自分に合う仕事を手繰り寄せるために(前編)



新卒で入社した会社を辞めて20年目に入った大橋です。

会社を辞めるときというのは次のいずれかのケースになります(仕事は続ける前提です)。

1は、会社員を続けるケースで、転職活動を経て次の職場を確保したうえで、今の職場から離れるパターン。

2は、会社員を続けるか、個人で仕事を始めるかのいずれかの判断を保留したうえで、今の職場から離れるパターン。

僕の場合は2でした。

「次」は辞めてから考えることにしたのです。

辞めるまでは辞めるのに精一杯で、「次」のことまで考えられなかった、というのが実情でした。

では「次」はいつどのように考えたのか?

「世の中には5パターンの仕事しかない」

辞める前後の時期の日記を読み返してみたのですが、辞める前はとにかく「辞める」ことにのみ集中していました。

集中していたというより、それ以外のことを考えたくなかったため、消去法で残った「辞める」ことについて考えていた、と表現する方が正しいでしょう。

もちろん、引き継ぎや残務整理もあったのですが、それでも少しくらいは「次」のことについて考えても良さそうなところを、ほとんど考えることなく、考える余裕もなく、最終出社日までの日々を過ごしていました。

とはいえ、日記からは窺い知れない、当時の自分が考えていた(はずの)、

を知りたい、と20年目の今になって思うようになりました。

その思考のための“補助線”となるのが、2年前の2018年に出会った以下の記事。

» 就活生へ、世の中には5パターンの仕事しかない。早めに全部経験しておこう|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

この記事によると、「世の中には5パターンの仕事しかない」ということで、以下の5パターンが挙げられています。

それぞれの定義は以下。

「0ー1」

ゼロからイチを作る仕事。
いわゆる「ゼロイチ」などと言われますが、世の中に新しい価値や概念を創造し提供するものです。

大事なのは新しいアイデアを発想し、それをカタチにする力です。

「1ー9」

1から9まで育てていく仕事。

このタイプの仕事で必要なのが現状を理想のカタチに改善する力、つまりPDCAサイクルを素早く、精度高く回すことです。

「9-10」

9まで出来たものを10に仕上げる仕事。
学校の試験もそうですが、90点から100点の10点を上げるのは非常に骨が折れます。

商品の細かい部分を改良したり、取扱説明書の細かい表現を修正したりとより完璧なものに仕上げていきます。

数字をさげない

数字が下がらないように踏ん張る仕事。
一定水準の商品・サービスを創り上げても消費者の指向の変化、社会環境の変化によって数字下がる圧力が発生します。

数字を増やす仕事は顧客のニーズと向き合いながら付加価値を付ける仕事ですが、「減らないように抗う」のは現状をいかにして維持するか、という守りの意味合いが強くなります。

「マイナスー0」

マイナスを0にする仕事。
最低限のラインを下回っている人に対して支援する仕事がこれに当たります。

当時の自分が目指していた仕事はどのパターンだったのか?

僕が会社を辞めたのは2000年3月31日で、18年後に書かれるこの記事のことは当然知りません。

それでも、今から振り返ってみると、当時の自分が目指していた仕事は明らかに「あ、このパターンだ」とすぐに思い当たりました。

独立後──辞めた後にどこかに就職することはなく結果として独立することになりました──は、確かにこのパターンの仕事を選んでいましたし、舞い込んでくる仕事もこのパターンでした。

一方、取り組んでみて、あるいは依頼されてみてもうまくいかない仕事はこのパターン以外の仕事だったのです。

では、当時の自分は「このパターン」をどうやって見つけ出したのか?

繰り返しますが、当時はこの5パターンの分類は知りませんから「このパターン」という認識はありません。

それでも「こういう仕事ならできそう」という手応えのようなものを頼りに、自分に合う仕事を手繰り寄せていたのです。

続く。

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