購入以来、いつでも持ち歩くようになったiPad2。たくさんのアプリがあるので、使い方もまた多様です。
ある人はパソコンの代わりに作業メインで、ある人は画面の大きいiPod Classicとしてビュアー代わりに、と導入するアプリによって、いろいろな姿を見せてくれます。もちろん、どれが正解というわけではなく、そういう多様なニーズに応えられるというのがiPadの魅力です。
しばらく運用してみて、私の中でのiPadの位置づけをじっくりと考えてみると、その答えは「デジタルな文房具」ということになりそうです。もちろん電子書籍のビュアーとしても便利なツールではありますが、それよりも「手書き感覚」の操作性で使えるデジタルツールとしての存在感が大きくなっています。
今回は、その「デジタルな文房具」の用途として、私がいろいろ試している発想補助系のアプリについて紹介します。具体的なアプリの紹介はまた別エントリーで書くことにして、今回はそれぞれのカテゴリーの紹介だけに留めておきます。
「手書きノート」系アプリ
iPadを使うならば、このタイプのアプリはぜひ入れておきたいところ。100%ではないにせよ、アナログノートの代わりをこなしてくれます。
文章を書き上げるのであれば、エディタ+キーボードの方が早いかもしれませんが、アイデアを書き付けたり、図解を合わせるような場合は「手書き」の方が便利です。
「手書きノート」系のアプリは、手書きの良さを維持しながらも、スキャナを使わずにEvernoteにデータを送信できる、というメリットがあります。ハイブリットな感覚ですね。
このタイプのアプリもたくさんあるのですが、今のところ私がよく使っているのが
iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥600
更新: 2011/06/22
というアプリ。
こまかい特徴は別エントリーで紹介しますが、手書きだけではなく、レイヤー的にテキスト入力も併用できるという点が魅力です。
一点補足を入れておくと、このタイプのアプリを使う場合、スタイラスペンを持っておいた方がよいでしょう。ペンにも多数のバリエーションがありますが、書きやすさ、持ちやすさ、という点が重要だと思います。この辺はアナログツールと同じような感覚ですね。
「マインドマップ」系アプリ
発想系ツールとして一つの定番になりつつある「マインドマップ」。この手のアプリも一つぐらいあれば便利です。
実際の所、大半のアプリは正式なマインドマップではなく「マインドマップ」風のものです。が、それでもテキストで書き出していくのとは違った感覚で、頭の中を整理していくことができます。
今のところ、私がよく使っているのが、次のアプリ。
iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥800
更新: 2011/02/15
操作感覚がストレートなので、大きな戸惑いなく使い始められます。あと、デザインの雰囲気が非常に柔らかいですね。機能的にはもうひとがんばり出来そうな印象を受けますが、簡単な書き出しならこれぐらいの機能で十分です。
「付箋」系アプリ
最後が「付箋」系のアプリ。アイデア出し、あるいはその整理に「付箋」や「カード」を使っておられる方も多いことでしょう。それをiPad上で実現できます。
付箋への記入は「テキスト入力」のものが大半です。それを指で操作__あっちにやったり、こっちにやったり__して、アイデアの配置換えを行います。これがなかなか楽しい。ちょっとしたゲーム感覚でアイデア創造が行えます。テキストをじーっとにらんでいるだけだと、なかなかこうはならないでしょう。
また、アナログツールと違って「後片付け」も手間がかかりません。「付箋とか、カードとか面倒・・・」という人でも気軽にチャレンジできます。その分、付箋のバリエーションはそのアプリが提供しているものに限定されます。このあたりは一長一短ですね。
今のところ、自分の中で「決定版」と呼べる付箋アプリはありませんが、よく使っているものとして
iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: 無料
更新: 2011/06/07
というアプリがあります。
機能はとてもシンプルですが、必要最低源のものは押さえられています。現状2枚のボードまでは無料で使えますので、試しに使ってみるのも良いかもしれません。
一度、この手のアプリを使って自分のアイデアを「カード化」し、それを操作する体験をしてみると、その「楽しさ」がわかると思います。そこからKJ法を紹介している「発想法」などを読んでみるのもよいかもしれません。
さいごに
今回紹介した3つのタイプのアプリは、さまざまな種類が発売されています。今でも、かなりアプリ代で「散財」していますが、「全てのアプリ」を試せているわけではありません。それでも、少しずつ「使いやすいアプリ」というのが見つかりはじめています。
今後は、そういった「知的生産」に使えるアプリの紹介なども連載の内容に加えていきたいと思います。
▼参考文献:
KJ法について詳しく知りたいなら、この一冊で。
▼今週の一冊:
集団と個の関係性は、いつの時代でも社会が抱える問題です。この本の帯には「7割は休んでいて、1割は一生働かない」という文章が、表紙は、仕事中に一服しているアリの姿がありますが、決して「働かなくてもOK」を肯定してくれる本ではありません。
「社会」を持つ昆虫は、どのようなメカニズムでその社会を構築・維持しているのか、というお話です。組織論として読める部分もありますが、単純に「社会というのはいろいろな形態があるのだな」という部分で楽しめる一冊です。
私たちが普段目にするアリは頑張って「働いて」いますが、すべての個体を観察するとそうではないようです。それでもその「社会」がうまく機能している理由というのは興味深いところです。
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ちょこっと告知を。7月2日に梅田で飲み会をやります。「「FACEBOOK・TWITTERで実践するセルフブランディング」飲み会」。イベントではなく、単なる飲み会です。ご興味ある方はぜひに。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。