4/20に上梓した『「手帳ブログ」のススメ』のキーワードの1つに「発見」があります。自分で書いた文章でも、人は忘れる生き物なので、時間がたてば忘れます。そこで、時間をおいて自分のブログを読み返すことによって、「へぇ?こんなこと書いてたんだ!」という発見の形で思い出すわけです。
「ちょーちょーちょーいい感じ」の保田さんも以下のように書いていますが、
私のブログにも画面右上に検索窓がついていますが、この検索窓を一番活用しているのは私自身ですね。「過去にあんなこと書いたよな?」と思いながら検索して、「あ、あったあった」と見返して、そして日々の行動につなげているところが多々あります。
このように「確かこういうことを書いたはず」という断片的な手がかりさえあれば、過去の自分の思考をたぐり寄せることができます。そこには、記憶と違って正しい手がかりさえあれば間違いなく見つけ出すことができる、という安心感があります。
ブログに書くことというのは、その日にあったさまざまな出来事の中から選び出されることが多いでしょう。すべての出来事について書くことは事実上不可能ですので、ブログという形で記録されることというのは、無意識ながらも自分で「これは書いておきたい」と思って書いていることと言えます。
そういった、選り抜きのあれこれというのは、自分の未来にとって少なからず意味を持っているはずです。もちろん、他愛のないことをつらつら書くことで得られる癒し効果を得るというスタイルもあるとは思いますが、そのようにして書かれた内容であっても、それを読み返すことで、当時の自分が置かれていた状況や心理状態を思い出すためのきっかけにはなるでしょう。
そんな中で、いただいた下記の『「手帳ブログ」のススメ』についての書評は、自分で書いておきながら「なるほど」という新しい発見のきっかけになりました。
「最近、想うこと・感じること」: 「手帳ブログ」のススメ
ブログを書き続けるためには、自分に興味や関心のあること、楽しく書けるテーマを選ぶことが重要なのだが、その前にひとつ確認しておかなければならないことは、そのテーマについての「ゴール」を考えておくという視点が大事であるという。人はブログを書き続けることで、一体なにを達成したいと思っているのか ―― 単に惰性で書き続けるのではなく、そもそも「何故自分はブログを書いているのか?」を、折に触れて思い出すようにすること。鍛えたい部位の筋肉に意識を集中させるかのように、書く目的を意識するように努めることで、自然とヤル気がみなぎってくると語る。
実は、この一節を読むまで自分で「テーマのゴールを設定する」ということについて、すっかり忘れていました。「4行日記でブログを書く」とか、「読み返す」といった主だった柱については脳内でアクティブな状態になっていた、つまり人に語れる状態になっていたのですが、「テーマのゴールを設定する」ことについては、意識下に沈んでいました。
もちろん、自分で書いた本を読み返せば間違いなく思い出すのでしょうが、どんどん増えていく積ん読本を前に、なかなか手が出ません。そこで、日々いろいろな方が書いてくださっている書評(ブログ)には必ず目を通すようにして、そこに書かれている「発見」を通して、本を書いたときの自分の発見を振り返りつつ、その方自身の発見を追体験しています。「なるほど、自分の書いたことはこのように受け止められているのか」という気づきとともに「こういう捉え方もあるのか」という意外な発見があります。
そして今回のように「こんなこと書いたっけ?」と一瞬ドキッとしてしまうようなこともあります。
考えてみると、これは何も書籍に限った話ではなくブログ同士でも起こりうることでしょう。書いたことも忘れていたようなエントリーを第三者に引用してもらうことで、「そういえば、そういうことも書いたっけなー」という「掘り返し」効果が生まれるのです。
自分で定期的に読み返すことによって、言わば強引に「発見」を引き出すという必然の再会とは別に、今回のように人に「発見」を促してもらうという偶然の再会があるのもブログの醍醐味なのだと改めて実感しました。
自分で書いた本をススメ返されたような感じです。「最近、想うこと・感じること」さん、ありがとうございます!