習慣化の本なのですが、この本で一貫して申し上げたかったことがあります。
習慣に関しては、もっと報酬を意識するべきだということと、報酬がからむから悪癖から脱するのがこんなに難しいのだという点です。
「代わりとなる報酬」が絶対不可欠
ダイエットというのは習慣問題の代表的課題の一つです。
ダイエットが難しいのは、ダイエットをすればするほど報酬としての食事がひときわ輝いてしまうところなのです。
お腹を空かせればすかせるほど、食べることが愛おしくなってしまうのです。
早起きというのも、やはり習慣問題の代表的課題ですが、これも夜更かしという悪習が深く関わっています。
早く起きれば起きるほど、二度寝が気持ちよくなり、二度寝のような時間の使い方は、つまり人を宵っ張りへと導くのです。
私たちは、「気持ちよさ」を軽んじすぎています。「気持ちがいい」ということには意義もへったくれもないのであり、気持ちがいいから気持ちがいい。気持ちがいいからそれをする。というだけで十分です。
寝不足だから二度寝がとても気持ちよくなり、空腹だから暴食が気持ちいい。人は気持ちのいいことが大好きであり、それがクローズアップされてしまえば、目標だの、習慣化だのはたわごとになります。
習慣化には、悪習慣からの脱出を「セット」にしなければならず、そのためには「代わりとなる報酬」を予め徹底的に用意しておかねばなりません。
ダイエットするなら、激しい空腹に陥るのはタブーであって、「少々の空腹を忘れられるような代理報酬」を用意しておくべきなのです。
こういうことをひっくるめて「習慣化のための連鎖反応」というテーマで書いたのが、今回の本です。