こうなると困るのがメモです。何か思いついたことがあっても、書きつける場所がないと脳内メモリがオーバーフローしてしまいます。
そこで、ひさびさにアナログのノートを暫定的ながら、本格的に使ってみることにしました。
サイズ選択
普段は「デジタル主、アナログ従」であり、アナログノートを使うときはアナログノートだけを使うので、大きく広げられるB5かA4サイズの綴じノートを使っているのですが、今回はパソコンを使いながらノートに書き込むような状況がありえるので、B6サイズのリングノートを選択です。
半分に折り、右側のページだけを使うようにすれば省スペースでノートを広げられます。
記入法
続いて記入法。
メモ生活が長いので、このノートに記入されるであろうことはだいたい予想できていました。「思いついたこと」「気になったこと」が中心で、原稿のラフ案みたいなものも書きつけることになるでしょう。
では、どのように書き込めばいいのか。
残念ながらこの時点では最適解はわかりません。よって、適当に「あたり」をつけて書き込んでいきます。
とりあえずは、時系列で書き込むことだけを決めて、後は臨機応変に進めます。
バージョンアップ1
いくつか書き込んでいくうちに気がつきました。
最低限必要なメタ情報は「日付」です。さらに、原稿のラフ案を書くときは、その原稿の投稿先を書き加えると見やすくなります。これはいわゆる「タグ」のようなものと考えてよいでしょう。
さらに「思いついたこと」「気になったこと」にもいくつか種類があります。単なる疑問なのか、行動を必要とするタスクなのか、後で展開・発展させる必要があるアイデアなのか。それを冒頭の記号で表現しておけば、見やすくなりそうです。
バージョンアップ2
さらにメモが増えてくると、「以前書いたあのメモを発展させたメモ・関係あるメモ」というメタ情報を残したくなることもわかりました。それを実現するためには、URLのような書き込んだメモを同定する情報が必要となります。
各ページに番号を振り、「4ページの4番目のアイデア」のような町番号式で管理する手もありますが、ストレートにアイデア1つにつき一つの番号を割り振っていくのもよいでしょう。
よって、途中からアイデア・ナンバリングをスタートさせました。
バージョンアップ?
ここでいったん立ち止まります。
冒頭にナンバリングを加えた。タグみたいなのも書き込んでいる。これをどんどん増やしていけばアイデアの整理が楽チンになるのでは?──危険な考えです。その時点で必要性を感じていないメタ情報を増やしていくのは、だいたいにおいて失敗の源です。
それに、メタ情報の記入を無制限に許可してしまうと、メモごとの本文開始位置がずれてしまいます。これは、後から読み返すときの可読性を下げるので、あまりかんばしくありません。よって、ここは慎重に判断した方がよいでしょう。
バージョンアップ3
また、メモが増えてくると、「これは後から参照したいな」と思えるような重要なメモが出現します。そのようなメモを目視で探しやすくするためには、何かしらのマーキングが役立つでしょう。
よって、メモの後部の方に印を書き加えます。単に何度も参照したいようなものであれば縦線を一つ、実行を要し役目が終われば参照の必要がなるなるものは斜め線を一つ入れておいて、用事が済んだら逆側からの斜め線をもう一つ入れてバツ印にすれば視覚的情報は綺麗に整理されます。
普通メモは書き出しの方から読んでいくので、このようなマーキングはむしろ書き終わり(ページの右側)に記入しておくと素早く目視できるはずです。
さいごに
というように、メモを使い込んでいくうちに、徐々にメモの記入法はバージョンアップしていきました。
でもって、こうしたバージョンアップは基本的に「こういう情報が必要」という実際的なニーズに基づいているので、(自分が)便利に使えるのはほとんど当然と言ってもよいでしょう。
たくさんのメモ術やノート術に親しんでいると、このように必要に応じて機能を拡充していくことができます。一方で、いろいろ知っているからこそ、「無用な」機能を追加してしまう可能性も出てくるので、そこは慎重さが必要でしょう。
おそらく万人のためのメモ法は存在しません。各人の置かれている環境がさまざまなのですからそれは仕方がないことでしょう。だからこそ、自分のメモ法は、自分で作っていくわけです。それも、自分で使いながらです。これが一番肝要なことかもしれません。
▼今週の一冊:
この本は、無茶苦茶面白いですよ。「超」整理法好きとか、スケジューリングとか、秘書問題とか、その手の話が好きな人は間違いなく楽しめます。
Follow @rashita2
徐々に原稿を書ける時間が増えつつあります。というか、戻りつつあります。完全復帰には遠いですが、とりあえず作業ができるのは良いことですね。ぼちぼちいろいろな本作りも復帰しますのでお待ちください。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。