確かにその通りだと思います。
これは、本を読んだりセミナーを受けても、そこで得た知識を実践に活かさないと意味がないですよ、ということでもあります。
行動を起こすのは、しかし、簡単なことではありません。
わかっちゃいるけど、なかなかできないのです。
実は、行動を起こす前にしておいたほうがいいことがあります。これをしておけば、行動を起こしやすくなるのです。
でも、それについて言及している例は少ないと感じます。
その少ない例の1つが『全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』に載っていました。
行動を起こす前にしておいたほうがいいこと
資料の整理がうまくいっているかどうかを決める一つ目のポイントは、行動の必要があるものとそうでないものがきちんと分けられているかどうかである。(p.239)
ちなみに「二つ目のポイント」は「その情報をどう使うかを考慮し、どこでどのように保存すればよいかを判断すること」。
まとめると、
- 行動の必要があるものとそうでないものとをきちんと分ける
- その情報をどう使うかを考慮し、どこでどのように保存すればよいかを判断する
つまり、大量にある資料(知識)の中から、行動の対象となるものをピックアップすることが先決、というわけです。
至極当然のように思われるかもしれませんが、「行動を起こさなければ!」と考えるばかりではなかなかうまくいかない、行動を起こすための最初のアクションを具体的に認識する必要があるわけです。
行動を起こすことは、どこか旅行に出かけるときのプロセスに似ています。
- どこに行くのか(目的地)
- どのように行くのか(経路)
という2つを明確にする必要があるのです。
パンフレットやガイドブックを大量に集めても、目的地を決めないと絞り込めません。
目的地が決まっても、経路が決まらないと手配を始められません。
行動を起こす場合も同様です。
本やセミナーなどを通して、ある程度の情報を集められたなら、その中から自分が行動を起こす必要がある部分を切り出し、残りは捨てる、という「前処理」が最初のアクションになります(捨てることに抵抗を感るなら、一時的に見えなくするだけでもいいでしょう。例えば、「いつか読む」といった名前のフォルダをつくり、ここに振り分けるとか)。
そのためには、自分にとって必要な情報とそうでない情報を選り分けられるようにするための選定基準を明確にすること。
そのためにはどうすればいいか?
次の質問に答えることです。
- いま、自分が不満に感じていることは何か?
選定基準はズバリ、この不満の解消につながるかどうか、です。
この不満を日頃から言葉で明確に定義できていれば、判断基準がクリアになり、大量の情報に接しても、その中から自分に必要な情報を素速くピックアップでき、その結果、行動を起こすのも早くなるはずです。