勝因は何と言っても、以下のツイートで知った「妄走」(もうそう)というiPhoneアプリ。
▼公式サイト
▼アプリのダウンロード(iPhone)
初回のみ名前(姓+名)、身長、年齢などを設定。
2回目以降は起動時に走行距離(キロメートル単位)を設定してスタート。
「START」をタップすると即座に「位置について~」という女性のアナウンスとともにカウントダウン(3秒)が始まり、号砲が聞こえます。
以下の画面に切り替わり、実況が始まります。
実況は元日本テレビアナウンサー山下末則(すえのり)さん、解説はリオデジャネイロオリンピックにカンボジア代表として出場したお笑いタレントの猫ひろしさん。
味気の“ある”実況内容
スタート直後
スタート後はその日の天候に応じて、山下さんのアナウンス内容が変わります。
今にも雨が降り出しそうな、泣き出しそうな曇り空。さて今日の天気、選手達の味方となるのか、それとも敵となるんでしょうか。
ちょっとしたことですが、臨場感を高めてくれます。「ああ、本当にいま自分が走っているこのランの実況をしてくれてるんだ」というファンタジーに没入できます。
▼現実のコース
そのときどきの距離やペースをもとにコメント内容が変わる
終始「いやー、この選手はペースを変えませんねー」「何よりも楽しそうに走っているのがいいですねー」という実況の山下さんと猫さんのやり取りが続きます。
どんなにペースが落ちようとも「アフリカ勢を抑えてトップを独走」していることにw
それでも「第二集団もペースを上げてきていますらねー、いつ仕掛けられるかわかりませんよ!」(猫)などと、ちょいちょいプレッシャーをかけてきます。
むろん追い抜かれることはないのでしょうが、こういう言葉があると人は勝手に幻想を抱き「まずい!ペースを上げないと!」と気持ちが焦り始めるのです(後から思い返してみると実におかしい)。
その後も「さぁ、4分の1まで来ました」とか「折り返し地点が迫ってきました」といったアナウンスが入り、そのたびに猫さんもコメントを挟みます。
走行距離の数値を淡々と通知されるだけよりも味気があります。
ペースを上げるとそれに応じたコメントに変わります。がんばったぶんだけ、それをきちんと認めてもらえる。「よし、もうちょっとがんばろう」と奮起できます(単純)。
面白いことに「表情には余裕が感じられますね」というコメントを耳にすると、「余裕を感じさせる表情にならないと!」とハッとさせられますし、「いや、今のこの走りは実は余裕なのかも?」と認識の修正を迫られたりします。
言葉の力は偉大です。
いちいち参考になるアドバイス
実況の山下さんが「ところで猫さん、こんなときに注意した方がいいことは何ですか?」と水を向け、これに対して猫さんが「とにかく腕を振ることが大事ですね〜」など、その場に即したアドバイスを返します。
猫さんはあくまでも山下さんから尋ねられたから答えているだけなのですが、必死に走りながらこのやりとりを耳にしている選手(本人)にとっては「そうか、腕を振るのか!」といちいち参考になります。
自分に直接語りかけられているわけではなく、第三者として耳に入ってきているだけなのですが、だからこそ押しつけがましくないアドバイスとして素直に受け入れられると感じました。
一方、給水時の注意点(一気に大量に飲むのではなく、少しずつ飲むのが良い)などはそもそも一人でランニングしているときには関係のないアドバイスなのでスルーするわけですが、これも自分に直接語りかけられているわけではないので煩わしさはありません。
かと思えば、
- 「猫さん、レース前に注意していることはありますか?例えばレース前の食事で気をつけていることは?」
- 「そうですねー、僕はレース前は缶詰を食べるようにしていますねー」
- 「なるほどー、猫さんは真面目に答える気がないということがよく分かりましたー!」
などと珍妙なやり取りも差し込まれることもあり、ズッコケます。
歓声・声援が地味に効く
実況の背景では常に人々の歓声がわーわー聞こえています。
山下さんも猫さんも言葉を発していない間は、この歓声だけが聞こえているのですが、これはちょうどマラソン大会で沿道からの声援を受けているときの状況に近いです。
終盤になると、声援の中に「あと少し~!」みたいなかけ声も混ざってきて、思わず「うぉ~」と気合いが入ります。
ゴール後に“ニュースサイト”に掲載される
まぁ、どう走ろうが優勝できるわけですが(まだ1回しか試していないので、もしかしたら優勝できないパターンもあるかも?)、レース直後にもかかわらず、すでに“ニュースサイト”に記事が掲載されていました。
▼第1位でゴール!
▼「あなたの活躍が早速ニュースになっています」
▼東京五輪が予定通り開催される世界線
※瀧崎邦明=猫ひろしさんの本名
まとめ
想像していた以上に「効いた」ので、iPhoneを持って走っている人ならぜひ「妄走」してみてください。
なお、このアプリを使って走っているときは音楽やオーディオブックを再生できなくなるので、その点だけ注意が必要です。
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