家の中の大掃除を進めると共に、情報環境の大掃除も進めたいところです。
RSS・フォロー
購読しているRSSの量は適切でしょうか。あるいは、ドメインの所有者が替わって怪しげな更新が流れてきていないでしょうか。ぜひともRSSの登録を見返しましょう。
同じようにSNSのフォローも再確認しておきましょう。一年間でたくさんフォローしていて流速が速くなっているなら一度ペースダウンした方がいいかもしれません。フォローを解除するなりリストに切り出してみるのがよいでしょう。
最近では、Substackという新しいサービスも普及しており、メール周りの通知も再設定しておくのが吉です。あきらかに不要なメールがごっそりこなくなるだけで、日常がかなり快適になること請け合いです。
サブスクリプション
非常に現代的な問題で、極めて厄介な問題でもあります。さまざまなツールやメディアがサブスクリプションに移行するなかで、十分にそれらを体験するにはサブスクリプション契約をするしかないのですが、最初契約して以降は「お金を払っている」という感覚がなくなるので、気がつくと契約数が膨れ上がってしまう恐れがあります。
一度自分が契約しているサービスのリストを作り、合計金額を計算したう上でこの状態で良いのかを検討してみるのが良さそうです。
常用ツール
ツールって、無料のものは取り合えずダウンロードして試すのですが、それが続くとは限りません。というか、たいていは何度か使ってそのまま、というものが多いでしょう。
パソコン内のファイルを見返して、もはや使っていないツールは削除しておきましょう。必要になればまたダウンロードすればいいだけですし、そのときダウンロードできなくなっているツールは継続的には使えないということなので諦めもつきます。
同様に、とりあえずアカウントを作ってみたけど使わなくなったWebツールも、不要であればアカウントを削除しておくとよいかもしれません。
更新メディア
インプットだけではなく、アウトプットも情報環境に含まれます。
自分が更新しているメディアを見返して、このまま続けるのかどうかを一度検討してみましょう。これも一度全体のリストを作って、一覧するのがポイントです。
情報を発信することは大切ですが、しかしそこには時間という見えないコストがかかっています。それをする時間があるならば別のこともできるわけで、一つひとつの体験がわずかでも価値があるからといってすべてを継続させることが賢明とは限りません。
どうするかはともかくとして、一度「どうするか」については落ち着いて考えてみるのがよいでしょう。
プロジェクト・ネタ帳
更新しているメディアを確認したら、ついでに着手している(あるいはしようとしている)プロジェクトについても見返しましょう。「これって、来年も続けるのかな」を考えるのです。
同じレベルで、ネタ帳に溜まっているネタを整理してみても良いでしょう。時間が経って古くなってしまったもの、現在の自分の興味関心と合わなくなっているものもがたくさんみつかると思います。それらをまるっと削除するなり、別のノートやらファイルやらノードやらページやら項目下に移動させておきましょう。紙の手帳が新しいページを用意してくれるように、デジタル情報環境では自分で自分のための「新しいページ」を準備する必要があるのです。
さいごに
最後の二つは、コミットメントの整理だとも言えます。人によっては、コミットメントは無自覚に増えていき、最後には手に負えない量になります。私はそれをコミットメントのゴミ屋敷現象と呼んでいます。よって、意識的・定期的にそれらを断捨離しておくことが必要です。
さらに言えば、上記のような話は時間の使い方として見返してみる手もあります。自分がどんなことに時間を使っているのかを振り返ることで、時間やお金の分配が適切かを考えるわけです。
そのためにはその記録が必要なのですが、存外に私たちはそれを持っていません。何か特別なイベントに関する記録は作っても、日常の記録は(それが当たり前であればあるほど)作らないものです。
だからこそタスクシュートのような全方位の時間・行動記録ツールは役立ちます。サブスクリプションのように私たちにとって「当たり前」になり、いつのまにか増えてしまっているものを可視化するのに役立つのです。
ではでは、よいお年を。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。