチェックするのに使っています。
チェックの具体的な方法
チェックの具体的な方法については、引き続きドラッカーより。
だが、たえず努力をしないかぎり、仕事に流される。
時間の記録の次に来る一歩は、体系的な時間の管理である。
時間を浪費する非生産的な活動を見つけ、排除していくことである。
そのためには、時間の使い方についての自己診断のために、いくつかの問いかけを自らに対して行っていく必要がある。
その問いかけとは、「まったくしなかったならば、何が起こるか?」です。
その答えが「何も起こらない」であれば、ただちにやめましょう、とドラッカーは説いています。
これを実践するうえでは、記憶ではなく記録に頼る必要があります。
ところで、タスクには2つのタイプがあります。
- 1.その場限りの、あるいはイレギュラーなスポットタスク
- 2.定期的に繰り返し発生するルーチンタスク
「お、これはいい! 毎日の習慣にしよう!」と思いつくたびにルーチンタスク(=習慣)として追加していくのですが、その結果、一日の半分以上の時間がルーチンで埋まってしまう、という本末転倒なことになりがち。
そこで、
- 1.頻度を2日置きとか3日置き、あるいは思い切って週に1度に変更
- 2.他のタスクに統合してしまう
- 3.結果が出ないのでルーチンから解除する
という手順で、新陳代謝を進めます。
毎週、その週にできたことを投入時間と比較しながら振り返って上記のチェックをするのですが、イメージではなく具体的な数字をベースに判断ができます。
残りわずかとなった年末までの時間リソースから「何も生み出していないルーチンワーク」をどんどん解除していくことで、積み残した仕事をするための時間を捻出することができるはず。
例えば、ギリで参加する忘年会とか…。
もしかしたら、積み残している仕事そのものも「何も生み出さない」可能性も。。
仕事の整理については、がんばれ社長「些事を見抜く」でも河井継之助の「些事でござる」という言葉を引きながら取り上げられていました。
●「些事でござる」とは、そんな小さなことに時間を浪費したくないという気持ちを表す便利なことばだ。
些事ではない事、つまり大切なことがあるからこそ、ささいな事に対しては、「些事でござる」と即答できる。●そのためには、日頃から何が些事で、何は些事でないのかを整理しておきたいもの。
例えば、毎日膨大な郵便や宅配便、FAXが届けられても机の上は片付いている。なぜそうなるかというと、定期的に整理するからだ。●時間も同じはず。
毎日新しく仕事の依頼を引き受けたり、約束を交わしたりしていく。
でも大切なことや、やりたいことに割ける時間をしっかり確保できるのは、定期的に仕事を整理しているからだ。(中略)
些事を見抜くために時間を整理しよう。それはまず、使用時間の調査から始まるのだ。
残った仕事を年末までに整理する方法
- 日々やっていることを所要時間とともに記録し、これをもとに振り返って「何も生み出していない仕事」をすぐやめる。