前日に発生した伝票をすべて仕分けるようなもので、これがデイリーレビューの中核となります。TaskChuteやたすくまのログもすべてEvernoteに集約されており、紙の手帳やメモ帳はいっさい使っていないので、Evernoteだけをレビューすれば事足ります。
日々さまざまなタグ付けを行いますが、中でも重視しているのが「新しく始めたこと」に付けるタグ「.New」。
ノートを見返しながら「これは新しい!」と感じたものにはもれなく付与しています。たとえば、以下のようなものです。
- 新しく始めた習慣
- 新たに使い始めたアプリ
- 新たに発見した(気づいたこと)こと
- 初めて(試しに)やってみたこと
- 始めた入ったお店
一言でいえば「とりあえずやってみたこと」はたいてい「.New」が付与されることになります。
何が分かるか?
レビューの機会は最低4回あります。
- 1回目は、前日のデイリーレビューで、最長24時間以内に見返したタイミングで該当する内容なら「.New」が付与されます。
- 2回目は、週に一度の週次レビューで、直近7日間で「.New」のついたノートを見返します。
- 3回目は、月に一度の月次レビューで、前月で「.New」のついたノートを見返します。
- 4回目は、年に一度の年次レビューで、一年間で「.New」のついたノートを見返します。
あとは、ふと気になったときに見返します。
回を重ねるごとに、印象が少しずつ変化します。特に週次以降は変化が顕著で面白いです。
- 今も続けてる!
- そうそう始めていたんだった。
- もうやってないなこれ…
時間がたてばたつほど忘却も激しくなるので、「始めたこと」を忘れているものが増えてきます。そこで、レビューをきっかけに思い出すことができます。
もし、すでに熱が冷めてしまっているなら潔くやめますし、別の形で継続できそうなら、新たにノートを作り直すことで再始動ができます。発展的解消の促進です。
あるいは、その後に始めた別の「.New」とのあいだに関連性が見いだされれば、「あ、これは最近始めたあれと組み合わせたら面白そう」といった展開が期待できます。セレンディピティの誘発です。
すでにやっていないものについては、「.New」を外します。試用期間の満了です。
続けた先に何が得られるか?
「とりあえずやってみる」のは簡単ですが、数が増えると管理できなくなります。お手玉の数を増やすようなもので、必ずいくつかを取りこぼすことになるでしょう。
自然に任せて“生き残った”試行だけを続けるのもいいのですが、定期的にレビューして“生きながらえさせたい”と感じた試行を選択的に続けるようにする。こうすることで、人生の“軌道”を少しずつ変えることができると考えています。
この軌道修正こそ、このレビューを続けている目的といえます。
関連書籍:
倉下忠憲さんの以下の本、Evernoteを使ったことがある方でも、もしかすると「え、これ本当にEvernoteの話?」と訝るかもしれません。それくらいマニアックに踏み込んだEvernoteの使い方が紹介されています。単にEvernoteの使い方にとどまらない、Evernoteというツールのとらえ方が変わる、もっといえば、あらゆるツールのとらえ方を見直すきっかけを提供してくれる一冊といえるでしょう。
» Evernote豆技50選 (Espresso Books)[Kindle版]