» 今日からはじめる手帳術 第11回 タスク管理の基本的な心掛け
キャッチした情報に対し「これは何か?」と問いかけ具体的な「次に取る行動」に落とし込んでリストに書き出すことができれば、後はそこにあるタスクを実行するのみです!
・・・が、実行に当たってもう一つ押さえておくと良い事柄があります。
それは「時間的な見通しを立てる」ということです。
スケジュールとタスクを合わせた見通しを立てる
タスクを実行するのにも時間が掛かる
当然のことですが、2時間の会議に参加するのも2時間かかる作業を行うのも、等しく2時間の時間が必要となります。
例えばウィークリーバーチカルリフィルの手帳を使っているとすると、2時間の会議に参加する場合には2時間分の時間をブロックする人は多いと思いますが、2時間の作業を行うのに特定の時間をブロックするという人は少ないでしょう。
時間管理(タイムマネジメント)が狂う要因として真っ先に思いつくのが、終了時間の決まっていない参加するだけで気が重くなる会議の予定と、「もっと早く終わると思ってたのに・・」と完全に甘く見積もっていたタスクの2つです。
前者はもう、会議の終了時間を決めましょうとしか言いようがないのですが、後者に関して言うと完全に自己責任となります。なんせ、自分の見積もりが甘いせいで時間が掛かってしまっているわけですから、誰にも文句は言えません。自分1人の帰る時間が遅くなるぐらいなら良いのですが、そのせいで客先への納品が遅れる事態を招いてしまうと「ごめんなさい」では済まなくなってしまいます。
こういった最悪の事態を避けるためにもタスク管理に於いても次の2点はきちんと行っておくべきでしょう。
- タスクに何分かかるか見積もりを立てる
- タスクの実行に必要な時間を確保する
タスク量の見積もりを行う際によく陥りがちな罠として「未来の自分ならなんとかできるんじゃないか?」という楽観的な見積もりを行ってしまうことが挙げられます。佐々木正悟さん(@nokiba)の著書『いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50の方法』では次の様に説明されています。
人の「想像」は、つねに「現状」よりも彩られています。だから、未来はつねにいまよりもよく、未来の自分はつねに今の自分よりも有能で素晴らしい。人の心理にはそう思いがちな傾向があります。
見積もりが甘いという今回の問題を根本的に解決するためには「タイムログ」を取って正確な自分のタスク遂行時間を知る必要があります。
いつ、どこで、何をしているのか?
予定と共に、タスク遂行に必要な時間を把握することで、概ね先々の時間の使い方が把握できるようになります。これを手帳でやろうとした場合、ウィークリーバーチカルリフィルを使って、1週間分のスケジュールとタスクを同じように時間軸上に並べる形が分かりやすいです。
例えば、上司から新しい仕事を振られたとして、それをこの1週間の中で実行可能かを測るためには次の公式を満たす必要があります。
» [1週間で使える時間]-([予定で押さえられてる時間]+[タスク遂行に必要な時間])<[新しい仕事に必要となる時間]
もう一点、タスクを実行する時間帯を手帳に書き込む場合に考慮したいのが、タスクの遂行がスムーズに行く時間帯であったり、順序を考えるというものです。
人間は常に一定のパフォーマンスが出せるようにできておらず、時間帯であったりタスクの順序よってパフォーマンスが大きく影響されます。例えば、午前中に最もパフォーマンスが発揮でき、午後になると急激にパフォーマンスが下がるという経験をお持ちの方も多いのでは無いでしょうか。
タスクの見積もり時間の総計だけでなく、自分のパフォーマンスカーブにあわせて実行順序を決めるというのも、タスクを実行していく上では非常に重要な要素となります。
最後に
今回は「時間の見通し」について取りあげました。
全体を通して、概念的なお話になってしまったので、次回はこの内容をもう少し具体的にツールを使って説明したいと思います。
参考図書:
▼倉下&北式の手帳の使い方を一冊の本に纏めています
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。