日々のスケジュールを作っていると(=やるべきタスクをリストアップして作業する順番に並び替えていくと)、毎日繰り返し行うタスクがあることに気づきます。
例えば、メールチェックは、どんなに忙しくても行うものですからタスクリストには必ず入れておきたいタスクと言えます。であれば、わざわざ毎日登録しなくても、自動的に登録されるようになっていれば便利なのではないか、と考え、その機能を追加してみました。
通常、タスクはそれが完了するとそれで役割を終えますが、もし翌日も同じタスクが行われるのであれば、完了したタイミングで翌日に複製されるようにすれば良さそうです。
そこで、繰り返しタスクについては、タスク名の末尾に (repeats) というキーワードを付けておき、完了したときにこれが付いているタスクについては、自動的に複製されるようにしてみました。
例えば、以下は「メールチェック(repeats)」というタスクの終了時刻を入力しようとしている画面です。
入力を確定すると、以下のようなダイアログが表示されます。これは、タスク名の末尾に (repeats) というキーワードが付いている場合のみの挙動です。
ここで、OKをクリックすると、このタスクは翌日に複製のうえ先送りされます。
デフォルトは1日後ですが、本日起点の経過日数もしくは先送りしたい日を指定することで、先送りする日をコントロールすることができます。
メールチェック以外でも、毎日欠かさずやりたい習慣的なタスクを「繰り返しタスク」として設定しておけば、どんなに忙しくても、このタスク管理ツールに沿って仕事を進めている限りは確実にそのための時間が確保されるため、モレがなくなりそうです。
もちろん、業務の優先度により「今日は“休み”にしよう」という判断をすることもあるでしょう。その場合は、単純に日付を翌日に変更すれば良いことになります。
一方、毎日必ずやらなければならないようなタスクの場合は、先送りすると明日以降に積み残されることになります。つまり、翌日以降の時間を一部差し押さえすることになります。
例えば、「日報作成(repeats)」という毎日行うべき繰り返しタスクがあった場合、これを先送りしてしまうと、本日の分が失われてしまいます。そこで、本来なら今日行うべきだが、今日はもうできないので明日やることにする、と判断した場合は、
1.「日報作成(repeats)」を複製する
2.複製した一方の(repeats)を解除する
3.2のタスク名を「昨日の日報作成」に変更する
4.この2つのタスク「昨日の日報作成」と「日報作成(repeats)」の日付を翌日に変更する
という手順で、「明日の自分」に申し送りすることができます。いちいち上記の手順を踏むのは一見面倒なように見えますが、実はそこがポイントです。もし通常通りその日のうちに「日報作成」を完了させることができれば、何もしなくても済むところを、先送りする場合は面倒な手順を踏まなければならない、というペナルティーが生まれるわけです。
このペナルティーがあるおかげで、何とかその日のうちに完了させよう、という意気込みが生まれます。こういった一連のスケジュール調整作業は、仕事の進捗に貢献しない純粋なコストにしかならないからです。
もしまったく調整作業なしで1日を乗り切ることができれば、恐らく何とも言えない静かな感動に包まれることでしょう。この感動は、「スーパーマリオ」をノーミスで、しかも一度スーパーマリオやファイアーマリオになったら、その後はずっとチビマリオになることなくクリアできた時と似ているかも知れません(たとえが古いですが…)。
もちろん、途中で「1upキノコ」を取ってマリオの“バッファ”を増やしたり、チビマリオになっても再びキノコを取れば立て直しは可能ですので、とにかくクリアすることが優先課題であることには変わりません。
ここで言う「1upキノコ」は、こちらでご紹介した「キャンセルは可能な予定」に当たります。また、「チビマリオになっても再びキノコを取れば立て直しは可能」という状況は、例えば、午前中の仕事で遅れが発生したとしても、ランチの時間を使って取り戻すような場合に似ています。
ところで、いま作っているタスク管理ツールに「TaskChute(タスクシュート)」という名前を付けることにしました。「ダストシュート」の「シュート」です。滑降路とか急流といった意味で、タスクを一列にならべて一直線に片付けていく、というようなイメージを込めています。