セミナーを受ける前後にやっておきたい3つの習慣

カテゴリー: 書評




セミナーや講習会に参加することが多々あります。

無料のセミナーもありますが、有料・無料にかかわらず受講するからには「時間」という貴重なリソースを投下しているわけですから、何としてでも応分の“回収”はしておきたいものです。

そこでおすすめの習慣が次の3つです。

 1.受講前に、受講の目的を書き出す
 2.受講中に、受講後のタスクを書き出す
 3.受講後に、受講内容を人に話して聞かせる


1.受講前に、受講の目的を書き出す

何のために受講するのかを明確にしておきます。講師の話す内容すべてを持ち帰るのは不可能ですから、「少なくともこれだけは」という最低ラインを予め決めておくのです。

具体的には、セミナー申し込み時に「参加動機」を記入する欄があれば、そこに記入するといいでしょう(何を記入したかを控えとして手元に取っておきます)。

例えば、以下のようなイメージです。

 「○○について人に語れるようになる」
 「○○をもっとラクにできる方法を身につける」
 「○○の進め方について周りの人と意見交換する」

こういった、ミッションステートメントならぬ「受講ステートメント」とでもいうべき言葉をもってセミナーに臨めば、おのずと内容に集中できます。注意深く聞くところと流すところとのメリハリもついてきます。あるいは、講師に質問をしたくなるでしょう。

質問といえば、常々疑問に思っていることがあります。それは、「質問を何度しても、あるいは質問をまったくしなくても受講料金は変わらないのに、なぜ多くの人は質問をしないのだろうか?」ということ。

質問のタネをあらかじめ用意しておけば、質問せずにはおれないはずです。

2.受講中に、受講後のタスクを書き出す

せっかくお金と時間を投入したのですから、それを成果に結びつけたいものです。「成果に結びつける」というと大仰な感じがしますが、要は「これはいい!」とか「やってみよう!」と心動かされたこと──これがセミナーという現場に身を置くことで得られる最大のメリットでしょう──を、実行可能な形に変換することです。

セミナーという非日常で得られた“果実”を、日常に持ち帰って腐らせないうちに食べて“栄養”に変えるのが目的です。そのためには、すぐに食べられるように小分けにしておくことです。

具体的には、やろうと思ったことを、すぐにできるレベルにまで分解し、普段使っているタスクリストに盛り込むのです。こうすることで、日常のルーチンに組み込まれますから、確実にセミナーの“栄養”を摂取することができます。

3.受講後に、受講内容を人に話して聞かせる

タスク化することに加えて効果的なのが、セミナーで得たことを同僚や知人に話して聞かせること。当然、講師と同じようにはいきませんから、その濃度はぐっと薄くなります。それでも、相手にわかってもらうべく努力しますから、学んだ内容を頭の中で整理することになり、自分のためにもなります。というよりむしろ、自分のためにやっているといったほうがいいでしょう。

人に話すことのメリットは、それによって相手から質問される可能性が高いことです。あいまいにしか理解できていなければ、

 「それはどうして?」
 「○○じゃなくてもいいんじゃない?」

などのツッコミを前にたじろいでしまうでしょう。逆にこれらのツッコミにきちんと答えられれば、そのセミナーの内容をきちんと自分のものにできた証拠といえます。

これを「模擬セミナー」と呼んでいますが(受験指導で有名な和田秀樹氏が「模擬授業」と呼んでいたのにちなんで)、これをするとしないのとでは、セミナーへの時間投資効果はまったく違ってきます。

 「ランチおごるから、オレの模擬セミナーを聴いてくれ!」

くらいの勢いでも十分にモトを取れるはずです。

復習ワーク

以上3点は、僕が行っているセミナーでも実践しています。

まず、セミナーの冒頭で受講者の方々からいただいた参加動機を確認し、問題意識を高めてもらいます。

次に、セミナーの後半に「復習ワーク」という時間をもうけて、受講者同士で「今日のセミナーのポイントは?」という質問を出し合ってもらいます。これは記憶が鮮明なうちに“模擬セミナー”をしているようなものです。

最後に、お互いの学びを交換していただいたうえで、「明日から何を実践しますか?」を宣言しあってもらうのです。これによって、受講者それぞれのタスク化が後押しされることになります。

セミナーを企画・運営する上で参考になった一冊

上記のような「復習ワーク」を採り入れるようになったのは、『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで』という本で以下のくだりを読んだのがきっかけでした。

(老子の「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったことは、わかる」という言葉を紹介したうえで)

ちなみに、この老子が言ったことを数字で表したアメリカの研究者がいました。
それは、次の通りです(数字は、記憶に残る割合を表しています)。

 聞いたことは、  10%
 見たことは、   15%
 聞いてみたときは、20%
 話し合ったときは、40%
 体験したときは、 80%

ここまでは、老子が言ったこととだいたい合っています。それでは、「見つけたこと(発見したこと)は、できる」のレベルは、どのような体験に相当するか想像がつきますか?

 教えたときは、  90%

です。

また、「いい研修会」の条件として次の11項目が挙げられていますが、これはチェックリストとして有効です。

・いい研修会

1.会の雰囲気がいい──
 ・楽しい
 ・ワクワクする研修
 ・なんでも言える

2.得るものがある──
 ・終わった後で充実感がある
 ・リフレッシュ
 ・選択がある

3.発見や出合いがある──
 ・未知なるものとの出合いがある
 ・知り合いが増える
 ・幅広い参加者がいる
 ・人と人とのつながりが広がる

4.参加者の主体的な参加──
 ・講師と参加者との上下関係がない
 ・みんなが参加できる
 ・参加の機会が均等に与えられる
 ・少数意見が取り上げられる

5.講師ではなく、コーディネーターの存在

6.振り返りがある──
 ・自分の問題点が整理できて、新しい視点が得られる
 ・さらに、一歩進める

7.目的の共有と達成が図れる──
 ・研修(内容)をつくり上げることができる
 ・研修に参加できない人たちも満足できる(→社会的満足)

8.動きのある学び──
 ・講義だけじゃなくて、からだや五感を使う
 ・体験できる

9.実践できる研修──
 ・理論に終わらないで、実践できるような研修

10.研修で終わらず、つながる・広がる──
 ・参加者が主体的にかかわり、実践につなげられる
 ・研修会を通じて輪ができ、情報交換が継続する
 ・参加していない人たちに勧められる。誘いたくなる。
 ・得たものを他の人たちと共有できる

11.参加しやすい条件──
 ・お金がかからない
 ・誰でも参加できる(託児・手話など)


▼関連:
インプットを仕事に確実に生かすには?【解決編】 
「いい」と思った本の内容を確実に身につける方法 
自分の「仕組み」を生み育てる 
その場で知り合った人を第三者に紹介する 
自分ができることをいかに人に伝えるか 

▼「書評」の新着エントリー

» 「書評」の記事一覧
スポンサー リンク