しょっちゅうあることではないでしょうか。
そもそも、一度読んだだけで完璧に暗記できる方が不自然です。忘れていても当たり前、ぐらいに思っておいた方がよいでしょう。
では、内容を頭に刻み込むためにはどうすればいいのか。鍵を握るのは、読書後の行動です。
一番簡単なのは、何度も何度も読み返すことですが、他にも方法はあります。今回は、私が意識している読書術を紹介しましょう。いくつかのステップに分けた読了後の行動です。
ステップ1:目印読書
読了後の行動が重要だからといって、読書中がどうでもよいわけではありません。
本を読んでいるときは、気になっているところに「目印」を付けていきましょう。
手段はなんでもかまいません。ペン入れ、ドッグイヤー、付箋を貼り付ける……いろいろあります。お勧めはペン入れですが、この方法が使えない場合もあるでしょう。なんであれ、後から自分が気になった場所を探し出せるようにしておくのがポイントです。
目印をつけるようにしていると、本を読むときの「姿勢」も徐々に変化してきます。少しだけ前のめりになって読めるのです。言い換えれば、自分なりの視点を意識するようになるのです。それだけでも、記憶のされ方がずいぶん違うような気がします。
ステップ2:読了メモ・感想
本を読み終えたら、直後に「読了メモ」を付けておきましょう。
読了した日付と簡単な感想をまとめたものが「読了メモ」です。ここで書く感想は、シンプルなもので構いません。率直に感じたことを書くだけでOKです。ただし、読了後から一〜二日以内に書いてください。時間が経つほど、感想はおぼろげになっていきます。
こうして、軽く感想を書くだけでも、本の内容が想起されます。また、感想を書くために、本のページをめくることがあるかもしれません。内容を覚えておくために有用な行動です。
ステップ3:読書メモ
シンプルな感想から、一歩踏み込んだものが読書メモです。
本の内容をまとめたり、自分がそこから連想したものを書き出していきます。A4シートにまとめたり、マインドマップを描いたり、ノートに書き出したりと、手法はいろいろありえます。
この作業でも、内容の想起が必要になりますし、再び本のページをめくるようなこともあるでしょう。最初のステップで付けた目印が、ここで活躍します。
ステップ4:書評
本の内容を、他の人に紹介するための記事を書く。これが最後のステップです。
上記のステップを経ていれば、それほど難しいことではありません。少なくとも、素材は十分揃っているはずです。別段、高尚な文章を書く必要はありません。本の内容をベースに、自分なりの感想・批評を添えて、他人に分かるような文章で書き表すだけです。
当然、自分が書いた読了メモ・読書メモを参照することになるでしょうし、またまた本を開く必要も出てきます。想起が行われ、記憶が(おそらく)強化されます。
さいごに
このように段階と時間を経ながら、本の内容を少しずつ咀嚼していくことで、それが脳に刻まれていきます。
どんなツールを使うのかは自由です。メモと書きましたが、紙のメモではなく、たとえばTwitterをメモ代わりに使うこともできるでしょう。感想を書いたり、気になった部分を引用することで__おそらくはその作業の過程で__覚えていられることが増えていきます。
また、全ての本に同じステップを適用する必要はありません。本にもアタリハズレがあります。ハズレの本は、ステップ1だけで問題ないでしょう。その代わり、気になった本には十分に時間を投下しましょう。
なにごとにも、選択と集中は必要です。
▼今週の一冊:
R-styleでも紹介しましたが、GTDの副読本に位置づけられそうな一冊です。
※メインは『ストレスフリーの整理術』。
Nozbeやタスクシュートといったツールの話題も当然出てきますが、どちらかといえば概念的な解説が主軸になっています。おそらく本書を読めば、タスク管理が何をしているのかがよくわかるのではないかと思います。
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先日Evernoteの「知的生産」アンバサダーに選ばれました。といっても、もともとEvernoteに関してはいろいろ書いてきているので、別段何かが大きく変化するわけではありません。これからもその活動をボチボチと続けていきます。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。