BT004:自分の価値を確認しつつ前に進む

カテゴリー: 届ける技術

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自分と似た考えの人に出会うと勇気がわきますが、だからといって自分と異なる考えの人の意見に目を向けないと、同じ所をぐるぐる回って淀んでしまいかねません。

BT003からの引用ですが、ここには難しい問題があります。

ふつうの人は自分の価値に傷がつくような体験をしたいとはあまり思いません。たしかに「同じところをグルグル回って」いては淀むかもしれませんが、そうかといって失敗ばかりしていては心が燃え尽きてしまいます。

難しいことに挑む場合には特に、心を丁寧に扱う必要があります。心は血を流さないし、精神的な傷というのは目に見えないため、困難に挑戦し続ければ人生はうまくいくとばかりに突撃を繰り返す人もいますが、危険なことです。

新しいスキルを身につけようとしたり、より前方へ進もうとするとどうしても自尊心が傷つきますが、この傷はケアするべきものです。社会心理学ではそんなケアのことを「自己価値確認」といいます。

自己価値確認はメソッドというよりは、「自分はちゃんとしていて、価値のある人間だ」ということを確認することをいいます。

たしかに面目を失うようなへまをすることはあるでしょうし、大勢の人の前で罵られるようなこともあるかもしれませんが、「その人たちに直接名誉を挽回しなくても、全体的な自己評価が維持できれば、人は前向きになれる」ということが心理学によって実験されています。

具体的な例を挙げるなら、2アウト満塁という場面でサードフライを落球してサヨナラ負けしてしまったとしても、エラーした人は必ずしも「野球で挽回」しなくていいはずだという話です。「自分はちゃんとしていて、価値のある人間だ」とはそういう意味です。

何か自分の本質的な価値について、思い出せるようなものを確認できるところにおいておきましょう。知り合いの著者は、ファンレターやファンメールをいつでも確認できるようにしているようにしているらしいです。

しかし私見では、なにより自己価値をよく確認できるのは、きちんと続けられているブログです。

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