ブログを書くことは終わりのない自己紹介である

カテゴリー: とらえなおす



今年でこのブログを始めて12年目に入りました(2005年5月にスタート)。

長く続けているわりには記事数は少ない(本日時点で1325本)のですが、書いてきた記事はいずれもある共通点を持っています。

それは、どの記事も僕の自己紹介である、ということです。

仕事術の紹介であったり、使っているアプリやガジェットの紹介であったり、新しく始めた習慣や続けている習慣であったり、とにかく僕に関わることしか書いていないので、必然的にどの記事も僕のことを何らかの形で紹介することになっているわけです。

通常の自己紹介でもそうですが、自分に関するすべてを紹介しきることはできません。それは、時間的な制約もあるでしょうし、意図的に出したり、出さなかったりというコントロールもあるでしょう。

つまり、自己紹介とは何らかの意図や目的をもって行われることになります。

例えば、「□□な人であると思われたい」、「○○ができる人だと認識されたい」、「△△な話題は大歓迎であることを伝えたい」といった意図や目的です。

これは言い換えれば、

ということになります。

例えば、異業種交流会の場で、出版社の編集者の方と名刺交換をしているシーンであれば、「締め切りを守る人であると思われたい」、「時間管理についての本が書ける人だと認識されたい」といった印象を持ってもらえるように意図的に情報を選別して伝えつつ、「この人に時間管理本の執筆依頼をしてみようかな」と思わせるに足る、イヤらしくない程度の「時間管理得意ですアピール」を行うことが自己紹介のミッションとなるでしょう。

まとめると、自己紹介とは、「なるほど、この人は○○な人なのだな」という自分にとって“正しい”ラベリングを施した「自分の印象」を相手の心の内に可能な限り長く留めてもらおうとすること、と言えます。

自己紹介に盛り込むべき3つのこと

相手に「なるほど、この人は○○な人なのだな」と、正しく認識してもらったうえに、長く記憶に留めておいてもらううえで、どんなことを伝えればいいか?

それは次の3つだと僕は考えています。

すなわち、これまでにやってきたこと、いまやっていること、これからやりたいこと、の3つです。

もちろん、就活の面接ではないので、この3つを順番に原稿棒読み風に話す必要はありません。相手とのやり取りの中において、この3つをタイミングを見ながら、その時々の話題にからめて少しずつ伝えていくことになります。

順番としては、いまやっていること → (なぜそれをやっているかというと?) → これまでにやってきたこと → (で、今後はどうするかって?) → これからやりたいこと、という流れになることが多いでしょう。

同じ流れでブログも書ける

この流れは、ブログを書くときにもそのまま流用できます。

例えば、

といったように「自己紹介」が進みます。

ここで注意したいのは、最後の「未来:これからやりたいこと」に当たる部分です。この部分が、自己紹介の相手、すなわち読者に何らかの行動を引き起こさせるものになっているかを確認します。

上記の例でいえば、読者に「ああ、私もこのガジェット使ってみたい!」と思ってもらえるかどうかを確認します。

こう思ってもらえるためには、まず「この人はこういうガジェットに詳しそうな人だから、この人が言うのなら間違いないだろう」という印象を読者に抱いてもらう必要があります。これは「過去:これまでにやってきたこと」の仕事です。

そのうえで、「この人と同じ体験をぜひしてみたい、同じような特典をゲットしたい」という気持ちを引き起こしてもらうこと。これは「未来:これからやりたいこと」の仕事です。

まとめ

「現在:いまやっていること」を書くだけでは、“次”につながりにくいでしょう。

そこから「過去:これまでにやってきたこと」を踏まえて「未来:これからやりたいこと」まで展開することで、関心を持って読んでくれた方々を巻き込むことができるかもしれません。

僕自身、これまでに書いてきた1324本の記事すべてについて、これが実践できていたわけではありません。ほとんどは「過去:これまでにやってきたこと」止まりで、その先の「未来:これからやりたいこと」までは展開できていないでしょう。

でも、今後は展開できるようにしていこうと考えています。なぜなら、このブログは僕の自己紹介だからです。

良かったらぜひご一緒に。

 

参考文献:

今回の記事は、以下の本の冒頭部分を読んで「ハッ」としたのがきっかけです。

この本が実に正しく“自己紹介”しているため、もう先を読み進めたい気持ちでいっぱいになりました。こういう“自己紹介”が増えていくといいですね。

日本には企業が約382万社存在する。うち99.7%は中小企業で、さらにそのうち約9割は小規模事業者(「製造業・その他」20人以下・「商業・サービス業」5人以下)が占める。大企業はー%もない。

けれども、世の中に流布されている経営に関する情報は、有名な大企業の話ばかりだ。マスコミも、本も、セミナーも。そりゃ仕方ない。メディアの主なスポンサーも大企業で、彼らの広告や宣伝は目立つし、かっこいい。片や中小・零細は、無名で地味。かっこ悪い。

大企業と中小企業の社員とでは、生涯年収で1億円の差がある。昔も、今も、これからも、学生と親の大企業志向は変わらない。

数十年前、私の就活も大企業のみだった。学校を出て、一部上場の超大企業に就職が決まった。人生に勝ったと思った。ところがサラリーマンでことごとく失敗。転職のたびに会社の規模が小さくなった。

30歳の4社目で中小企業へ転落。
32歳で起業。だが、1年持たずに廃業。
33歳でまさかの借金を1億円背負い、36歳で2度目の起業。

失敗続きの人生なら、その失敗をなんとか生かせないか。そんな思いもあり、中小企業の社長を集めて勉強会を組織した。自分は成功していないので、成功者を呼んで話を聞いたり、成功事例をかき集めたりして、中小企業の社長たちと一緒に学んだ。

成功をつかんだ人たちの話は確かにすごい。知恵は回るし、行動力もあるし、オーラもある。だけれど、その人と自分とは能力もキャラクターも違うし、まねできないのではないか。すごいと思う半面、あきらめ感もあった。

そんな時、経営コンサルタントの竹田陽一と出会った。福岡の経営者の間では、ちょっとした有名人だ。彼からランチェスター経営の話を聞き、これまで成功者から聞いた話が一気につながった。目からうろこが落ちた。

本書の監修者、竹田陽一は、中小企業の経営戦略コンサルタントとして活躍するランチェスター経営の専門家だ。従業員30人以下の中小企業に向けに、ランチェスター法則に基づいた商品戦略・地域戦略、営業戦略・財務戦略など経営の各分野を網羅した「経営戦略教材」(DVD・CD)を約200巻制作するなど、本来軍略であるランチェスター法則を企業経営に応用した先駆者の一人である。

その教材を題材にした勉強会や、セミナー・講演会も含めると、この40年でのべ十数万人が参加し、竹田式ランチェスター経営を学んだ。私は竹田陽一に弟子入りし、その後は主に成功事例の取材や講演活動を行っている

2002年、竹田陽一とビジネス書『小さな会社☆儲けのルール』を出版した。中小・零細・個人事業主向けなので、内容もダサい。事例も無名企業ばかりだ。ところが、実売10万部突破のヒットになった。

あれから15年近くたち、内容を全面的にアップデートしなければと思い立ち、執筆したのが本書だ。

15年前よりも今のほうが、中小・零細企業は元気がないように感じる。まだ、竹田式ランチェスター経営を知らない人に、何とか本書を通じて「弱者の正しい勝ち方」を届けたいと思っている。

» 小さな会社の稼ぐ技術[Kindle版]


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