名前の通り、Webページをクリップするためのブラウザ拡張機能です。
基本的な動き
操作は簡単。
クリップしたいページで、「Workflowy Web Clipper」のボタンをペシッと押すだけです。
カーソルがある位置にそのページへのリンクが挿入されます。形式は、単なるURLではなく、ページのタイトルがリンクになっています。
もし、ページ上で選択しているテキストがある場合は、ページタイトルの項目の下位に、そのテキストが追加されます。きちんと引用であることがわかるように、引用符で括られているのが小気味よい気配りですね。
クリップして終わりじゃない
で、このWebクリッパーは、ページを取り込んだ後も画面上に残っています。地味にこれが大切です。
EvernoteのWebクリッパーの場合、コメントの追加機能などはありますが、取り込みが終わればそのまま終了します。
それに対して、「Workflowy Web Clipper」は画面上に残っており、しかもそれが「小さい窓で表示してあるだけの通常のWorkFlowy」なので、そのまま操作できてしまうのです。
つまり、引用した部分について自分なりにコメントを書き足していったり、別の場所から項目を移動したり、別の場所に項目を移動させたりできるのです。
情報を操作できるわけですね。言い換えれば、「保存して終わり」になりにくい構造になっています。この点はかなり大きいですね。
ブラウザの他の部分を操作すれば、WorkFlowyのウィンドウは消えるのですが、むしろこれは「一時的に見えなくなる」くらいの方がいいのではないかとすら思います。
つまり、このままウィンドウがずっと残っていて欲しい、とこのWebクリッパーを使ってみて感じました。
情報と補佐情報
ブログを読んだり、Webツールに保存した情報を見返したり、Webツールで何かを入力したりといった作業をしているときにも、アウトライナーは便利に使えます。
すべての情報操作をアウトライナーだけで完結させている人ならばともかく、そうでない人にとってアウトライナーはときに主役のツールであり、ときに補佐役のツールであるでしょう。
で、補佐役のツールは、常に他の(主役)ツールを使っているときに機能を発揮します。言い換えれば、別のツールを開いているときにも、アウトライナーは開いておきたいのです。
もちろん、二つのツールを開き、交互に移動すれば(表示を切り替えれば)難なく使えるのですが、今回「Workflowy Web Clipper」を使っていて感じたのは、「同時に開いておけるともっと便利」ということです。
どんなツールを使うにせよ、情報を画面いっぱいに使うということはないでしょう。「Workflowy Web Clipper」くらいのウィンドウサイズ分くらいの「余地」はどこかにあるはずです。
で、そこにこのウィンドウを開いておくと、いつでも思いついたことを書き留められますし(それはいつでも考えられるということでもあります)、書き留めた情報を参照することもできます。アナログで言えば、大きな手帳を開きながら、横でも小さなノートを開いているような感覚が近いでしょうか。
もちろん、ウィンドウ型で起動しているアプリケーションは複数並べられるわけですが、どうしても情報的にごちゃごちゃしてしまいますし、タブとかアクティビティバーとか余計な情報も増えてしまいます。
一つのツールの中で、自然に二つ以上の情報を開ける。そして、そのうちの少なくとも一つは「自分で記入できるツール」になっている。それが、知的生産環境において望ましいのではないでしょうか。
その点から考えても、まだまだ使いやすいツール環境は改善できる気がします。
WorkFlowyに限らず、ブラウザの拡張機能で開きっぱなしにできたら便利なツールってもっとたくさんあるでしょうから、その辺の開発に期待したいところです。
▼今週の一冊:
タイトル通り書くのがしんどい人のためのノウハウ集です。本書を読んで文章が楽に書けるようになるとは思えませんが、少なくとも「書くこと」について気楽に考えられるようになれそうです。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。