お母様が書いた「はじめに」によると、「1年かけてコツコツと文房具の事を綴り、夏休みの自由研究として学校へ提出した図鑑」なのだそうです。
Amazonの箱を開けた瞬間、「わあ、すごい!」と思わず声に出してしまった本など、そうそうないのですが、この『文房具図鑑』は、表紙からもう、文具好きなら笑顔になってしまう楽しい本なのです!「本にしたい」と思うのも納得。
「はじめに」に続くページに、手書きの「本書の使い方」があるのですが、「「芯」という字がまちがっています。」とか、「もしその文具をかって使い心地がわるくてもせきにんはとりません!!」とか、とても可愛らしい!何十冊もの本の出版に関わってきましたが、これほど読みたくなる「本書の使い方」はいまだかつてないかもしれません。だいたい、読み飛ばされやすいページだと思っていますし。
文房具の解説がいいとか絵が面白いなどの感想は、この本には不要ですね。ときどき、おじいさんみたいな口調だったり、かなり上から目線だったりするのも面白おかしくて、思わず声を出して笑ってしまいます。そこは、じっくり読んで楽しんでいただくとして、本として素晴らしいのは、健太郎さんが紹介している文具について、各メーカーからのコメントが載っていることです。
コメントは、健太郎さんが誤解していると思われることについての補足説明や、目の付け所の素晴らしさに感心するもの、お勧めの使い方など、多岐に及びます。本文と合わせて読むことで、知らなかったことを一緒に知ることができて、とても勉強になります。
また、巻末の「特別付録」にある、家族、お友達、先生からのメッセージ(手書きのものもある)は、皆さんの心が感じられてこちらまで温かい気持ちになります。
これはもう、数年後に第2巻を読んでみたいので、健太郎さんにはぜひ図鑑の続きを書いていって欲しいです。
▼海老名久美:
フィーリング重視のガジェッターでライターで翻訳者。「SPEAQ」の中の人。
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