本を買うとき、なぜその本を読もうと思ったのかを詳しく書いておく

カテゴリー: 思い出す技術



失敗談です。目下ある2冊の本を読んでいるのですが、そもそもなぜこの2冊を読もうと思ったのか、すっかり忘れてしまいました…。「きっと詳しく解説した本が出ているに違いない!」というアタリを付けてAmazonでキーワード検索して見つけ出して、すぐに注文したという記憶は鮮明なのですが、何を期待して本を求めたのか…?

本が届いて読み始めた時点では、その期待内容は頭の中にあったはずです。

でも、読んでいるうちに引き込まれ、ページを繰るたびに感心させられ、「ああ、やはりこの本を買って良かった」と自分の判断の正しさと幸せを噛みしめる日々の中で、「そもそもなぜ読み始めたのか?」が分からなくなっていたのです。

大げさに言うと「この本を読めば次のステージに進める」と期待して手に取り、読み始めたわけですが、読み始めることによって、それ以前の自分の何かが上書きされてしまい、そこに書かれていたことが取り出せなくなってしまう、という事態に。

いつか思い出すことを期して

その本を注文した直前の行動をあらゆる記録に当たりながら追いかけてみましたが、Evernote、Gmail、たすくま、TaskChuteと、自分の行動記録が残っているツールを洗ってみましたが、それらしい記述は見当たりません。

これ以上の時間はかけられないということで“捜査”はいったん打ち切り、きっと本を読み進めるうちに思い出すこともあろう、ということで読むことに専念しています。

「これほど自明なことを忘れるわけがない」

今回の失敗は、普段から記録を重視して過ごしている自分にとってはあるまじきものでしたが、「自分はぬかりなく記録を続けている」という過信があったからこそのスキだったのではないかと考えています。

おそらく「これほど自明なことを忘れるわけがない」という油断があり、そうであったとしても「でも、未来の自分など信用ならないので、記録はきちんとつけておこう」と普段なら切り替えるところを、この時はそのまま通してしまったのでしょう。

まさに今「ロールバック」をしたい気持ちでいっぱいです。

» なぜ分単位で行動記録を残すのか? ずっと取り続ける必要があるのか? 意味はあるのか?

1997年2月、当時はシステムエンジニアとして販売管理システムの開発に携わっていました。その現場でデータベースのジャーナルとロールバック・ロールフォワードという仕組みに出会い、軽く衝撃を受けました。

この「仕組み」に軽いながらも衝撃を受けた理由は、一言でいえば「再現性」がきわめて論理的かつ美しく実現されていたからです。

ある時点におけるデータベースの状態は、直前に行われたデータの追加・修正・削除(=トランザクション処理)の結果です。データベースに対してどんなトランザクション処理が行われたのかを逐一記録しているのがジャーナルファイル(以降ジャーナル)です。

例えば、データベースに格納されている、ある商品の在庫数の値が実際の在庫数と一致していないことに気づいたとします。

もし、結果だけしか残っていなければ「どうしてこうなった?」という疑問が生じたときに何もできなくなります。

ジャーナルが残っていれば、これを時系列に辿っていくことで、いつの時点で値がおかしくなったのかを突き止めることができます。

ちなみに、読んでいる本は以下の2冊です。

サイゼリヤという、ファミリーレストランチェーンの経営戦略や店舗オペレーションについて詳しく書かれた本です。



おぼろげに…、しかし…

ああ、ここまで書いてきて、おぼろげに経緯が思い出されてきた気がします、完全ではありませんが…。

ちょうどそのころに「ナポリの窯」という宅配ピザの事業経営に強い関心を抱いており、関連記事をむさぼるように読んでいたのです。

「ナポリの窯」(運営会社はストロベリーコーンズ社)については、以下の記事で詳しく書きましたが、考えてみると、サイゼリヤもストロベリーコーンズも共通点は「イタリアン」です。

» 宅配ピザのストロベリーコーンズ社の歴史と今にインスパイアされた話

でも、上記の2冊を注文したのは 4月10日(月)で、この記事を書いたのは 4月18日(火)。関連記事を読みふけっていたのは 4月15日(土)から 4月17日(月)にかけてなので、時系列が逆になってしまいます。

サイゼリヤは近所にはあるものの、最後に訪れたのは2011年8月23日ですから、店での食事が本を読むきっかけになったことは考えにくい。

ただ、気になるのはGoogleフォトを見ていたら、この2冊の本を注文する数日前の4月7日(金)に、「ナポリの窯」とは別の某宅配ピザでピザを注文して食べていたのです。

時系列をまとめると、以下の通り。

4月7日(金)から4月10日(月)にかけて、きっかけとなる何かが起こっていたはずです。

…ともあれ、この2冊はともに面白くて夢中になって読んでいます。

1冊目の著者は創業者である正垣泰彦(しょうがき・やすひこ)さん、2冊目の著者は外食記者で自他ともに認めるという「サイゼリヤファン」の山口芳生(やまぐち・よしお)さんと、ウチとソトの両エキスパートがサイゼリヤについて、まさに余すところなく語り尽くしており、一も二もなくサイゼリヤに行きたくなります(実際、これら2冊の本を読み始めてから今月だけですでに6回訪れています…)。

というわけで、肝心の「きっかけ」は不詳のままではありますが、引き続きこの2冊に学びます。

最後に、今後は本を買うとき、なぜその本を読もうと思ったのかを詳しく書いておくことを徹底します(自戒を込めて)。



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