BT016:文章力=言い訳力?

カテゴリー: 届ける技術



「私は、佐々木さんのように文章力がありません。毎日よどみなく文章が出てこないんです」とおっしゃる人がいます。

私はそういう人に気心が知れていれば、

「あなたには自信がありすぎるんですよ」

と答えることがあります。

もちろん言われた方はたいてい「へ?」というように思われるのでしょうが、私はこれはだいたいのところ当たっているはずだと思います。

自分に自信があると、多く語る必要を感じにくくなるということです。

たとえば、

「あのレストランって、いいよね」

と言いたくなるくらいのことは、誰にでもあるでしょう。これがブログを書く発端になりますが、これ以上書くことがない。すると「文章力がない」と感じることになるわけです。

でも私はもっと書けます。文章力があるからではなく、自信がないからです。自分に自信がないので「あのレストランは、いい」ですませることができないのです。

つまり何か一言述べてしまうと、それに対して次々に非難される不安が胸をよぎるのです。その非難をかわせるだけの「言い訳」を頭の中でどんどん用意していかなければなりません。それが私の「文章力の源泉」というわけです。

そういえば、『あしたのジョー』の中で白木葉子さんが、

「男のおしゃべりなんて最低よ?」

と言っていました。最低と人に言われることこそが、自分の力になるということなどよくあります。これもいいわけがましいでしょう?

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