普段、私は現代の便利な文房具ばかり見たり買ったりしていますが、こういう世界もあるんですね。明治、大正、昭和の文具のかたちやデザインの可愛らしいこと!鉛筆、消しゴム、ノートなど、基本的な文具でも、パッケージや表紙が凝っていて、年季の入った様子を眺めているのは面白いです。アンティークには興味がなくても、文具が好きな人なら、「これ欲しい!」と思ってしまうレトロで味のある文具ばかりが揃っています。
» 古き良きアンティーク文房具の世界: 明治・大正・昭和の文具デザインとその魅力
私が特に目を引かれたのは、なぜか、「画鋲」たちです。今では、画鋲を使う機会そのものがめったにないのですが、繊細なエンボス加工が施された画鋲の頭がずらっと並べられた写真を見た瞬間、「わあ!」と歓声をあげてしまったほど、なぜか目を奪われてわくわく感があふれ出してきたのです。子供のころ、牛乳瓶の蓋を集めていたことがあるのですが、それに似た感じがしたからでしょうか。
そもそも、画鋲の頭が無地のものか、プラスチックの動物などのものしか使ったことがないので、ゴールドやシルバーの頭に、コインのように加工がなされた画鋲があること自体知らなかったのですが、それが並べられている様子は、とても美しいです。
また、古いタイプライターを見ると、小さい頃からそわそわしてしまうほど、憧れが強いのですが、そのタイプライター用の消しゴムというものがあることも、本書で初めて知りました。その形も、とても可愛いものなので、タイプライターと専用消しゴムの組み合わせで使ってみたかったなあと思います。
なにか、小さい頃の憧れを思い出させてくれる本でもあります。
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▼海老名久美:
フィーリング重視のテクニカルライター。個人ブログは「SPEAQ」。
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