今回は、Obsidianのデイリーノートについて研究しましょう。
導入
Obsidianのデイリーノート(today’s note)は標準ではオンになっていません。SettingsのPluginでオンにしておきましょう。
すると、二つの変化が現れると思います。一つは、サイドバーにカレンダー風のアイコンが登場すること。もう一つは、Settingsの左下(PLUGINの項目)にDairy notesの項目が出てくることです。
前者は、「今日のノート」を新規作成する(すでに存在するならそこに移動する)ボタンで、後者はデイリーノートの設定です。
次にその設定を行いましょう。
設定
現状(2020年9月25日)、設定項目は三つあります。
- Date format:日付の書式 (ISO 8601準拠)
- New file location:デイリーノートが作られるフォルダの指定
- Template file location:テンプレートとして使用するノートの指定
まず日付の書式ですが、特にこだわりがなければ何も設定しなくて大丈夫です。その場合は、「2020-09-25」のような形式でノートが作成されます。「September 25, 2020」のような形式にしたい場合は、以下のページを見ながら自作してください。
たとえば、「September 25, 2020」ならば、「MMMM DD,YYYY」になります。
「New file location」は、デイリーノートが作られるフォルダを指定します。指定がなければ、他のノートと同じフォルダに新規作成されます。
Template file locationは、既存のノートを指定することにより、そのノートをひな形にして新しいデイリーノートを作成してくれます。詳しくは以下で解説します。
デイリーテンプレート
デイリーノートは、同じ記述を繰り返すことが多いものです。たとえば、日課であったり、タグであったり、よく参照するノートであったりです。
毎日作るノートなのですから、それらを毎回書き込むのは面倒ですね。なので、手帳や日記のように、あらかじめそれが「印刷」された状態でデイリーノートを作れるのがテンプレートです。
*pluginに、templateという機能がありますが、それとはまた別のものです。
作り方は、適当なタイトルで(デイリーテンプレートなど識別しやすい名前がよいでしょう)ノートを作り、そこにデイリーノートに毎回設定したいものを書き込んでおくだけです。後は、そのノートをSettingsで設定すればOKです。
以降は、新しくデイリーノートを作るたびに、そのテンプレートの内容があらかじめ埋め込まれて作成されます。
テンプレートの例
たとえば、以下のようなテンプレートを設定しておくと、
以下のようなデイリーノートが作成されます。
さらに、です。テンプレート内に、{{date:YYYY-MM-DD}}のような記述を埋め込んでおくと、それが日付として表示されるようになります。
日付はノート(ファイル)のタイトルにもなっているのですが、ノート内にも書き込んでおきたい場合は便利です。
さらなるテンプレート
さて、ここでおさらいしておきましょう。Obsidianは、マークダウンエディタのようなもので、内部で扱っているのは単なるmdファイルです。で、上のように作られるデイリーノートも、「これはデイリーノートです」のような特別な識別子を持っているわけではなく、単に日付がファイル名になっているmdファイルです。
ということは、どういうことでしょうか。
ちょっとしたスクリプトでmdファイルを作れるならば、より凝ったデイリーノートを自分で作ることも可能だ、ということです。
◇Obsidianのデイリーページを作成するPythonスクリプト – 倉下忠憲の発想工房
たとえば、上のスクリプトを実行すると、以下のようなノート(mdファイル)が新規作成されます。
*プレビュー
前後の日付へのリンクと、前回紹介したエイリアス表示が使用されています。
こういうことができるのも、扱っているのがごく普通のmdファイルであることの利点です。
*似たような工夫は以下のページでも確認できます
◇mm53bar/obsidian_utils: Various scripts and utilities for Obsidian.md
さいごに
現状、デイリーノートのテンプレートできることはごくシンプルですが、それでもテンプレートがないよりははるかに便利です。しかも、その他のノートと同じようにテンプレートが扱えるので、修正などが容易なのもメリットですね。
ちなみに、デイリーノートを頻繁に利用する場合は、SettingsのHotkeyから「Open today’s note」に何かキーを割り当てておきましょう。
端的に言って便利になると思います。
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Obsidianは触っていて非常に楽しいのですが、それでも個人的にはScrapboxをメインに使っています。「カード法」をやろうと思うなら、やっぱりScrapboxが一番です。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。