ここからどんな expansion が可能でしょうか。
他の企画案
思いついた企画案については、同様にScrapboxにページを作り、[企画案]というページリンクをつけているので、関連ページには他の企画案ページがずらっと並びます。
まず、これを眺めながら思考を走らせます。似た企画で統合できるものはないか。別の企画で、テーマ性を拝借できるものはないか。
たったこれだけのことでも、その企画についてだけ考えているよりも思考は進みます。
もちろん、それだけではありません。十分にScrapboxにページを蓄積しているなら、さまざま過去の着想を取り出すことが可能です。
キーワードで発掘
たとえば、「知的」がキーワードになりそうなので、まずはその言葉でリンクを作ってみましょう。ブラケット内に知的と入力します。
まずこの段階で、知的が青字のリンクとなりました。さらに、サジェスチョンもいくつか表示されます。
サジェスチョンには興味深いキーワードが並んでいますが、まずは「知的」から探っていきましょう。関連ページを覗けば、かってじぶんが作り、ページ内に「知的」(というページリンク)を入れたページが並んでいます。
これらをみて、さらに思考を進めることができます。
さらなる探索
それが終われば、再び「知的」のリンクに戻り、サジェスチョンされたキーワードに潜ってみましょう。ブラケット内にカーソルを戻し、スペースひとつでも入れてあげれば、サジェスチョンが再表示されます。
ここでは「知的体力」という言葉を選択したとします。すると、かつてじぶんが作り、ページ内に「知的体力」と入れたページが関連ページに並びます。
同じことは「知的体力」以外のキーワードでも行えます。なんなら、一挙に並べてみてもいいでしょう。
このように過去のページを簡単に引き出せるのがScrapboxの魅力です。もちろんそれらのページは、なんらかの形で「私が関係ある」と思ったページ群です。つまり、素材になりうる情報たちです。
このプロジェクトの総ページ数が2300を超えていることを考えれば、ここまで簡単に関連するページを引き出せるのは驚きと言えるでしょう。
さいごに
もちろん、これだけで企画案が完成するわけではありません。肉付けやさらなる思考は必要でしょう。それでも、Scrapboxを使えば過去の自分の着想を十分に利用して、思考を進めることが可能になります。もう少し言えば、過去の自分の視点を使い、今目の前にある企画案についてさまざまな角度から考えられるようになります。
とはいえ、こうしたアイデア出し(あるいはひとりブレスト)を行うためには、十分な量のページの蓄積が必要なことはたしかです。そればかりは人任せ(あるいは機械任せ)にすることはできません。コツコツ積み重ねていくしかないでしょう。
▼参考文献:
Scrapboxの基本について知りたいなら本書を参考にしてください。基礎的なことは網羅されています。
▼今週の一冊:
繊細でいて、悲しく、そして美しい小説です。ああ、自分はいまSFを読んでいるんだ、という気持ちに強くさせてくれます。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。