- 1.やらざるをえないこと(トイレ、食事、睡眠など)
- 2.やるべきこと(頼まれた仕事に取り組む、約束を守る、役割を全うするなど)
- 3.やりたいこと(映画を観る、ブログを書く、作曲するなど)
- 4.やったほうがいいこと(計画を立てる、本を読む、英語の勉強をするなど)
これらをやろうと決めたときというのは、それぞれ、
- 「やらざるをえないからやっている」
- 「やるべきだからやっている」
- 「やりたいからやっている」
- 「やったほうがいいからやっている」
という説明ができる状態です。優先順位もほぼこの順番。
「やらざるをえない」がもっとも強力で、下に行くほど弱くなり、「やったほうがいい」にいたっては、ほぼ「やらなくてもいい」でしょう(人によっては「やりたい」と「やったほうがいい」が入れ替わるかもしれません)。
そこで、一日をふり返って、その日に実際におこなった行動を上記の4つに分類してみます。
課題は「やったほうがいいこと」にかける時間を増やすこと
内容にもよりますが、以下のような現状が把握できるはずです。
- 1.生活(=やらざるをえないこと)に取られる時間はどれくらいか?
- 2.仕事(=やるべきこと)に使える時間はどれくらいか?
- 3.趣味(=やりたいこと)に使える時間はどれくらいか?
- 4.投資(=やったほうがいいこと)に使える時間はどれくらいか?
これらの配分をもとに計画を立てることで、無理のない実行が可能になります。
少なくとも「この週末に48時間もあったのに、どうして何も進んでいないんだろう?」という疑問に対する答えが明らかになるでしょう。
目を覆いたくなるかもしれませんが、まずは現実に目を向けることが第一歩です。
ちなみに僕自身は、平均して以下のような配分になっています。
- 1.生活:40% ●●●●
- 2.仕事:30% ●●●
- 3.趣味:10% ●
- 4.投資:20% ●●
「やったほうがいいこと」すなわち「投資」の時間は、意識的に実行しないと、なかなか増やすことができません。
そういう意味では以下のような順番でスケジュールを組むのが望ましいでしょう。
- 1.生活(やらざるをえないこと)
- 4.投資(やったほうがいいこと)
- 2.仕事(やるべきこと)
- 3.趣味(やりたいこと)
「やったほうがいいこと」にかける時間を増やすための3つの質問
とはいえ、スケジュールを組んでいる段階で、生活と投資の予定だけで時間切れになってしまうこともあるかもしれません。「趣味」もさることながら「仕事」がゼロではさすがにまずい…。
そうなったら、次の3つの質問が有効です。
- 1.私にとって最も重要な仕事は何か?
- 2.私にしかできないことで、本当に重要なのは何か?
- 3.いま私の時間を何に使うのが最も有意義だろう?
これらの質問は『カエルを食べてしまえ!』に載っています。
この3つの問いに答えることで、絞り込みが行ないやすくなります。
多くの人が期限に追われながらもよくやっていると言う。
残念ながら、長年の調査でそうとは言えないことがわかっている。
期限に追われるとぐずぐずしたりして自分でそういう事態に陥っていることが多いのだが大きなストレスにさらされ、ミスが多くなり、やり直しが多くなる。
仕事の欠陥やコスト超過が生じると、長期的にはかなりの金銭的な損失につながる。
仕事を急ぐとやり直さなければならなくなり、結局は時間がかかってしまうこともある。
ということで、上記の3つの質問という“ふるい”にかけることで絞り込んでいくことが勧められています。
1.私にとって最も重要な仕事は何か?
言いかえれば、あなたの会社、または家庭、または人生に最もプラスになるようにするために食べなければならない最大のカエルは何か、ということだ。
これは非常に大切なことである。あなたにとって最も重要な仕事は何だろう? まず、自分でじっくり考えてみよう。それから、上司に聞いてみる。同僚や部下にも聞いてみよう。友人や家族にも。カメラのレンズの焦点を合わせるように、仕事にとりかかる前に最も重要な仕事は何かはっきりさせることだ。
2.私にしかできないことで、本当に重要なのは何か?
これはマネジメントの神様と言われるピーター・ドラッカーも言っていることであるが、有能になるためにはきわめて重要な問いである。あなたにしかできないことで、本当に重要なのは何だろう?
ここで言っているのは、「あなたにしかできないこと」についてである。あなたがやらなければ、やる人はいない。だが、うまくやりとげれば、あなたの人生と仕事に大きな影響を与えるのだ。それは何だろう? あなたのカエルは何だろう?
毎日ことあるごとにこう自問しよう。そして、重要なことがはっきりしたら、真っ先にそれにとりかかるのだ。
3.いま私の時間を何に使うのが最も有意義だろう?
つまり、「いま最も大きなカエルは何か?」ということだ。
これは時間管理の眼目である。こう自問することで、ぐずぐずする癖をなくし、きわめて生産性の高い人になることができるのだ。答えはそのときどきで変わるだろうが、ことあるごとに自問し、その答えにしたがおう。
一番のことを一番にやることだ。ゲーテも言っている。「まったくつまらないことのために、最も重要なことをないがしろにしてはいけない」
最後に
本書『カエルを食べてしまえ!』は、「時間が足りなくなってきたなー」と感じるたびに読み返している一冊です。
以下のような“症状”によく効きます。
- 求められている成果が上げられない
- どうでもいいことで時間を無駄にする
- なかなかやる気が起きずにぐずぐずしてしまう
- 誰かが助けてくれるのをひたすら待つ
- 一時はできても長続きしない