しかし、どうすればあらゆる仕事をつまらなくできるかであれば、わりと簡単に答えられます。
やっていることから気をそらせばいいのです。
そうすれば必ず、どんなことであっても、つまらなくなります。
仕事でなくても、たとえば私にとってはかなり好きな部類の、たとえばマンガを読むということであっても、明日にも全財産を失いかねないような何かとんでもないハプニングが起こったら、びっくりするほどつまらなく感じるでしょう。
というか、マンガを読んでいるとは言いがたい心情になってしまうのです。
だから、ほとんどの仕事を楽しくするには、この逆をすればいいのです。
どんなことであっても、本当に集中して「入り込む」ことができれば、その仕事は楽しくなります。
この意見には納得できないと思いますが、「この世にそもそもつまらない仕事と面白い仕事がある」というのは間違いなくウソです。
たとえばこの世にはどんな虫であっても、クワガタだろうとカブトムシだろうと、それを触るくらいなら死んだ方がましだという人が、けっこういます。
一方で、クワガタが捕れるなら大好きなテレビ番組を犠牲にしてもいい、という子供も間違いなくいます。私の知っている子供の中にもたくさんいます。その子供のために朝3時に出かけていくえらいお父さんの知り合いもいます。
何が楽しくて何がおぞましいかなど、完全に主観です。
客観的に決定できる要素なんか、何一つありません。
それについて考えることに集中できれば、楽しい。
だから、世の中には「没頭できるいい仕事」と「誰がやってもつまらない退屈な仕事」というものは、客観的に決まってなどいないのです。
だいたい、このシゴタノ!の大橋悦夫さんと私などは、比較的考え方も感覚も似ていて、価値観も似ているようですが、それでもどんな仕事が「好ましく」て、どんな仕事を「あまりやりたくない」かでは、意外に意見が違います。少なくとも完全に同じではないです。
私は大橋さんほどには、日記をつけるのが好きではなく、大橋さんほど複式簿記をつけたいという気持ちもありません。
逆に大橋さんに比べれば間違いなく、千葉ロッテマリーンズの非公式サイトなどならうまく作れるでしょう。
それは、客観的に日記の方がロッテマリーンズの応援より面白いかつまらないかという議論に持ち込むことのできない話です。どう考えてもこれは我々の主観の違いであり、どっちもつまらんという人だってたくさんいるに決まっている。
しかし、面白いと思えるときには、そのことに集中できているのです。「本当に自分のやりたいことはなんなのだろう?」などと考えているときにやっていることは、「本当にやりたいこと」ではないのです。
やっているときにやっていることを考えていないなら、それはつまらないことなのです。
「雑務を早く片付けて」と思っているときのその「雑務」とは、作業中それについて考えたくない対象なのです。
そしてこれはなかなか了解しがたいのですが、逆も真なりです。それについて考えることに集中できれば、「雑務」も「楽しい仕事」に一変するはずです。
だからこういうことが言えます。
いまはまだまったく何の興味もなくとも、大橋さんがロッテの非公式サイト以外のことを一切考えることなく、脇目も振らず集中してそのサイトを作れば、きっとそれが好きになって楽しくなります。
私が複式簿記以外のことを何も考えず、その作業に完全に没頭すれば、やっぱり大橋さんのような気持ちになれるでしょう。
もちろん我々のどっちもそうなる必要はありませんが、仕事を楽しくするというのはそういうことなのです。
Follow @nokiba
というわけで今回で3回目となる「ご機嫌な生き方」塾のご案内です。
もしも私の上の記事にある程度でも納得されたなら、どうすれば「ご機嫌に生きられるか」の検討もおおむねつくでしょう。
今回のセミナーのテーマは、さらにその考え方を文書作成や創造に応用するやり方です。
つまり第3回のテーマは「意識を使った最強の創造モード」です。