Evernoteに蓄積したアイデアの素の活用度合いを高める上では、日頃からのメンテナンスが欠かせません。
例えば、検索に備えてノートタイトルをリライトしたり、適切なタグを付与したり、といったことです。
特にノートタイトルのリライトにおいては、ノート本文に含まれていないものの、自分にとって意味のある言葉を含めるようにすることが重要だと考えています。言ってみれば、脳内SEO対策です。検索に引っかかりやすくするように、キーワードを追加するわけです。
またタグについては、ノートの内容を分類するために付けはじめると、似たようなタグが増えて収拾が付かなくなるので、ノートと自分の関係性を分類するために付けるようにしています。
ノートと自分の関係性をタグにする
「ノートと自分の関係性」とは、そのノートが自分にとってどういう位置づけにあたるのか、ということです。
.New
例えば、以下の記事で取り上げている「.New」というタグは、自分にとって「新しい」という位置づけにあるノートに付与しています。
» 「新しく始めたこと」を素速くレビューするためのEvernoteを使った仕組み
日々さまざまなタグ付けを行いますが、中でも重視しているのが「新しく始めたこと」に付けるタグ「.New」。
ノートを見返しながら「これは新しい!」と感じたものにはもれなく付与しています。たとえば、以下のようなものです。
- 新しく始めた習慣
- 新たに使い始めたアプリ
- 新たに発見した(気づいたこと)こと
- 初めて(試しに)やってみたこと
- 始めた入ったお店
一言でいえば「とりあえずやってみたこと」はたいてい「.New」が付与されることになります。
タグで「出会った直後の感情」をたぐり寄せる
+cool
これ以外に、「+cool」というタグがあります。その名のとおり「クールだ」と感じたことについて、このタグを付与しています。
ただし、1つだけルールがあります。
それは自分の行動が対象である、という点です。たとえば、街中で見かけたイケている広告コピーをスマホで撮影してEvernoteにクリップした場合、確かに「クール」なのですが、自分の行動ではないので「+cool」はつけません。
ちなみに、こういう場合は「+impressed」というタグを付与します。
「感銘を受けた」という意味です。
なお、先頭に+を付けたタグは僕の中では感情系と分類しています。
感情にまつわるタグということです。
このようにタグの先頭に記号(接頭辞)をつけるメリットについては以下の記事でご紹介しています。
以下は実際に使っている接頭辞。この順番に並ぶので、それを考慮してタグ体系を決めると美しくなる。
- !
- $
- .
- :
- |
- +
↓こんな感じで、同じようなタイプのタグを一箇所に集めることができて、接頭辞を1文字入れれば即座に呼び出すことができる。
こうして集めた「+cool」タグの付いたノート群は、言ってみれば自分の“ファインプレー集”ということになります。
- うまくいったこと
- 思い通りにいったこと
- 我ながら良いアイデア
などなど、めったに出ない、だからこそ貴重な瞬間のコレクションです。
このノート群を繰っていくと、もうそれだけで自信がわいてきます。落ち込んでいるときには立ち直る起爆剤になりますし、すっかり忘れていた「良いアイデア」に再会できたりもします。
どう転んでも良いことしか起こらない、とても幸せな時間を過ごすことができるわけです。
+impressed
また、「+impressed」であれば、自分が感銘を受けた記事(ウェブクリップ)や本の引用、誰かの発言などに付与されるため、このタグのついたノート群を繰っていくと、その情報に出会った直後の感情が蘇り、その時に考えていたことを思い出しやすくなります。
日々さまざまな「+impressed」に触れて、Evernoteに取り込んでいくのですが、時期が離れるほどに、同じ「+impressed」タグのついたノート同士に意外な関連が芽生えることがあり、その関連が、新しいアイデアとなります。
「…ということは、こういうことが言えるのではないか?」といった着想が得られるのです。
週次レビューはタグレビュー
そのためにも、週に一度の週次レビューの項目の1つに、これらのタグを一つひとつ繰っていくことが含まれています。
その際、以下の記事でご紹介した「表示設定を記憶する」機能にて「更新日順」に並び替えられるようにしておくのがおすすめです。
繰っていく最中に何か思いついてメモを書き足した(=更新した)ノートは更新日が今日になるため、一覧上で一番上に移動するようになるからです。
» Evernote for Windows 6.3 で追加された「表示設定を記憶する」機能の使いどころ
アイデアは、それが発生した日時もさることながら、その後に新たに加えられた加筆・修正の日時がカギになります。すなわち「更新日」です。
(中略)
例えば、「今日クリップした記事Aに関連しそうな内容のノートを最近編集した記憶がある!」という場合は、更新日時が新しい順位並んでいれば、この2つのノートは近い位置に現れることになります。
こうすることで、“鮮度”の高いノート群が一覧上で上方に集まるようになるため、一覧を目にしたときの“発火率”が高まる、すなわち新たな着想が得られやすくなります。