鉄道会社などがスタンプラリーを実施していることがあります(あまりやったことはありませんが…)。あるいは海外旅行をすると各国のスタンプが溜まっていくパスポート。いずれも、「確かに自分がそこに行った」という証が蓄積されていきます。
時折ページを繰りながら「あー、こんなところにも行ったっけなー」などと思い出に浸るわけですが、これはいったい何なのでしょうか? 人はなぜ思い出に浸るのでしょうか?
きっと、自分の過去の足跡からある種の癒しを得たいからでしょう。手紙や日記を読み返したりするのもしかり。
そこでふと、この「浸りによる癒し効果」を習慣作りに活かせないかと思い立ちました。足跡は日々書いているブログです。週記のススメでは文字通り週に1度、1週間の間に自分が書いたブログを読み返すことで「発見」を引き出すコツをご紹介していますが、この週記をスタンプラリーのごとく楽しく続けるための足がかりにしてみます。
要するに、週に1回、時間を取ってその週のインプットを整理し、アウトプットしましょう、という習慣です。
その効用として、以下の3点が読み取れます。
1.日々の刹那的「ふ?ん」に改めて向き合うことができる
2.それが自分の研究テーマにどういう肉付けをしてくれるものなのかを考えるきっかけになる
3.考えたことを書き残しておくことで、思考の堂々巡りを防ぐことができるつまり、前に進める、ということです。
日々「4行日記」を書いているのであれば、これが浸るべき題材になります。「4行日記」は一定のフォーマットで書いてあるため、読み返す際にも比較的フラットな心持ちで向き合うことができます。
実はこの「フラットな心持ち」というのがポイントだと思っています。なぜなら、思い込みや先入観が混入すると書かれている内容を曲解しかねないからです。
「4行日記」の場合は、【事実】【気づき】【教訓】【宣言】という4つのセクションからなるパターン化された書式で書かれているため、例えば、
1.【事実】だけをざっと読み返して、今週の出来事を淡々と振り返る
2.【気づき】だけをピックアップして、今週の心の移り変わりに目を向ける
3.【教訓】だけを拾い読みして、来週に心がけるべきことを刈り取る
4.【宣言】だけを通読して、今後自分がなりたい方向性を確認する
といった多彩な(といっても4種類ですが…)浸り方が楽しめます。
すでに「4行日記」を実践されている方は、読み返しにも取り組んでいらっしゃるようで、そこかしこに「発見」が散見されています。
ブログ生活「カイゼン」事始め(jidai_showさん)
週末の土曜日と日曜日のどちらにやるのがいいのか、よくわからないがまずはやってみよう。今週は、4行日記を5本とセミナー雑感を1本のエントリーだ。教訓は以下の通り。
【月】ケータイの小さな画面に合ったベストな記事の書き方、表現方法がある。
【火】頭の中にあるものを書き出して、整理してみることが大切。
【水】ブログは自分の一部(体験したこと、感じたこと、考えていること、見たこと、聞いたことなど)を切り取ったものである。
【木】商品を売るには、クチコミは効果は大きい。
【金】lifehacksを使えば、生活と仕事を快適にシンプルにできる。ブログを使って自分の仕事のやり方や生活スタイルを変えようという意識がよく現れている。これからはそのための具体的なフローに入っていければ、自分を少し変えられるかも。
4行日記を読み返す(1)(ぺこさん)
ブログを始めてから、1週間。なんとか、続いています。
●【事実】1週間のブログを読み返してみた。
●【気づき】「いかにリラックスするか」について、(というかそればっかり)書いている。私はリラックスをしたいらしい。最近、ちょっと忙しいしなー。考えてみれば、私の「癒し係数」(可処分所得に占める「癒し系」にかかるコストの割合)はかなり高い。それらは、今後のブログでもどんどん紹介されていくだろうけれど…。
●【教訓】リラックス方法は日々編み出して、というかネタの仕入れはしている。後は実践するのみだ。せめて三日坊主、三回坊主ぐらいにはする。
●【宣言】私は、自分で見つけたリラックス方法を日々実践できる人間です。
非常に興味深く読ませていただきました。
さらに、読み返した結果は、TPOV形式で改めてブログにまとめてみると、自分の中に確実に何かが積み上がっていくはずです。
例えば、以下は僕自身の4行日記の「【気づき】ピックアップ」とそれに対する1行コメントです。
●知識は本当に役に立たない。身体にしみこませてなんぼだ。そのためには、現場に身を置いて実際に己の手足を動かしてやってみるほかない。
→ 頭より身体に刻み込もう。
●楽しいからと言ってずるずる続けてしまったのは反省点。
→ 後先を考えて冷静に「今やるべきこと」に注力する。
●メールで、あやうく関係を壊すところだった。相手の立場を想像して書く、ということに尽きる。
→ 自分の事情や言い分は差し置いて、相手の気持ちをとことん想像する。
●通常のルーチンにこだわりすぎるのもよくない。時にはこういった外圧によって破壊される方が、新しい萌芽を期待できる、とも言える。
→ とりあえず泥だらけになってやってみる。
●「日頃から、とっかかりの障害になりそうなものを、極力取り除いておく」
→ ちょっとした手間で進められることは少しでも良いからやってしまう。
●自分がやらなくてもいい作業はどんどん振る。
→ 余裕を生み出すには、人にうまく振る。
●過度の先入観は捨てよう。それが「今」を生きるということだ。
→ 五感を使ってその場の状況を識る。
このように、短くスパッと言い切ってあれば、読み返すのもラクですし、その割に効果の高い“スタンプ”になるでしょう。