僕の考える、タスク管理を通して目指すところは以下の5点です。
- 自身のタスク遂行能力を実績記録をもとに数値で把握し、
- これに基づいて実行可能な計画を立て、
- 不安を最小限に抑え込んだ状態を作ったうえで、
- 巡航速度(経済速度)でタスクを遂行していき、
- これを習慣として定着させること
これらが実現できていれば、やる気や集中力にことさらに頼らなくても、コンディションが最高のときも普通のときも最悪のときも、いつでも同じように実行できるようになると考えています。
そのための第一歩が、何にどれぐらいの時間を使っているのかを記録することです。
記録からスタートする
ドラッカーの『プロフェッショナルの条件』にある以下の引用は有名です。
私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時問がとられているかを明らかにすることからスタートする。
次に、時問を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非牛産的な要求を退ける。
そして最後に、その結果得られた時間を大きくまとめる。
すなわち、時間を記録し、管理し、まとめるという三つの段階が、成果をあげるための時間管理の基本となる。
以下は「かけた時間あたりのできることが増える」の事例。ソーシャルゲームで、1年以上かかるところを7ヶ月で達成できたという内容です。
どうしてそんなに成長速度が早いのか?と聞かれると、「タスク管理」のおかげだと説明します。
「クセ」の把握と「矯正」をくり返す
ただ、このあたりのところを伝えるのが難しいといつも感じています。佐々木正悟さんも以下のように書いている通りです。
» たすくま(タスクシュート)での仕事術をわかるように書く難しさ – Medium
私は「仕事が滞る」最大の理由は、「仕事量そのものが異常に多いから」でないなら、「本人がどこかで奇妙な蛇行に走るから」だと考えています。その「奇妙な蛇行」をなるべく「シンプルな最短距離線」に修正するのが「タスクシュート」なのですが、「奇妙な蛇行」は「クセ」の産物であり、個人的な「クセ」というものを「矯正する」ための一般解というものはあり得ないのです。
この「クセ」の把握と「矯正」をくり返すことによって、速く前に進む力が得られます。
そのためには誰かの方法をそのまま採り入れるのではなく、
- 自分の方法をつぶさに観察し、
- そこから得られた「発見」を記録に残し、
- 記録をふり返ることで改善点を見つけ出し、
- 順次、改善を加えていく
というサイクルを回し続けること。
記録からスタートするところが、どうにも地味で、しかも即効性がないところが難なのですが…。
それでもとにかく、続けることで以下のような、自分独自の「テンプレート」が手に入るので、スピードと安定感が自然と増していきます。
» タスクシュートの実態は「自分にとってベストなテンプレート」を作ること
まず、自分がどのような時間の使い方をしているのか、しようとしているのか、タスクという荷物を今日というケースの中に詰めてみて、把握します。
次に、どう考えても収まらない(やりきれない)タスクはいったんケースの外に出します(今日の視界から見えなくする)。
そして、残ったタスク群それぞれについて、何がどのあたりに収めるのがベストなのかを試行錯誤を繰り返しながら探り当てます。
かくして、自分にとってベストなテンプレートが手に入ります。
タスクシュートの実態はこの「自分にとってベストなテンプレート作り」ということになります。
関連書籍:
» プロフェッショナルの条件 はじめて読むドラッカー (自己実現編)[Kindle版]
» なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術