問題解決は「正しさ」よりも「○○さ」にこだわる

カテゴリー: 書評

14世紀の哲学者ウィリアムは「オッカムの剃刀」という問題解決法を提案しています。それは次のようなものです(※)。

あらゆる問題において、最も少ないステップですむ単純で直接的な解決こそが正しい解決となる

※「サクセス・オーディオライブラリー愛蔵BOXセット」の特典「人生でいちばん大切なメッセージ」より

 
目の前に立ちはだかる問題を必要以上に難しく考えてしまうがゆえに、足がすくんで一歩も動き出せなくなってしまう、あるいは問題と同じくらいの難しい解決方法で意味のない苦労を強いられている人は少なくないでしょう。

つまり、答えはシンプルなほど良い、というわけです。

『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』で紹介されている解決法は、まさに「オッカムの剃刀」といえます。

どんな問題に対する解決法か?

それは、どうすればより多くの人に商品を買ってもらえるようになるか、という問題。

「仕組み化」が困難な仕事

これまでに実にいろいろな仕事をしてきましたが、それぞれに難しさや大変さがありました。それでも、繰り返すうちに習熟してきて、うまくこなせるようになります。でも、何度やってもいっこうに手応えの得られない仕事もあります。

その一つは、セミナーや勉強会の集客。

ある程度の傾向は掴めてはいるものの、開催のたびに諸条件(時期、時間帯、規模、価格、内容、資料、講師、受講者、会場などなど)が毎回めまぐるしく変わるために、安易な「仕組み化」が困難なのです。

そんなわけで、毎回「定員割れしたらどうしよう」という不安と背中合わせになりながら何とか乗り切っています。それでも、セミナー当日になれば、そんな不安も吹き飛び、少しでも良いセミナーになるように集中・没頭するため、終わった後の達成感はひとしおです。

ちょうど、走り出す前はイヤでイヤで仕方がなかったジョギングも、走り終えてクールダウンがてらゆっくりと歩いている時の得も言われぬリラックスした気持ちに近いでしょう。

必要としている人に誤解なく伝える

集客というのは、セミナーという商品を販売する行為ですから、広義には販促といえるでしょう。どんなに良い商品を開発できても、それを必要としている人の手に送り届けられなければビジネスは成立しません。

商品を相手の目の前に置いても、その商品が相手にとってどんなメリットがあるのか、あるいはどんな必要に応えうるものなのかをきちんと伝える必要があるのです。

簡単に書きましたが、これは実に奥が深い世界です。一言でいえばマーケティングの問題ということになるのですが、この分野では無数の本が書かれています。数学、心理学、社会学、経済学など複数の学問分野にまたがっており、今も研究が続いていますから、勉強が欠かせません。

その方法は十分にシンプルか?

でも、ここで立ち止まって自問します。その勉強は本当に解決に寄与していますか、と。

すなわち、「オッカムの剃刀」です。

その意味で、『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』で紹介されている、アンケートを採る、という解決方法はシンプルでありながら強力です。

もちろん、とにかくアンケートさえ採ればいいというものではありません。販促(=売上)につながるアンケートの作り方というものがあるのです。

でも、その作り方の根本にある発想はやはりシンプルです。難しく考えずに「確かに、そうなるよね」と合点のいく思考プロセスをへて、方法論として結実しているのです。

 
一つだけ紹介すると次のようなものです。

広告の中にお客様の購入プロセスを見抜いた仕掛けがあるか?

あるレンタルビデオ店のレジの横には「映画のお供に」とスナック菓子や飲み物が置いてありますが、これが定価なのにもかかわらず非常によく売れるといいます。

このレンタルビデオ店の近隣には夜遅くまでやっている店がなく、夜中にお菓子や飲み物を購入しようと思った場合には、少し離れたお店まで買いに行かなければならないのです。わざわざ買いに行く手間を考えれば、お客様は定価でも喜んで買っていってくれるというわけです。

言われてみれば「まぁ、そうだよね」と思えるかもしれませんが、こういった施策(レジの横にお菓子を置く)を打ち出すためには、お客様が何に困っているのかを先回りして把握しておく必要があります。

そのための手段がアンケートになるわけです。

逆にいえば、心理学的に正しい商品配置になっていようが、見栄えのいいデザインであろうが、それがお客様の購入プロセスに関わらないのであれば、配置やデザインの勉強は無意味、ということになります。

早い話が、お客様に「答え」を聞いてしまえ、ということです。

 
ネットビジネスで売上を上げたい人やセミナーの集客に悩んでいる人は必読の一冊といえそうです。

 

 
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セミナー集客限定になってしまいますが、それだけに具体的で中身の濃い集客手法が学べます。何よりも著者が失敗して痛い目に遭いながら身につけたものであるため、説得力と信憑性が高いのが特徴です。

講談社
発売日:2007-04-20
おすすめ度:
現場、実践の知
女性向けの硬い内容で集客とは
いろいろと参考になる本
企業の展示会セミナーから趣味のサークルまで活用できる
あくまでも行政用。

 
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