SH005:仕事を早く終わらせたければ、熟考と実行を分ける

カテゴリー: タスク管理



仕事をスピーディーに片付けるコツは、熟考と実行を同時に行わないことです。

気合いを入れたり、やる気を出したり、集中力を発揮したり、といったことをしなくても、熟考と実行を分けておくだけでスピードは上がります。

そもそも、気合い・やる気・集中力はいずれも意のままにできるものではありませんから、これに頼ることはできません。

では、熟考と実行を分けるとはどういうことか

それは、次の2つを分けて行うということです。

  1. やるべきことをやるべき順番にリストアップする(熟考)
  2. リストに書かれていることを一番上から順番に取り掛かっていく(実行)

これはプログラミングにたとえるとわかりやすいかもしれません。

実現したい機能がまずあって、そのためのプログラムコードを書いていきます。

書き終えたら、このプログラムを実行させます。

プログラムに誤りがなければ、思い通りの機能が実現できるでしょう。

プログラムに無駄な繰り返しや冗長な記述がなければ、よりスピーディーに実行できるはずです。

いわゆる「サクサク動くアプリ」は、それだけ巧く書かれている、すなわちプログラミングという「熟考」の段階で考え抜かれている、といえます。

もちろん、現実にはさまざまな突発事項がありますから常にプログラムに書いた通りの順番に実行できるとは限らないでしょう。

それでも、プログラムというレールがあるおかげで、そこから外れるようなことがあっても、レールを頼りに復帰することができます。

やればやるほど早くなる

プログラム(program)には「式次第」という意味があります。卒業式や結婚式などの段取りのことです。式次第がきちんと決まっていれば、混乱することなく時間通りに滞りなく式を執り行うことができるでしょう。

これに加えて、プログラムの良いところは、一度作ってしまえば、繰り返し使えることです。考えるのは一度だけで済むのです。

人が専門家に仕事を依頼するのは、彼らが繰り返し実行してきた、実績のあるプログラムを持っているからです。自分でやるより、彼らのプログラムに任せた方が早くて確実です。

差が付くのは「スピードの速さ」ではなく「スタートの早さ」

「あぁ~やらなくちゃ~」と思っていても、なかなか取りかかれないとしたら、それは「スピード」の問題ではなく「スタート」の問題ということになります。

つまり、スピードを速める方法ではなく、スタートを早める方法が、スピードアップにつながるのです。

たとえば、以下は僕自身が使っている「セミナー準備」という“プログラム”の一部です。



使用しているASPサービスの用語などが含まれているため、わかりにくいところがあるかもしれませんが、要は、セミナーを開催することになったら、すかさずこのリストをEvernoteから取り出してきて、上から順番に書かれていることを一つずつ淡々とこなしていけば、考えることは最小限で、仕事(=セミナー開催の準備)が完了する、というものです。

事前にやっておくべきことや具体的な作業内容を、最適な順番で漏れなく並べているので、短時間で確実に仕事を終えることができます。

この順番で手を動かせば必ず終わることがわかっているので、取り掛かるのを億劫に感じることもありません。つまり、早く始められるのです。

セミナーを繰り返し行う中で、このリストもブラッシュアップさせていますから、回を重ねるごとに洗練されてきています。

このリストはいわば「熟考」の結晶といえます。「実行」する時には一切考えることなく熟考の成果だけを引き出すことができるのです。

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