さもないと、目の前の仕事を終わらせようと躍起になって空回りしている自分に気づいてハッとすることになります。
例えば、タスクリストに「新しいコピー機の検討」という項目があり、かれこれ数週間ずっと何も手を付けられずに居残り続けている状態。
頭の中では「あーして、こうして、こんな感じにする」というイメージは描けています。
でも、このイメージは断片的であり、移ろいやすく、全体がありません。
細かい部分ばかりがやたらと詳しい割に、それらを統合しようとすると、手に負えないのです。
それでも、とにかく「新しいコピー機の検討」は自分の仕事である限り、やらないわけにはいきません。
タスクリストから切り離せない。
でも、全体が見えない。
ちょうど以下のようなシチュエーションです。
対策は、書かれているとおり「5分だけやってみる」です。
新しい現実を切り出す
「5分」といわず「3分」でも「1分」でもいいので、とにかく「0分」で終わらせないことが重要です。
5分の中で、とりあえず今すぐできることが見つかれば、それをやってみます。見つかったところでタイムアップになったとしても、次にすることが見つかったわけですから、それをタスクリストに書き出しておくことで、次回は新しい現実に向き合うことができます。
例えば、「新しいコピー機の検討」を進めるために今すぐできることとして、「現状のコピー機の課題をリストアップする」というタスクが見つかったのなら、次回は「現状のコピー機の課題をリストアップする」に向き合うことになります。
これまでずっと「新しいコピー機の検討」という変わらぬ“風景”だったのが、ガラリと変わることで気分も変わり、取りかかりやすくなるでしょう。
終わらせようとすると終わらない
「5分だけやってみる」という対策が効くのは、言うまでもなくその仕事が5分では終わらないからです。
「終わらせたい」と思っている限り「5分やっても終わらないのだから、やる意味がない」という判断に傾いてしまいます。
「やるなら、時間もやる気も十分に用意できる時に一気にやってしまった方が早い」というわけです。
当然ですが、この発想のままでいると、5分以上かかる仕事はなかなか進まないことになります。
「終わらせよう」と思って取り組んで、実際に「終わる」仕事ばかりが片付いていくので、「終わらない」仕事が積み残されるからです。
従って、まずは「終わらせよう」という発想を捨てて、代わりに「始めよう」に入れ替えます。
「始める」ことによってしか「終わり」に到達できないからです。
「かぶりつく」ことをしない限り「のみこむ」ことはできないのです。
飲み込みが早い人は、食いつきがいいものです。
「始めよう」の積み重ねが次回の計画の素になる
「始める」時に忘れてはいけないのが、「いつ」、「何分かけて」、「何をした」の記録を残しておくこと。
とにかく「始める」を積み上げていけば「終わり」に到達できるのですが、その“道順”を残しておかないと、次回もまた「いきあたりばったり」を強いられることになります。
“道順”が残っていれば、それが次回の計画の素になります。
未来の時間が少し増えます。