GTDを始めたら最初にやるべきこと

カテゴリー: タスク管理



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面白いです。

私はGTDでタスク管理していませんが、タスク管理に深く関わるものとして、随所に頷かされる部分があります。

ただ以前から気になっていて、今回もやはり残っているGTDの疑問点が解消されていません。もっともこの疑問は、他のあらゆるタスク管理術についてもあることで、GTDならではの問題ではないのですが。

タスクリストのリマインドが、不十分だと思うのです。

やろうと思っていることのすべては「後でやろう」と思っていること

いちばん素朴なタスクリストは、買い物メモだと私は思っています。その目的は「やるべきことを後で必ず思い出す」ことにあります。

私たちの記憶力は強力ですが、不十分です。後でやることを思い出すという能力は、かなり下等な生物にもいちおう備わっていることがおおい。つまり生存にきわめて役立つ能力です。

人間はそれを「読み書き」によって強力に補強しています。後で、必要になったときに、それを買うとか、それをするということを書いておくことができます。

GTDは「気になることをすべて書き出す」ことで、この能力を徹底的に補強しようという方法論です。見方によっては、「やろうと思っていることのすべては「後でやろう」と思っていること」なのです。「やろうと思っていること」を「過去にやる」ことはできません。

だから、気になっていること、すなわち後で何かしら行動を要するようなことについてすべて書き出し、それを後で読めるようにするという方法論は、非常に人間的なのです。人間以外の動物に、これはまずムリです。

気になるのは、この次です。



リストを作ったら、次にやるべきことは・・・

すでに断っているとおりこれはGTDならではの問題ではありませんが、書き出した全ての項目について、自動的に再会できるという仕組みが、決まって弱いように思えます。

有り体にいうと「書いたという事を忘れたらどうするのか?」のフォローが、不十分に思えるのです。このことは、書き出した直後には、健忘症でもない限り問題とするに値しませんが、書いた翌日、翌々日、翌々々日には、確実にトラブルになり得る問題です。

特に、書き出した項目が長大で、リストが多く、1度に整理しきれなかった人においては、面倒な事態です。リスト自体にリマインドしてもらうとか、リストをしらみつぶしにするリストを特別に作るなど、確実にやれて忘れない仕組みを用意しないと、どれか、あるいはすべてのリストをそのうち放棄することになりかねないと思うのです。

こうした事態を防ぐためにレビュー、特に週次レビューという方法論が提案されています。しかし、始まったばかりの新しい行動パターンは、簡単には定着しません。三日坊主というのはそれ故の言葉です。週に1回「タスクについてレビューする」というのは習慣になってない段階では、やり忘れる可能性がかなり高いと思います。週次レビューをやり忘れたら(あるいは先送りにしたら)どうするかという問題についても、もっとフォローが欲しいところです。

そんなに何でもかんでも忘れるものか(あるいはサボるものか)と思う人もあるでしょうし、そんなに何でもかんでも忘れる(サボる)人に社会人はつとまるまいと言う人もあるでしょう。

でも私はまったくそう思いません。そもそもGTDのような手法は、人間が、想像するよりずっとはるかに忘れっぽい(そして先送りする)、という前提の上に立っています。その点では、タスクシュートも同様です。

自分の作ったリストのことや、週に一回のレビューのことや、そもそも自分が「GTDをしている」ということにせよ、始めてすぐ覚えておけるようなことではないと思うのです。

少なくともGTD開始後一週間くらいは、折に触れて「あなた、GTD中だからね!」と思い出させてくれるリマインダーが必要です。投函すべきハガキをもって外出しても、メモを取りだし忘れて、結局ハガキを自宅に持ち帰ってきた人は、きっとたくさんいるはずです。

気になることを書き出して整理したリストをもっていても、その存在を完璧に忘れていたら、また気になることが溜まって書き出すことになるだけです(心理学的な意味でなら、多くの場合、書き出すだけでもいいことではあります)。リストのほうから持ち主にぶつかってきてくれないと、この種の仕組みは回っていかないのです。

どんなリストにせよ、リストを作ったら、次にやるべきことは、「作成したリストに、正しいタイミングで再会するための仕組み作り」です。リストを読み返すリマインダーをセットすることが、ネクストアクションです。そしてそのリマインダーは、繰り返しセットされていく必要があります。

世の中がもっと進めば、郵便ポストの前を通りがかっただけで、「投函すべき葉書のリスト」が目の前に勝手に現れてくれるようになるかもしれません。でもそれまでは、少なくとも実行前のタイミングでリストを目の前に「表示させる」習慣化や仕組みを、自分で作る必要があるはずなのです。

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