この「知的生産の7つの習慣」をテーマに、カードで遊んでみることにしましょう。
脳内書きだし
使うのは名刺サイズの情報カード。まずは、タイトルを書き込んだカードを作成します。
次に、そこに含まれるであろう項目をカードに書き出します。そもそも「知的生産の7つの習慣」という項目を思いついた段階で、何かしらそこに含まれるであろうことは2つ3つ想像していたので、それを書きだし、その周辺的な要素もあぶり出していきます。
一応頭数だけは揃いましたが、項目の精度や粒度はまるでダメです。そこでもう少し思考を拡げます。
外部参照
言う間でもなく「7つの習慣」は、スティーブン・コヴィーのそれのモジリです。
となると、そちらの7つの習慣には何が含まれていたが気になってきます。その疑問もカードにします。
しかるのちに、本を取り出し、項目をカードに書き出します。その項目を眺めてみると、自分が書き出したカードに足りなかった項目が見えてきます。当然、それもカード化します。
たとえば「主体的」というキーワードから「(自分で)疑問を持つ」「興味を持つ」というカードが生成されました。あるいは、目的を持って始めるからは「アウトプット?」というカードを作りました。「?」がついているのは、アウトプットを想定したインプットがどこまで有効なのかは検討の余地があるからです。
が、そうした保留つきの項目であっても、きちんとカードにしておきます。
整理という体系化
あとは、それらのカードをじっくり眺めて、「7つ」に絞り込んでいきます。
近しい内容を扱っているカードを探し、その中から代表するカードを見つけたり、あるいは複数のカードの「見出し」となるカードを新しく作り出します。さらに、それらの「見出し」の粒度が揃っていることもイメージします。「メモする」ことと「読者のことを考える」ことは、はたして同じ階層なのか、違うのか。違うとしたら、どんなレイヤーに属することになるのか。
そうしたことを考え、また新規にカードを追記しながら、7つに整えていきます。
さいごに
最終的に上位となる項目が7つになるかどうかはわかりません。もともとこの「7つ」というのは恣意的に設定したものであり(言い換えれば、人間の認知が容易に認識できる上限内に留めただけであり)、その数に項目が持つ特性が反映さているわけではありません。どう考えても、粒度を揃えたら8つになったとか、逆に5つにまとまった、ということはあるでしょう。
が、それはそれとして、とりあえずの目標となる数を決め、それに向けて整えていく作業は案外大切だと思います。でないと、際限なく拡散してしまい、いつまでたってもまとめることができません。
もちろん、作業していて「どうしても」その数ではまとまらないことが理解されれば、「5つの習慣」や「8つの習慣」のように上位項目を変更してしまってもよいでしょう。それが自然なボトムアップのスタイルです。
というわけで、今回整理した項目は来週の記事になるかもしれませんし、何かの本の企画案になるかもしれません。それはお楽しみということで。
▼今週の一冊:
アウトライナーの使い方の本ではあるのですが、私たちはいかにして情報と付き合えばよいのか、どのようにして「考える」を進めていけばよいのかについて実際的な内容を紹介した本、とも言えそうです。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。