キツネの負け惜しみ、というお話です。
あれほどではないにせよ「認知的不協和理論」も心理学界ではきわめて有名です。
- あの葡萄はおいしい
- 私はあの葡萄をあきらめた
これではあまりに不快なので
- あの葡萄はすっぱい
といった認識に、変更するのです。
見逃せない事実として、このような認識の変更は、決して「そう思うことにしている」といったレベルに留まらず、本当に葡萄はすっぱそうに感じられるようになるのです。
人間というのは、自分のとった行動や結果に、認識との整合性を取ろうとするのです。
したがって、仕事や作業を大変そうだとか終わりそうもない、などと考えるべきではないのです。
ましてそれほど大変そうでもなかった仕事を「先送りする」など、避けるべきです。
なぜか?
先送りすることが仕事を難しくしてしまう
先送りされた仕事は、最初は「簡単そう」であっても、先送りしたという事実のせいで、簡単ではなくなってしまうからです。
- すぐに終わる簡単そうな仕事
- その仕事を先送りした
というのでは、つじつまがあわない。なぜ自分はそんな簡単そうな仕事を先送りにしたのか?
- 仕事が大変だから
- 自分は無力だから
この種の認識を持ってこないと、整合性がとれなくなります。しかしまさにこういう認識を採用することになるからこそ、このあと、先送りが続いてしまうでしょう。
葡萄がすっぱくなってしまうのと同じく、こんなようなことが、しょっちゅう起きているのです。
仕事は簡単であるから、すぐに終わるということにしておくべきです。
それも、ただそのように「思うフリ」をするのではなく、深く考えもせずにさっさと手がけてしまうのがいいのです。
そうすれば、「深く考えもせずにさっさと手がけるような仕事ってどんな仕事か?」ということになります。
まぎれもなく、
- 簡単な仕事である
- 自分はとても有能である
と認識するほかない、ということになるはずです。
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50冊以上の書籍を出版している佐々木正悟と、執筆家であると同時に雑誌や書籍の編集経験もある倉園佳三が講師を務めます。
執筆と編集のスキルを併せもつ2人だからこそ、文章を書くためのスキルはもちろん、本というメディアを創るのに欠かせない、さまざまなノウハウをお伝えできるのです。
講義をとおして編集目線の本格的な「赤入れ」(校正)が経験できるのも、「書き上げ塾」の大きなメリットのひとつです。