「額縁問題」というのをご存じですか?
ご存じないと思います。これは私が勝手に作った言葉だからです。
上の図のように「会社にいる時間帯」の周りを「自分の自由になる時間」で囲って飾っているかのように見えるという「問題」です。そこら辺にある「週間の時間割」で自分の時間の使い方を一望すると、このようなパターンになっているケースが多くあると思います。
いうまでもなく「額縁」が細くなっていけばいくほど、自分の時間は少なくなっているということを意味します。もちろん「会社にいるときこそが自分の時間である」という人にとってはその限りではありません。
自分の「額縁」をどうしたいのかを知る
「額縁」はいろんなことを教えてくれます。ふつうは上図のような、妙に整然とした額縁ではないはずです。
たとえば、土日はそもそも平日と同じ時間になど起きっこない、という人も多いでしょう。そういう人は「額縁」の左右の上端がかけている格好になります。そういう額縁も実際たまに見かけますね。
また「夜」つまり下の部分が妙に肉厚になっているということもあるでしょう。逆に夜はもっともっと会社に拘束されている、ということもあるでしょう。
「朝」を肉厚にしたいから「朝活をする」という志向の人もけっこういらっしゃいます。これなども「額縁」をどうしたいかということです。
仕事と子育てを両方、それも自分が責任を負っているという人が、いかに大変かもこれでわかります。「額縁」の「縁」の部分すら、自分の時間ではないからです。そのような人があえて「自分の時間」を持つとしたら、本当にほそーい縁をさらにこの外側に作ることになるのです。
ライフログとワークログを分けて残す
たすくま(TaskChute for iPhone)が登場して以来、「たすくまとTaskChuteをどう使い分けたら良いか?」というご質問をいただきます。私の考えていることの1つは「額縁」の縁をたすくまで、飾る中身(会社の時間)をTaskChuteで管理するというものです。
上図のオレンジの部分と、水色の部分とでは、時間に対する方針が異なっていると思うのです。なるべく水色を小さくするほど良い、とは思いませんが、両者にはほど良いバランスというものがあるはずですし、水色の時間にはどちらかと言えば良質の成果を残したいですし、オレンジの部分はより良い思い出になってくれるのが良いでしょう。
少なくともこれを反対にしたい人はかなり変わっています(会社で思い出を残し、家では成果を上げたい)。
たすくまでは時間の使い方を変えるというよりは、より適切な時間の使い方を把握して、ライフログとして記録を残すと良いと思うのです。たすくまとはまさにそのためのツールです。
たとえばライフログ(たすくま)で私は、ムスメにミルクをあげるタイミングと、それに必要な平均時間を知り、その写真を残していきました。これはより時短するのが望ましいとか、より良い成果を残すといった性格の行為ではなかったのです。
一方でTaskChuteが管理する時間帯には、同じ質で成果を残せるなら、時間は節約できた方が良いでしょうし、仕事に使った時間の平均を知るより、仕事に使っている時間が少しでも節約できていることを知っていった方がより実りが大きいと言えます。
そのような目的にはExcelベースのTaskChuteがぴったりです。パソコンに向かって仕事しているならますますそうです。
また、ワークログの場合、ログを残すといっても、パソコンの画面を写真で取ったり、同僚の働く様子を写真に撮っても、あまり意味がありません。たまには良いかもしれませんが、しょっちゅうやるようなことではありません。ライフログとは自ずと残すべき記録が違うのです。
以上のように、ワークログをTaskChuteで残し、ライフログをたすくまで残していくというのは、適切な使い分けだとおもいます。
その上で、最初の「額縁問題」の改善を図るべきでしょう。TaskChuteを使い込むことによってたすくまを使う時間をのばし、たすくまで残すライフログを充実させていくのが良いと思うのです。
» Taskuma — TaskChute for iPhone
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記事中のたすくまとTaskChuteについて入門から学べるセミナーを少人数制で開催します。
3回目となる今回のテーマはツールの使い分け。海老名久美さんにOmnifocusとたすくまの併用についてお話を伺います。
もちろんいつものように、TaskChuteのインストールやExcelでグラフ化する方法なども「話を聞きたい」という方がいらっしゃればお一人お一人にお答えしていきます。
「たすくま開発者」である富さやかさんのほか、たすくまのキャラクターを描いてくださっているねざさん(坂本さん)にも新たにスタッフとして加わっていただくことになりました。
TaskChuteやたすくまを買ったばかりの方から、もう少しユースケースを学びたいという人まで、幅広くご参加いただけます。